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56 学園長就任


結婚する事が決まり。

ウィルが正式に学園長に就任されることになる。


そしてサイラスは王位継承一位となり王太子になった。



この事で、話があると国王に呼び出された。


王のプライベートサロンにて


国王、ウィル、サイラスそして私の4人で集まる


人払いがされ、尚且つ部屋に防音の結界が施された。物凄い、極秘の話なようだ。


「今日、話すのは今後の事だ


ウィリアム。お前は国王にならなくて良いが

裏の王になってもらう。

王の番犬の管理及び育成もだ。

学園も並行して貰う、学園も改革の時だからな。


サイラスが表の王になったら、お前が影で支えろ

今は、私を支えろ。良いか?


ローズマリー。お前にも苦労を掛けるが

ウィリアムを支え共にやってくれるか?


その代わり、お前たちに表の煩わしい社交から解放してやろう。


お茶会やらパーティー、舞踏会なんかも

来たきゃ来ればいいが、嫌なら来なくていい。


ウィリアム、お前。ローズマリーを自由なままで居させたくて王になりたくないと言い出したのだろう?


いくらでも挽回して王太子になれたものを。


可愛い息子の為だ。希望を叶えよう。

だが、仕事はして貰う。


サイラス。お前にも苦労を掛けるな。

面倒な仕事はウィリアムに投げろ。

王位を押し付けられたのだ、その位しても良いだろ?」



なんかスゴい事、言ってますよね?


「父上。

覚悟はしてましたが、番犬の管理とは大きく出ましたね。

影の仕事ですか、それはまた

闇堕ちした僕に相応しそうだ。

新たな爵位を下さい。

それと、学園の改革とは?

どこまで変えるおつもりですか?」


ウィルは薄々、国王様から何を言われるのか分かって居たのかも知れない。


「学園の改革は、追々な。

先に番犬の方に慣れて貰わんとな。」


そう言って笑う。


「それって、本来なら俺がする事だったのか?

兄上が、王太子になって俺が学園長と影だったのかよ。

兄上は、どの道 好きには生きられないって事か?」


サイラスが怒った様な、哀しい様な辛そうな顔をして言う。


「なんだ、サイラス。

ウィリアムが順当に王太子になれば

影は、お前ではなかったよ。

あのまま行けばウィリアムを影で支えられたのはリュカだ。

学園長も、あのまま私の義弟だったろう。

それに、王の影は表向きは色々だ。

私の今の影はジョンだ。

ローズマリー、お前の父だ。


ウィリアムも、ジョンから引き継げ。」


衝撃の事実。

お父様ってヤバくない?

家では、親バカ過ぎて偉大さが分からなかったわ。


驚いてるの私だけ?

ウィルは、気付いてたの?


「なんだよ。

俺は、兄上の影にはなれなかったのかよ…。


それより。なんで、兄上ばかり背負わせんだよ。

幼い時からずっとそうだ。


俺ばかり自由にさせて

あの時、やっと兄上は解放されると思ったのに…


なんでだよっ!

生まれた順番なのかよ?」


サイラスが怒鳴る。

サイラスは、こんなにもウィルを想ってたとは

正直、知らなかった。


「サイラス。落ち着け。

オマエは全て怒りになっちゃうな。

ありがとな。


僕は、大丈夫だよ。

オマエが産まれた時、嬉しかったよ。

弟が出来たって。

めちゃくちゃ、小さくて可愛くて

守ってやりたくなった。

ずっと自由にさせたくて、あまり関わらないで

オマエの役目も全て引き受けようと思ってた。


なのに、オマエに王位を押し付ける形になった。

だから、オマエを支える側に回るだけだ。


まぁ、裏で支えるとは思って無かったが。

兄として、オマエを大事に思ってるんだよ。

オマエが産まれた時からね。」


そう言ってウィルが笑う。

この兄弟は、心では愛しながら

噛み合わずに生きてきたのかと思う。


「まったく、私が悪者みたいだな。

私は、2人とも大切な息子だと思っておる。

生まれた順番も関係無い。


サイラスが、産まれた時

ウィリアムは本当に喜んでた。

5歳くらいで、既にサイラスの分まで自分が頑張るからサイラスには好きな様にさせてやってくれと言い出したのはウィリアムだ。


王位継承権を放棄すると言い出した時も

サイラスをどんな形でも支えると言ったんだ。


ウィリアムを愛してるから願いを叶えた。


サイラスを愛してるから今まで自由にさせた。


私は悪くないぞ。」



出た。親バカ。

カッコよく息子に言い訳してます。


「なんでだよ…。

馬鹿なのか兄上は。」


消え入りそうな声でサイラスがつぶやく。

泣きそうだ。


「馬鹿なんだ。

サイラス。オマエを愛してるからな。

僕にとって、オマエは可愛い弟だ。

諦めろ。」


ウィルが、そう言って笑うとサイラスが

涙を堪えて俯いて、黙った。


「マリー。見苦しい所を見せた。すまないな。


忙しさにかまけて、ちゃんと家族皆んなで向き合って来なかったツケだ。


家族の時間を待つのも、サイラスの時は改善しないとな。

まったく、仕事が増える一方だ。


ウィリアムには頑張って補佐して貰わんとな。

サイラスに皺寄せがいくぞ。」


と、ウィリアムの方を見てニヤける。


「父上。まだまだ頑張って下さいよ。

これから、結婚するのに新婚生活を邪魔する気ですか?

これから、屋敷も建てようと思ってるのに

最初くらい、暇を貰わないと困りますから。

式を上げて家が無いんじゃ台無しですよ。」


ウィルが不機嫌な顔で国王に、突っかかる。

国王は、苦笑いだ。


「分かった。分かった。

それで、土地なんだが新たにと言われてもな。


爵位もラストネームはどうする?

私が与えるとは言え、勝手に決めたら怒るだろ?


最近、ウィリアムが反抗期で困る。

昔は素直だったのになぁ。」


ウィルが反抗期とか、笑ってしまう。

あの時から、ちゃんと自分の想いを話す事を覚えたみたいだ。


それから、土地とラストネームは

考えて後で伝えると言う事になった。


番犬の事などは父から聞けと言う。


学園長就任で、少しは責務が楽になると思ったら

楽になるどころか、責任が重くなった気がするけど…。


ウィルは、どう思ってるのかな?

話してる間、全く驚いて無いところを見ると

覚悟してた様に思う。


さすが、産まれた時から王になるのが当たり前で育った王子様だ。


彼は、いつだってそれなりの覚悟と共に生きて来たのだろう。


彼の優しさは、大切だからだ

大事な者の為になら冷酷にもなれるのかも知れない。


それは、国では無い。

人なのだ。


大切な人の為なら、国も守るが

大切な人の為なら、国さえ滅ぼすかも知れない。


危うさを秘めている。



その、危うさを秘めた彼を愛おしく思う。


ウィルの愛は危険極まりないが

暴走しない様に、大切に守りたい。





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