48 日常系魔法って奥が深い
結局、昨日は二人きりで屋敷で過ごした。
勿論まだ、白いままです。
少し遅めの起床をして、2人で朝食を作ったり
それだけで、楽しい。
慣れない事をしてるウィルは指を切ったり火傷したりと
その都度、ヒールをしてあげなきゃで、世話が焼けた。
そうこうしてる内に、昼になってしまい
遅めの朝食が昼食になってしまった。
ベルナルドが人員を連れてやってきたのは
食事が終わる頃だった。
その中に、アンとエリも混じって居て
昨晩、ウィルと2人きりだった事にアンから説教された。
婚約中とは言え淑女に有るまじき行為だそうだ。
ウィルも一緒に謝ってくれた。
「お説教は終わりましたか?
警備は、あまり数を置きたくないんで
数より質にこだわったよ。
後、使用人もね。
魔道具で街全体に結界を張る。
見た目は木の塀で囲む感じだね。
出入り口の外にゲートを造る。
出稼ぎに出てた奴らをゲートで送り返すから
塀を建てる人員は確保したぜ。
王都の方には、既にゲートを作った。
これから、俺がゲートを作る。
ウィリアム殿下とローズマリー嬢は
街の大まかな場所の配置を決めて欲しい。
街の新しい間取り図って感じだ。
まず、住宅地を先に決めなきゃな。
一つに固めるのか?
エリア毎に分けるのか?
いくら魔法で、ちょちょいでも材料は運ばなきゃな。
大体の構想を描いてくれれば
規模的に、どの程度、何を用意するかは
俺がやるよ。
その辺は、俺のが詳しそうだからな。
後はだな。
川の流れを変えたい。
災害の時、何処が氾濫したか分かるか?
上流にテガイ穴を作る、溜池みたいなもんか
川の流れの量を調整する。
まったく、今までの担当は誰だったのかね?
いくら、川の両端を高くしようが
あれじゃ自然の脅威に勝てないぜ。
結界だけじゃもたねぇだろ。
結界だって万能じゃねぇしな。
て、事で。
お二人さんには期待してます。」
言いたい事を、一気に言ったかと思ったら
さっきと出て行ってしまった。
あの、ベルナルドという男は
只者では無いと思ってしまう。
何でもこなせる、万能型なのか?
底が見えない、本当に恐ろしい人だ。
「ローズ。大丈夫?
昨日の今日で、凄いなアイツ。
父上が、アレコレ頼むのも良く分かる。
下手な事したら、本当に罵られそうだね。
アイツ、使えねぇ〜なとか言いそうだよね。」
ウィルは、ベルナルドを褒めてるのか
貶してるのか…。
「そうね。ボロクソ言われそうだわ。
しかし、ダムを作るなんてね…
キレ者ですわね。
完璧な間取り図、作りましょう。
何も言わせないんだからっ。」
それを聞いて笑いながらウィルが言う。
「僕も、負けず嫌いだけど
ローズも、相当だね。
よしっ。ベルナルドに完璧な間取り図と
相当な額になるであろう構想をするとしよう。」
二人で、きっと悪い顔をしてたに違いない。
二人で、部屋にこもって試行錯誤していたが
少し休憩しようと、中庭に出て驚いた。
荒れていた中庭が、綺麗な花で彩られていたからだ。
アンを呼び、聞くとベルナルドが連れてきた使用人の庭師が魔法で花を咲かせてたらしい。
どんな魔法なのよ。
めちゃくちゃ興味あるんですけど〜。
興味津々なオーラが出ちゃってたのか
「ローズ。魔法が気になるんでしょ?
ダメだよ。間取り図が出来るまでは
他に興味を削がれちゃいけないよ。
削がれていいのは、僕への興味だけにして。
さっ、ティータイムにしよ。
中庭で、お茶するのもいいね。」
そう言ってエリに、お茶の用意を頼んだ。
普通に、エリに頼む感じを見てると
あの一件が嘘の様だ。
「なに?ヤキモチ?
