50 街の特産品を作ろう
イメージ図を描ききった私はウィルと2人で
久しぶりに、ベルナルドと会った。
街の入り口から中央にメイン通り。その両脇に
店を並べて商店街エリアに。
奥に、大型の入浴施設の建物を建てメイン通りの先に存在感を出すように配置。
その両サイドに、宿屋を配置。
左側は畑や果樹園。右側に牧場。
入浴施設の前に大きな広場。
その周りを囲むようにして貴族の別荘地用に土地を分けた。
数棟分しか確保せずに落札して頂こうかと。
それぞれのエリアで住居スペースの確保か施設と一体化するかにする。
この町で収穫出来るもので、特産品を作ること
この町でしか、買えない何かを作ること
平民と貴族の入浴スペースを分けること
宿泊施設も両サイドでグレードを分けること
共有の、お風呂に裸で入るというのはハードルが高いと思うので、水着を作るということ
そして、目玉は夜のプロジェクションマッピングだ。
と言っても、魔法を使うので本当に立体的だ。
魔道具に魔力を込めれば起動するモノを作ろうと思っているので、魔力を有する者なら誰でも起動出来るようにする事にする。
温泉などの文化がないので、浸透するまで露天風呂なんてハードル高い気もする。
その辺をベルナルドにイメージ図を参考に聞いてみた。
「へぇ〜。
ここまで仕上げて来るとはね。
この絵も分かりやすい。
確かに、平民には抵抗が少ないかもだけど
貴族はね〜、特にレディー達はどうだろう?
素足を晒すのさえ下品とか言うからな。
水着も着るかな〜?
まぁ〜、ローズマリー嬢は着るんだろうけど。
他の御令嬢が着るかな?
後は、概ね俺は良いと思うけどな。」
やっぱり、淑女の皆さんの事があるわよね。
それなのよね〜。
「その為の、別荘地でもあるんですよね。
別荘に、外から見えない小さな露天風呂を付けるとか。
別荘地は購入にする予定でしたが
いろんなバリエーションの別荘を建てて
貸すのが良いかもですね。
大勢の人達とは無理でも、一人で入れるプライベートな露天風呂なら淑女の皆さんも抵抗無いと思いますけど。
その辺は、王妃様やお母様にリサーチします。
あの二人が良いと思えば、後の宣伝もバッチリですわ。」
と提案すると
「いや〜。ローズマリー嬢は宣伝まで考えてるのか。
そりゃ、王妃様が宣伝すれば
どの貴族もこぞって来るだろうさ。
君の、母親も社交界での発言力は凄いからな。
入浴施設の事は、保留にしておこう。
その他は進めて行く。
2人には、リサーチと特産品をどうするかと
夜の催しの魔道具の試作品作りをやってもらっていいか?
あと、別荘の露天風呂のイメージ図も描いて。
他の事は、俺が手配する。
特産品は商店街の奴らと相談して。
じゃっ、ローズマリー嬢様々って事で
これから、もう少し頼むね。」
と、出て行こうとしたのだが
振り返ったベルナルドが
「あっ、そうそう。
穴掘るって話したよな。
参考までに、意見を聞きたいんだけど」
と、尋ねてきた。
「あの。ベルナルドさんって番犬なんですよね。
私の素性も、きっと知ってますよね。
ベルナルドさんが、やろうとしてるのは
ダムを作るって事です。
穴掘るだけじゃダメですね。
堰き止める事と、放出する事を管理しながら調整しないと意味が無いと思うんですよ。
溜めるのは山の麓ですかね。
国レベルで考えたら、海に流れ込むまでの間に
いくつかの、水門を作ったらいいと思います。
これは、国王様と相談して下さい。
この地域だけの話では無いんで。
それと、災害があったから精霊の輝きが弱かったのか?弱かったから災害が起きたのか?
その辺の調査も、お願いしても?」
そう言うと。
「了解。助かるわ。
この街の事が終わっても、たまに助言くれ。
頼りにしてるよ。
じゃ〜な〜。」
そう言いながら
片手をヒラヒラさせながら出ていった。
ベルナルドは、話が済むと
いつも、サッサと居なくなる。
なのに、仕事はキッチリやってるのだ。
あの人は、休みとかあるんだろうか?
そんな事を考えてると
「なんか僕、何もしてない気がするんだけど。
ローズとベルナルドだけで進めてる感じだ。」
と、落ち込むウィル。
「そんな事ないわよ。
前世の知識は、この国ではどうなのかとか
ウィルの意見がなきゃ纏まらないし
ウィルは、いつも優しく私を励ましてくれるし
私には、貴方が必要よ。ウィル。」
本心で、そう思う。
今まで、この国の事は、知識はあるが
ちゃんと、実感して無かったから
いまいち、貴族としての自覚が足りない。
貴族の普通が分からない所がある。
普通の令嬢が、馬には乗らない。
けど、私は乗ると言うように。
ウィルの意見は、私には貴重なのだ。
「そう言って貰えると嬉しいよ。
役立たずだなって思ってしまった。
これからも、知識では勝てないかもね。
男として情けない。」
今日のウィルは、自虐的だ。
「ウィル。
知識は知識でも役割が違うだけよ。
私は前世知識があるだけ。
この国の知識はウィルの方が詳しい。
そこの違いよ。
勝ったとか負けたとかじゃないわ。
それに現実化するのは、ベルナルドで
私は、イメージしただけよ。
しかも、ベルナルドは異常よ。
さすが、番犬だわ。
皆んな、得意分野が違うだけ。
私は、貴方に精神的安らぎを貰ってるし
頼りにもしてるわ。
これからも、社交やらはウィルに頼りっぱなしよ。
やらかして、謝るのはウィルだからね。
今までは、お母様だったけど。
ウィルは、私だけの王子様ですから。
私が、どんなウィルでも男として好きなんだから、それで良いでしょ?」
と、笑って言うと
ウィルが抱き付いてきた。
よしよしっ。と頭を撫で撫でする。
たまに、子供みたいになるウィルも可愛い。
「さっ、特産品を考えましょう。
ここでしか買えないって事は、他で何があるのか
ウィルの知識が必要よ。
私は、そういうの無知ですから。」
気を取り直して、ウィルに言うと
笑顔で「そうだね」と答える。
どちらかが、凹むと
どちらかが、慰める
そんな関係が尊い。
あれこれ話してたら
この国にプリンが無いと分かった。
そう言えば、プリン食べてないわ〜。
プリンなら簡単そうだけど、バニラエッセンスとかあるのかな?
バニラアイスは食べたことあるような?
ビン入りの滑らかプリンとか良いよね〜。
商店街で聞いてみよう。
あと、ここでしか買えないモノは水着かな?
生地から探すしかないらしい。
そして、プロジェクションマッピングだ。
魔法の組み合わせをどうするか
いくつかのバリエーションは必要かな。
その前に、リサーチが先か?
王妃様と、お母様の予定を聞かなくてわ。
ウィルには王妃様に
私が、お母様にそれぞれ予定を聞きに行く。
そして、3日後に
城の庭園で、プライベートお茶会でもしながら
お話しようとの事になった。
これは、正装しなくてはならないパターンね。
ちょっとリサーチするだけの予定が
王妃と母に捕まりそうだ。




