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57 2人で築き上げる喜び


話が終わり、ウィルの私室に来ていた。


まずは、家の候補地を決めようと国王から言われたいくつかの候補地の地図を見ている。


「新たに家を建てるとは思って無かったわ。

転移が使えるから距離的な事は考えなくて良さそうだけど。

ウィルは、どこか希望はあるの?」


と私が聞くと


「2人の愛の巣だよ。

ちゃんと一から建てたいよ。

場所は自然が多い所が良いな。

ハンデルンの経験を活かして露天風呂付けよ。

で、庭には薔薇園を造る。赤と黒の薔薇で埋め尽くそう。

楽しみだなぁ〜。」



ウィルが楽しそうだ。

私より、女の子らしい考えです。


なんだろ?

前世の記憶の弊害なのか、あまり夢を描いて無かった。

現実的に生きてた私は、貧乏性?


今は、贅沢出来る環境なのだ。

せっかくだから、夢を見ようじゃないか。


「素敵ね。

でも、それって半年で出来るの?

あっ、でもハンデルンの別荘も早かったしね。


ベルナルドに頼めばいいのか。」


そうだ、こういう時はベルナルドが役立ちそうだ。


「そうそう。

ベルナルドも、そのうち管理下だし

使える者は使おう。


社交もしなくて良いって言うし、家にパーティー用のホールも要らないだろ?

それとも、たまにはパーティーしたい?


使用人も、どうしようか?

ベルナルドに頼むか、数より質で。


ローズは、エリアーナは引き取るんだろ?

アンはどうするの?


色々、考える事がありそうだね。


ねぇ、ローズ。この土地どう?

今、使われて無いタウンハウス建ってるけど

端っこで王城の森を抜けたとこから敷地だね。

庭も広そうだ。


ここなら、乗馬も出来そうだよ敷地で。

君も家で気晴らしが出来る。


ココにしよ。

元のタウンハウスは壊せばいい。」


簡単に壊すって…。


「ウィルが、気に入ったならいいわよ。

だって、さっきから聞いてるとウィルの中で

ある程度、イメージが決まってそうだし。

私の出る幕ある?

アンとエリアーナは、セットで連れて来ます。

あと、アンは結婚してるのよ。

お父様に、相談しなきゃ旦那と子供を連れてっていいか。

ダメって言われたらアンは諦めなきゃ。


エリアーナは責任持って引き取らなきゃね。」


と、言うとウィルは苦笑いして


「本当に僕のイメージだけで決めていいの?

ローズの好きな様に建てて良いんだよ。


僕さ、城で生まれて城で死ぬと思ってたからさ

なんか、嬉しくてさ。はしゃいだ。


でも、2人の事は2人で決めたい。

これからは、いつだって何だって2人で決めて行こう。


最近はようやく、家族らしくなったけど

僕は、あまり温もりを感じないで生きて来たから…

大切だとは思ってたんだろうけど

実際は、構って貰えなかった。


だから、温もりのある家を建てたい。

2人で決めた家で、新しい使用人と生まれて来るだろう子供と温もりある家にして行きたい。


忙しさにかまけない。

家族の時間も作るし笑顔の絶えない家庭にしたい。


一緒に築き上げてくれるだろ?」



これが、本当に叶えたかった

ウィルの夢なのかも知れない。

ささやかな夢。


「もちろん。

社交しなくて良いって言うんだからパーティーホールなんていらない。


あまり大きくなくて良いわ。

広すぎると、家族の気配が分からないもの。


学園の仕事は学園でやるし

影の仕事は何も残せないわ。


アットホームな家を建てましょう。

まぁ、公爵家を名乗るのに問題なきゃですけどね。

その辺は、どうなのでしょう?


その兼ね合いは、ウィルに任せますわ。」


結局はウィルにぶん投げる。

別に、外見は何でも良いのだ。


どんな家でも、ウィルが居れば

そこは、私の居場所なのだから。


「大丈夫だよ。

名ばかりの公爵家だからね。


表向きは、地味な学園長。

領地も無い、ただの問題児王子が城を追い出されたに過ぎないんだ。


小さくても、パーティーホールが無くても問題無いよ。


そしてローズは、そんな僕と結婚する

変わり者のジャジャ馬婦人だよ。」


そう言って笑う。


なるほど、そうなるのね。

爪弾き者が丁度良いのか、動きやすいし。


「ジャジャ馬令嬢の次はジャジャ馬婦人?