エリアーナと喋るのは嫌?」
別に妬いてはいないけど
「妬いてる。
って言えば嬉しい?」
そう答えるとウィルが私を抱き寄せ耳元で
「どうしたら。君は妬いてくれるのかな?」
と囁かれる。
絶対、楽しんでる。
反応したくないのに
悶絶寸前だ。
色気を出すな色気を。
「ウィル。そうやって遊ぶのは辞めて。
もぉ〜っ。
色気出すのは時と場所を選んで下さる?」
と、真っ赤になりながら抵抗すると
「反応が可愛いから、ついついね。
時と場所を考えたら良いって事でいいかな?」
全く直そうという気は無いらしい。
あの、急に来る感じがね
慣れないよね
イケメンのバカヤロ〜
めちゃくちゃ、色気は大好物だけど
心臓が追い付かない。
私を殺す気なの?
気を取り直し、ティータイム。
外で、お茶を飲むのは優雅なひと時だ。
「ねぇ。ウィル。
数より質にこだわったって、ベルナルドが言ってたわよね。
他の使用人も、何かの能力に優れてるって事だよね?
戦闘系特化ばかりガロに叩き込まれたけど。
日常系魔法も奥が深そうね。」
ウィルも戦闘系特化だと思うけど
「そうだね。
平民達は、どちらかと言うと日常系特化だよ。
日々の仕事に役立てる為にね。
上流貴族や騎士や魔導士を目指す人くらいじゃないかな戦闘系特化とか。
君は、神の加護持ちだったから防衛の為の戦闘系だったんだろ?
僕も似た様なものさ、命を狙う奴は居るからね。
幼い頃から、毒耐性付けるのに毒を飲まされたりしたよ。
日常系魔法を駆使しようと思ってるから
魔法で、ちょちょいって言ってたんだろう。
彼は、せっかちなのかな?
サッサと終わらせたいって感じが溢れ出てたよ。」
って、なんか間にスゴいカミングアウト無かった?
毒を飲まされてた⁈
王子って、思ってたよりシンドイのかも。
「うん。
なんか…。魔法とかどうでもよくなったかも…
毒耐性とか、初耳だわ。
毒飲んだら耐性って出来るもんなの?
奥が深いのは、ウィルの方かも。
生きててくれて、ありがとう。」
驚いた顔をしながら
「生きてるだけで、お礼を言われるとわね。
王子って、ある意味で普通じゃないんだろうね。
僕からしたら、それが普通だったから
これからも、ローズにとって普通じゃない
僕の一面が出てくるかもよ?」
と笑う。
普通とは、なんなんだろうか?
私は、徐に立ち上がりウィルの後ろまで行くと
後ろから抱き締めた。
なんだか分からない感情だった。
とにかく、ウィルを抱き締めたくなった。
「どうした?ローズ。
君から抱き締めてくれるのは嬉しいけど…
ヤバい。
可愛すぎる。
不意打ちは、強烈だね。」
後から、顔を覗き込むと顔を赤くしていた。
ウィルも不意打ちには弱いのか。
と、ちょっと悪戯心に火がついた。
耳元で
「ウィルも不意打ちは弱いのね。」と囁いて
耳にキスを落とす。
「ローズ。君は悪い子だね。
何されても文句言えないよ。
我慢できなくなるからね。
そんな、一面もあるのか。
いつか、ベットを共にする時が楽しみだ。」
そう言って、振り返るウィルは
妖艶な雰囲気で微笑んだ。
あ〜、悪戯が過ぎたらしい。
後で、倍にして返されそうだ。
そうだ、ウィルも負けず嫌いだった。
「コホンっ。
そろそろ、部屋に戻ろうかしら…」
そう言って、部屋に帰ろうと歩き出すと
「ローズっ。逃げるの?
悶々とさせておいて、置いて行くんだ?」
と言いながら、背後から抱き締められた。
「うぅ〜。ごめんなさい。」
「謝って欲しい訳じゃない。
君を大事にしたいから、ちゃんと結婚するまで
我慢したい。
だけど…。君が仕掛けてくるなら
我慢できなくなるけど、いいよね?
次は、我慢しないから。」
その声は、怒っている様な
それでいて切ない、そんな響きだった。
そりゃ、男だもんね。
と、思うと、本気でごめんと心で思う。
「心得ました。」
そう言うと、ウィルが離れて溜息をついた。
ん〜、私が悪いのかな?
誤字など気付いた範囲で直しました。
多少、書き直しもしております。
読みにくくて、すいません。




