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28 意識してる訳じゃないんだから


実は、王子の精神世界に行って

私が、起きたら見舞いに行くと言っておいて

まだ行っていなかった。


あれから一ヶ月ちょっと過ぎてしまった。

ガロが変な事、言うからだ。


『行かないのか?』

『意識しちゃうからか?』

とか、ガロに揶揄われながら


「うるさいっ!

意識なんてしてないんだから!」

なんて逆ギレしながら誤魔化してた訳で。



本当のところ、自分の気持ちが分からない。


だって、恋とかしてる暇なかったし

乙女ゲームの攻略対象としか認識してなかったし

嫌味なくらいキラキラ王子で、キャラとして見てたと言うか…


ほんと、王子の着ぐるみ着た人。

と、しか見て無かったのだから。



なのに、一人の人間として王子を見た時

なんか、哀れな人だなみたいな

孤独な人なんだろうな〜って

手を差し伸べたくなったのは事実で。


コレを恋と言うのだろうか?



まぁ〜、気になる人物ではある。

それと恋愛感情は別だと思うのだ。


だから、良くわからない。



約束は約束だからと

私は、王城へ向かった。


父の執務室を経由して、王子の部屋へ向かう。

部屋の前でメイドに、

「ウィリアム様は、お部屋には居ません。

たぶん、鐘の塔に居ると思いますよ。」

と言われ、そちらへ向かう事にした。



その途中で、第二王子に出くわす。

私と同い年で金髪碧眼。

見た目は正統派な王子様って感じだけど

筋肉馬鹿って感じで


ウィリアム様が静なら

第二王子のサイラス様は動って感じだ。


「おう、久しいなローズマリー。

兄上の所に来たのか?」


礼をしながら通り過ぎるのを待っていると

声を掛けてきた。


「えぇ、鐘の塔に居ると聞きましたので。

それより、こんな所で何を?」


そう、鐘の塔は城の奥の方にあり

あまり人通りがない通路だったりするのだ。


「それな。

兄上があんな事になって、兄上の取り巻きだった貴族たちがウザくてな…。

逃げ回ってる。

ほんと、嫌になるよ。」


と、苦笑いしながら言うので


「恐れながら、サイラス様。

少し、頭を使ったらどうですの?

私の、お父様に認識妨害の魔道具でも

貰いになったら良いじゃありませんか?

ウロウロしてた方が目立ちますわよ。

お勉強は出来るのに、相変わらず残念ですわね」


王子と言う立場だ。

一人で移動するなど有り得ない。

必ず護衛は付いて回るのだ。

数人でウロウロしてたら直ぐに見つかるだろうに。


呆れた顔で言うと


「あー、その手があったか。

やっぱりローズマリーは天才だな。


それより、オマエ最近、騎士団の鍛錬に

紛れ込むの辞めたのか?

バレバレの変装だから、禁止令でも出たか?


また、一緒に鍛えようぜ。

何なら、招待状でも送ってやろうか?」


と、憎たらしい顔でニヤける。


「もう、私も子供ではなくてよ。

サイラス様も、少しは賢さを学んだら如何ですの?


鍛錬ばかりじゃなくて社交での駆け引きでも

学んだら良いのですよ。

逃げ回るじゃなく、言葉で上手く牽制できますわよ。」


と、ちょっと嫌味っぽく言うと


「分かってる!

兄上を見習えと昔から言われてたからな。


駆け引きとか、面倒だと思わぬか?

うんざりする。」


顔を顰め、吐き捨てる様にサイラスは言う。

自分の気持ちに素直な男だ。


人として嫌いじゃ無いが

王子としては、それでは駄目なのだろう。


王族として生きるとは大変だ。



「サイラス様の、そういう考え方には

私も共感しますが…。


いつか、その面倒な社交界を

もう少し、なんとか出来るのも又

サイラス様のような方だと思いますわよ。


私の様に令嬢が乗馬をしたり鍛錬したりしても

白い目で見られない国にして下さいませ。」


と、笑うと。


「兄上に頼めば良いだろ。


それでも、兄上が城を離れたいなら

その時、考えてやるよ。


ローズマリー。

兄上のこと、頼むな。


昔から、ほとんど関わらずに過ごしてきたけど

俺、兄上を尊敬してたんだ。


また、元通りに戻って欲しい。


でも、俺じゃ何も出来ないからな…。」


サイラス様は

ちょっと哀しそうな顔で無理して微笑んだ。



そんな、サイラス様に



「一緒に鍛えようぜ!

って誘えば良いじゃ無いですか。


兄弟なのに、遠慮するの辞めたらいかがです?

余計なお世話かも知れませんが。


私だって、頼まれたって

ウィリアム様を、どうにかなんて出来ませんからねっ」



そうか。だよな。とか言って笑いながら

何処かへ、去っていくサイラスを見送り



私は、再び歩き出した。

ウィリアム様の元へ。








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