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68 愛の巣は新しい人生の象徴 後編


せっかく、用意されてたので

湯浴みをして、ナイトウエアに着替えた。

「生まれて初めてドレスを脱がすよ」と言いながら楽しそうに脱がせてくれたけど

「こんなに締め付けてるんだ」と驚いたりで笑ってしまうほど雰囲気もへったくれも無かった。


これで良いのか?初夜ですよ?


私達らしいのだろうか?


気を取り直しワインを飲みながらソファーで寛ぎ

雰囲気を作り直す。


「僕達って不思議だね。

色っぽい時間は男と女なのに

日常は、なんだか男同士のような兄妹のような


さっきまで、欲情してたのに。


初めて、同じ目線で歩みたいと思った異性が君だった。


最初は恋なのか分からなかった。

興味ある対象で好奇心が疼いた。


知れば知るほど欲しくなって

君なしの人生なんて考えられなくなった。


君も僕なしの人生なんて考えられなくしてやりたくなった。


土足で僕の精神に入ってきて

今までの僕を全否定だ。

大失態を犯した僕に、完璧より好きだと言ってくるとは驚いた。


最初、何も言わずに僕を包んでくれただろ。

すごく暖かかったんだ。


何にも感じなかった感覚が一気に目醒めた気がしたんだ。


あの時、瞳の能力に目醒めた気もする。


運命を感じちゃうよね?

神様の悪戯かな?」


そう言うウィルに私は


「神は気まぐれで、お戯れが過ぎるわ。

けれど、その神はその瞬間の私の視点の神に過ぎないの。


女神を見たら分かるでしょ?

気まぐれで自由なの。

どの視点にフォーカスするかで行動も考えも変えるわ。


それを運命と定義するか、悪戯と定義するかは自分次第なのよ。


でも、私はローズマリーとして

この世界へ転生させてくれた事に感謝してるし

ウィルと出逢わせてくれた事にも感謝してるのよ。


全てが、とばっちりな気がしてたけど

今は、全てに感謝しかないの。


ウィル。

女の子らしくない私だけど、これからも宜しくね。」


そう言うとウィルが笑いながら言う。


「女の子らしくないローズに惚れちゃったから

今更、女の子らしくされてもね。


妖艶でエロく僕を誘ってくれれば、女の子らしさは要らないからね。


僕は、甘えたいからね。

ずっと男らしくしてなきゃなんて嫌だし。

もう出来ないよ。


ローズが、本当の僕を解放しちゃったんだから

責任は取って貰わないと。」


確かに、そうだ。

作り上げられた王子像を壊せと唆したのは私なのだ。


禁断の果実を渡した蛇のように。


「そうね。

責任は取らなきゃ駄目よね。」


そう言って、ウィルの膝の上に乗り

ウィルの唇を指で弄びながら


「この唇も私だけのもの

エリアーナに先を越されたのよね〜。

ちょっと悔しいわ。

貴方の唇と指先は、どこまでエリアーナを

喜ばせたのかしら?」


そう言って悪い顔で微笑む。


「なるほど、そう来るんだね。

とっても魅力的だ。


エリアーナとの事が、そんなに気になるのかい?

本当は、どうでもいい癖に。


残念ながら、唇を奪っただけだよ。

案外、エリアーナは僕に興味がなくてね。

リュカとばかり密会してたからね。


嫉妬のスパイスには味気ないかな?


僕が喜ばせたいのはローズ、君だよ。」


そう言って私の手を振り解き

強引に唇を奪ってきた。


熱い口づけを何度も何度も繰り返す。


そして唇を離して


「ローズ。

君は、スゴいね。

色んな顔を見せてくれる。」


そう言いながら、私を抱えて立ち上がりベットへ運ぶ。

優しく、ベットに寝かせられ


「ベットの上では、どんな顔を見せてくれるかな?」


覆い被さるように、ウィルの優しく時に激しいキスの嵐が全身を包む。


甘美で蕩けるひととき。



ローズマリーとしての初体験は

初体験とは思えない程の濃厚な途中経過があり


初体験だからこその、痛みで我に還る。



痛みで硬直してた身体がグッタリだ。


「痛かったよね?

男には分からない痛みでごめんね。」


仔犬の様な目で、謝られると

こちらも謝りたくなる。


「大丈夫よ。

私も、ごめんさない。

思いっきり背中に爪を立てたわ。

痛かったでしょ?引っ掻き傷出来ちゃったかも」


そう言って、ヒールを掛けようとすると


「初体験の記念に、そのままでいい。

度合いが違うかもだけど、痛み分けね。」


と笑うウィルに、つられて笑った。



その後は、ウィルがあれこれ世話を焼いてくれた。


基本的にウィルは優しい。


さっさと寝室に篭ってしまったけど

そこまで夜が遅い訳でもない。


なにせ、日が沈む前に寝室に来てしまったのだから。


ちょっと小腹が空いたのは、夕飯を食べてないからだ。


「ねぇ、ウィル。

今、何時なのかしら?


さっと湯浴みして夕飯を食べない?

使用人たちは先に食べたかしら?


食べ終わってたら、2人で食べましょう。」


王族や貴族がしない様な生活を楽しみたい。

ウィルにも楽しんでもらいたい。


使用人ばかりに頼らず、自分で料理したり

使用人達と食事を共にしたり

引き取った孤児達と遊んだり


貴族と平民の間の様な生活。


ウィルに、可能な限りの自由を味わって欲しい。

そう思う。


「今は、夜の8時ちょっと過ぎかな?

もう流石に、皆は夕飯は済ませてるだろ。


一緒に作ろう。

また、僕が邪魔なだけかもだけど。


さっ、一人で歩ける?

浴槽まで、連れてこうか?」


流石に歩けます。と立ち上がり浴室へ向かうと


「もぉ〜、連れてって言うところでしょ?

直ぐに、男前に戻っちゃう。」


と、拗ねながら可愛く着いてくるウィル。

完全に甘えモードだ。


「はいはい。ごめんなさいね。

次からは、気を付けます。


お詫びに

甘えん坊さんなウィルの身体を洗ってあげまちゅね〜。」


完全に遊びモードの私。


「ローズ。

馬鹿にしてんの?


そういう子にはお仕置きだよ。」


そう言って、くすぐっくてくるウィル。

ケラケラ笑いながら子供の様に、はしゃぐ2人。


さっきまでの、ベットの営みが嘘のように

大人から子供に変身した様だ。


そんな関係が、堪らなく心地良い。


着替えた私達は、キッチンに向かう。

ウエディングケーキと軽食の残りが、まだあった。


ダイニングに移動する事なく、2人で摘み食いする様に食べさせ合いながら楽しい夜食。



何もかもが楽しくて愛おしい時間。


これが新しい人生で

ココが私達の愛の巣


ずっと守って行きたい。


私達の人生の象徴になるように。









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