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52 久しぶりの学園


プロジェクションマッピングの魔道具の試作品を見せて兄の意見も聞きたくて、久しぶりに学園の教室へきた。


兄とルナ様が、2人で魔道具を見ながら

あれこれと話してる様だった。

集中してるのか、私達に気付かない。


黙って、暫し観察してると

なかなか良い雰囲気で、ルナ様を見る兄が

普段、見ることのない顔をしていた。


妹である私にも優しい顔を向けてくれるが

それとは別物だ。あれは、本気で愛する女性を愛おしむ顔だ。


進展してるらしい。


ウィルと2人で生暖かい目で見ていると。


兄が最初に気付いた。

ギョッとした顔でこちらを向くと


「いつから居たんだよっ。声くらい掛けろよ。」


と言ってくる。

ルナ様もカーテシーで礼をとる。


「悪い悪い。

あまりにも良い雰囲気だったから

邪魔したら悪いと思ってね。

そろそろ、婚約の話も聞けるのかな?」


と、ウィルが言えば


ルナ様は真っ赤になって俯き

兄は、ウィルに向かって


「ウィルと違って、きちんと順序立ててだよ。」


そう言う兄の言葉には棘がある。


「お兄様、ぐずぐずしてますと

誰かにルナ様を獲られますわよ。

ルナ様だって他の方から人気ですのよ。

きっと縁談の手紙も多いでしょうに。」


私が言うと


「マリー。脅かすの辞めて。

俺も、ちゃんと考えてるから。」


そう言う兄を、驚いた顔で見上げてるルナ様。


兄が、ルナ様に想いをちゃんと伝えてない事が伺える。


「お兄様っ。

本当に、情けないですわね。

ルナ様がビックリしてますわよ。

何も、言葉にしてませんの?

色男が台無しです。

決める所は決めて下さいよ。」


兄が気まずそうにしている。

少し苛め過ぎたようだ。


「あははは。

リュカもローズには弱いんだ。


ちょっと、2人で散歩でもして休憩して来たら?

僕はローズと魔道具の試作を試してみたりするからさ。


言葉にしなきゃ伝わらない事もあると思うけどな〜。

本気なほど、ポンコツになるんだリュカは

意外だったよ。」


と、悪そうな顔で微笑むウィル。


トドメを刺したな。



すると、兄は無言でルナ様の手を握り

引っ張る様にして教室を出て行った。


覚悟を決めたらしい。



「ウィル、楽しんでない?」

と私が聞くと


「ローズだって、リュカを虐めて楽しんでるでしょ?

しかし、意外だったよ。

あのリュカが、本気で慕う相手には

あんなにも奥手だとはね。」


やっぱりウィルも私と同じで、兄のイメージとのギャップに驚いたのだろう。


私も、女が苦手だと聞いた時は衝撃的だった。


「本当よね。

妹の私でさえ、兄は女慣れしてると認識してましたからね。

最初はビックリしましたわ。


ウィルを少し見習ったら良いのに。」


それを聞いたウィルが


「僕を見習う?

僕の愛し方を見習ったら、ルナ嬢は耐えられるかな〜?

きっと僕より、リュカの方が色気あると思うけどなぁ。」


と、少しニヤけた顔で笑う。


「確かに。

ルナ様、鼻血出さないかしら?」


心配してたら


「鼻血?なにそれ?」と不思議そうにウィルが聞いてくる。


弱ってた時に、弱音を吐く兄の色気に

エロ過ぎて鼻血が出るかと思った話をしたら


呆れた顔をしながらウィルが言う。


「ローズ。兄の色気に興奮したって事?

そんな悪い子は、兄であっても接見禁止にするよ!」


あっ

言ってはいけなかったかも?


素直に何でも話すのは良くないと反省した。


「それは…。

ちゃんとローズマリーで生きてなかった頃の話でですね。

今は、兄をそんな目では見てませんわ。


私が見てるのはウィルだけですもの。…」


気まずくて視線を合わせられない。


少しの沈黙が流れ

ウィルが怒った顔で私の顔を覗き込むと


「ねぇ。ローズ。

これから、僕以外の男に興奮したら

僕は君を閉じ込めてしまうかもだから。


リュカにまで、妬かせないでくれる?」


めちゃくちゃ怒ってるわ〜

まずい、非常にまずい。


少し前の私の馬鹿っ。


何を言ってもダメな気がして

自分から、ウィルの唇を奪った。


唇を離すと抱き寄せられて

今度はウィルから唇を奪われる

長く熱いキス


何度も何度も止まらない。


やっと解放されると


「ローズ。君はずるいね。

イラつかせたと思ったら不意打ちで

僕の心を掻っ攫っていくんだ。

怒りなんて吹き飛ぶよ。

愛してる。どうしようもないほど…」


言い終わると共に

また、キスをされた。



ゴホンっ!

大きな咳払いが聞こえ慌てて離れる。


「おいっ。堂々と教室でイチャつくなよ。」


兄が怒ってる。

ルナ様は真っ赤にした顔を両手で覆っている。


完全に見られてたわね。


「リュカ。

邪魔するのは、マナー違反だよ。

仲直りのキスだ。

ちょっと僕のヤキモチが過ぎたようだ。


で、リュカの方はどうなの?」



はぁ〜、お兄様ごめんなさい。

私のせいで、きっとウィルがお兄様に怒りを向けてますの。

とばっちりですの。


と、心の中で謝った。



「ウィルに、いちいち報告しなくていいだろ。」


兄も、なんか棘ありますけど。



「おっお兄様。

今日は、魔道具の試作を見てもらって意見を

聞きたかったのですわ。


ちょっと、見てもらえます?

ルナ様も一緒に。」


慌てて、間に入る。


そして、一部屋分くらいの真っ暗な空間を

空間魔法で創り出した。


そこへ、プロジェクションマッピング風を魔道具で映し出した。


「この、魔法の映像を音楽と共に流そうと思って

それで、もっとバリエーションも欲しいし

意見を聞かせてくれる?」


映像が終わるまで沈黙が続く。

ウィルを横目でみたら、微笑んでくれた。

機嫌は直ったみたいだ。


兄の方を向くと

映像を見てはいるがルナ様と指先を絡めていた。


あ〜、これは意見を聞いたら

直ぐに撤退した方が良さそうな。


私達、邪魔よね。



そうこうしてる間に映像が終わる。


「今のは小さかったけど

実際は大型施設の全体に映し出す感じなの。


この試作品は置いてくから

明日にでも意見聞かせて。」



そう言って帰ることにした。

兄の邪魔しちゃいけないし

さっきの事で、兄とウィルを早く離したかった。



口は災いの元。


少し、考えてから言葉にしよう。


今日の教訓だ。









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