ところで、ラストネームはどうする?」


そう聞くとウィルは少し考えていた。

そして


「ねぇ、前世で黒に纏わる言葉でなんかある?」


と、聞いて来た。


「黒ねぇ〜、英語でブラックでしょ

あとはぁ〜、あっフランス語でノワールだったような…」


そう言うと


「ノワールっていいね。それにしよ。」


それで良いんだぁ〜って思って


「なんで黒?ウィルの色だから?」


そう問うと


「それもあるけど、影らしくていい。

それに、闇から君が救ってくれたから」


そう言って笑ったウィルは続けて


「もう直ぐ、君は

ローズマリー・ノワールだ。

僕と一緒にノワール家を守ってね。


そうと決まれば、さっそく父上に言って

僕達の家になる土地を見に行こう。」


と、立ち上がり手を引っ張られた。

慌ててウィルに着いて行く。


国王は、もう決まったのか?と呆れながら

書類を作っておくと言い、さっきと出てけと追い出された。


その足で、土地を見に行く。


手入れがされてない土地は建物も庭も荒れて居たが、充分な広さで静かだった。


「ココが、これから僕たちの家になる。

ローズ、ここから始まる新しい生活が僕は

とっても楽しみだよ。


きっと、そう遠くなく父上の計画に巻き込まれると思う。

ハンデルンの件でベルナルドを送り込んで来たのも計画の一部なんだろうし

アイツ初めて会った時、番犬の事は学園長になれば分かるとか言ってただろ?


あの時から、思ってたんだ。

父上も、サイラスを煩わす前国王時代の負の遺産は残したく無いんだと思う。


外に出れば、守る為に僕は手を汚すと思う。

だから、ココだけは平和にしたい。


後悔しない?

どんな僕も、どんな冷酷な僕も

受け入れてくれるかい?


僕は案外、計算高くてズルい男だよ。」



そう言って真っ直ぐな目で私を見据える

私の真意を見透かすように黒い星屑の瞳が輝いて見えた。



「どんなに醜いウィルでも。

受け入れる覚悟はしてるつもりだけど。


私を離さないつもりなのに

そうやって試すの?

前に、私は言ったわ。サイラスの方が王に向いてると。


でも、私が間違ってた。

本当の真の王は、貴方なんだわきっと。


それも、とても危うい王。

裏の王に相応しいわ。


守る為に、邪魔になれば国さえ滅ぼす

それが、ウィルでしょ?


大切なものを見誤らないようにしなきゃ

とっても危うい存在ね。


だから、私が側に居てあげる。

離れてあげない。」


真剣に答える私に。

ウィルは、妖艶な笑みを浮かべて


「さすが、男前なローズだね。

守られるより守りたい、君らしい。


離すつもりもないし

離れるとも思ってない。


だけど、試したくなる。

どうしようもなく君を愛してるから。」



その執着にも似た愛を

私は、欲してるのかもしれない。

どうかしてる。

けど


「そんなウィルを

私も、どうしようもなく愛してるわ。


キラキラ王子の着ぐるみを脱がせたのは私。

それを欲したのも私よ。


頭のキレる貴方は、私を惑わすけど

それも楽しいわ。


次は、どんなウィルを見せてくれるかしら?」



そう言うと、ウィルが大きな声で笑い出した。


「本当に君は、面白い女だ。

こんな男で良いって言うんだから。


だから、離さないんだけどね。」


私は、悪い男も好きらしい。

どんなウィルでも私を世界で1番愛してくれる。


「今のウィルは、最高にセクシーよ。

キラキラ王子より数倍、好きよ。

ウィルが思うより、私の愛も重いのよ」


って微笑む。



前世の麗奈は無難な人だった。


でも、ローズマリーは自由で

冒険好きで危険な匂いが好きなのかも知れない。

平凡なんて要らない。


だからウィリアムと言う男を選んだのかも。









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