55 男としてのケジメ(ウィル視点)
どさくさに紛れて婚約をした。
どうしても、ローズを僕のものにしたかった。
僕は案外、悪い奴だ。
ローズは、弱ってる者に弱い。
頼りない、ダメな奴に弱い。
なんとなく、分かってた。
だから、ダメな奴で居たかった。
完璧な王子じゃ、ローズは僕のものにならない。
彼女は案外、男っぽい。
守られるより、守りたいと思う気持ちが強い。
彼女は自分で気付いて居るのだろうか?
だから、僕は守られるダメな男にでも成り下がる。
頼もしさと、ダメさのバランスを僕は
計算してしまう。
僕は、ズルい男だ。
だけど、それを知っても彼女は許してくれそうで
甘えるんだ。
父に女神に会わせてくれと頼んだ。
頼んだそばから女神が現れた。
精霊王に会いたいと頼むと
女神は、精霊王を呼んでくれた。
精霊王に僕は頼む。
「ローズマリーと正式に結婚したい。
プロポーズの場所を用意したい。
俺の魔力量では足りない、貸してくれませんか?
そして、ローズマリーは僕だけのものにさせて下さいませんか?
少しも貴方に奪わせたくない。
死ぬまで。」
精霊王を見据えて僕は言う。
一発、拳が飛んできて
吹っ飛ばされた。
『空間魔法を使う時、俺をイメージしろ。
足りねぇ魔力を補ってやる。
最初で最後だ。
二度と、力は貸さねぇ。』
そう言って消えて言った。
転がる僕の側に女神が寄り添い。
『馬鹿ね。ウィリアムらしいのかしら?
貴方は、あの人と違う道を歩むのね。
あの人と同じ瞳で、違う道を見据えなさい。』
そう言うと、ヒールをかけてくれ
女神も消えて言った。
一部始終を見ていた父に
「精霊王の拳は重かっただろ?
その、重みの意味を心に刻め。」
と、いつになく真面目な顔で言われた。
ハンデルンの別荘に両親を連れて行く日
僕は、自分の私室から繋がる大きな空間を作る。
精霊王の魔力を借りて。
満天の星空と明るい満月。の空間
その空間に魔道具のキャンドルを大量に灯した。
大きなソファーを置きサイドテーブルも置く。
メイドに花束とグラスとワインを用意しておくように頼むと
僕は用意してたお揃いの服を収納魔法で収納し
父と母を連れて、別荘へ転移した。
そして、その後
夜に、彼女に二人きりの時間をもらった。
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映像と音楽が止み。
しばらく、花火が打ち上げられていた。
ローズと手を握り合いながら
花火を眺めている。
終わると、同時に静かさが広がったが
直ぐに人々の歓声が広がり広場は賑やかになった。
リュカとルナ嬢と別れ
僕は、ローズを伴って城の私室に戻る。
メイドが用意してくれた。
花束とワインがテーブルに置かれていた。
「まず、最初のプレゼント」
そう言って108本の薔薇に視線をやった。
108本は【結婚しよう】の意味。
そして色は赤、青、黒。
もちろん、愛や神の祝福、敬愛などの意味はある。
魔法で作った空間へ、ローズを誘った。
扉を開けると、彼女はめちゃくちゃ驚いて
「どーしたの?この空間。
ウィルに、こんな魔力量あった?
すご〜いっ。」
と、次の瞬間には目をキラキラさせて無邪気に感動してる。
僕も嬉しくなる。
手を取りソファーまで連れて行く。
座らせると、僕は少し離れる。
花束の中から黒の薔薇を一輪取って
ワインとグラスを持ち戻ると
彼女が星を眺めながら
「夜空を見るとウィルの瞳と重なるわ。
だから、寝る前に夜空を見るのが楽しみなの。」
なんて、可愛いことを言ってくれる。
ワインをグラスに注ぎ
僕も隣に腰掛ける。
ワイングラスを彼女に渡すと
「私を酔わせてどうするつもり?」
なんて冗談ぽく言うとニッコリ笑う。
二人で、まずはハンデルンの完成お祝いにと乾杯した。
そして黒の薔薇を一輪
彼女の前に差し出した。
「この黒い薔薇は、僕だけのローズって意味。
受け取って。」
と言うと、「黒の薔薇なんてあったのね。」
なんて興味深そうに眺めている。
惚けた顔して、ちょっと憎らしい。
けど可愛い。
そして、彼女の座る前に僕は跪き
「ローズマリー。
僕と正式に結婚してくれますか?
死ぬまで、僕だけのものになってローズ。」
そう言って指輪を差し出した。
「ウィル。
私は、もう貴方のものよ。
そして、貴方も私のものなんだから」
そう言って満面の笑顔で答えてくれる。
指輪をはめてって嬉しそうに言う彼女を
直ぐに抱き締めたかったけど
指輪を薬指にはめてから
思いっきり抱きしめた。
このまま時が止まれば良いとさえ思った。
思いっきり、唇を堪能した。
我慢出来なさそうだから
程々に辞めたけど。
全て自分のものにしたかった。
堪えるのがキツイ。
その後、ワインをのみながら
「ねぇ、ウィル。
この空間って、ウィル一人で作って無いよね。
私でも、この規模の空間は無理だもの。」
やっぱり気付くかと思った。
「精霊王に頼んだ。
死ぬまで、ローズを僕だけのものにしたいって言った。
一発、ぶん殴られて吹き飛んだよ。
重い一発だった。
今世は僕が勝ち取ったみたいだ。
だから、ローズマリーは僕だけのものだ。」
そう言う僕に呆れた顔をしたローズは
「また、私のいない所で私の事を話してる。
勝手に決めないで、私が決めるのよ。
ガロは、私がローズマリーでも麗奈でもいいのよ。
ガロの記憶が無くなった私でも。
なんか、人間の私には理解を越えてるのよ。
でも、私はローズマリーだわ。
ローズマリーとして、私がウィルを選ぶの。
死ぬまで離さないから覚悟してね。」
と、言うのだ
覚悟するのはローズだろと思う。
「その言葉、忘れないでね。
僕も死ぬまで逃さないよ。
覚悟するのは君だよ。」
飽きもせずに、彼女の唇を奪い堪能する。
あぁ〜、早く抱きたい。
サッサと結婚式を挙げようと心に決める。
その後、薔薇の花束を彼女の家に預け
別荘に戻り両親に報告する。
早く結婚したいから、式は簡単で良いと言ったが
そんな訳にいくかと怒られた。
生まれて初めてゴネまくって半年後に式を上げる事に決まる。
半年も我慢するのかと思うと
正直、堪えられない気がした。
頑張れ僕。




