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21 メインキャラと言う弊害


屋敷に戻ると、父が帰って居るというので

お父様の書斎へと脚を運んだ。


声を掛けると


「帰ったか。話は聞けたか?」と

疲れた顔をしながら、こちらを向く父と

何かを考えている様子で外を眺めるガロが居た。



「えぇ、蒸し返す様な真似をしてしまい心苦しかったですが

ルナ様が気丈な方で助かりました。


兄達は、本当に人が変わった様に横暴だったみたいですわね。

ルナ様が悪夢を見てる様だったと…


魅了とは、恐ろしいですわね。」



そう話しながら、ソファーに座ると


「そうだな…

ウィリアム王子を始め、周りに良く居た

リュカと他2名は魅了の影響が強かった様だ。


特に、ウィリアム王子とリュカがな。

他の2人は、三ヶ月で目を覚ました

今も後遺症で悩まされているそうだ。

自分達が、しでかした事は覚えてる様だが…


その事で、ガロ殿に相談してたのだ。

後遺症は、身体的から来るものでは無いらしいのだ…精神的なもの。


光魔法は効かぬ。


ほんとに厄介だっ。


時間が解決するのか…

一生背負うのか…


リュカも起きたところで、苦しむだろう。


家族が支えなくてはな…」



苦い顔をしながら語る父の顔を眺めながら

筆頭宮廷魔導師で父親でもある苦悩が感じられた。



「ねぇ、お父様?

ちゃんと寝ていますの?


お父様が倒れている場合ではありませんのよ。

たまには、シッカリお休み下さい。

国王様も、随分と疲労が顔に出ておりましたよ。


後処理が大変なのは分かりますが…


急がずとも、関係者は全て捕らえたのですよね。

処分を下すのは直ぐでなくても宜しいのではなくて?


ところで、エリアーナという女子生徒は

今、牢獄でどんな様子ですの?

会うことは可能ですか?」



お父様が、驚いた顔で

「何故、会う?何かあるのか⁈」大きな声を出す。



「お父様、落ち着いて下さい。

もし、会える状態ならと思っただけです


学園長に騙されたとは言え

魔道具を使って自分の欲を叶えていた訳で

たとえ、お慕いしてる方と仲を深めたいと思った所でマヤカシの関係性ですよ。

効果はいずれ消える


興味があるのです。

彼女が何を思い学園生活をし

今、何を思うのか…


後遺症で悩まされている2人にも

お兄様やウィリアム様にも


心のケアに役立つかと思いまして…。」



そう思う一方で、転生者である彼女に会ってみたかった。

転生して、一連の行動をして何を思うのか聞きたかった。



「そうか…


後で、国王陛下と相談してみよう。

国王様にも、少し休んで貰わなければな。


急いでる訳では無いのだ。

私も国王様も、何かしていないと落ち着かないのだ。


息子が心配な父親心だな。


それにな、リュカは魅了されて居たとはいえ

いろんな迷惑を掛けたのだ…


処罰は無いにしろ、周りから白い目で見られるだろう。

一度、崩れた信頼や期待は中々取り戻せないだろうな。


魔導師の息子として期待させてたリュカが

魅了魔法に掛かるとは情けないなんて思われてるだろうしな。


挽回するのは大変だ。

それはウィリアム王子も一緒だな。


それを思うとな…

私も国王も、親バカなのだ」



そう言うと父は苦笑いした。



「そうですね。

度が過ぎるくらいの親バカですわ。」


そんな事を言いながら笑い合い

その場の空気を明るくした。



ガロは珍しく大人しくしている。


どうしたのだろうと視線を向けたら



『案外、簡単に見つかるかもしれないぞ。』


何が?

と思ったら察したガロが続ける。


『アイツらの居場所だ。

無の世界、覚えてるだろ?

真っ暗闇の、あの場所だ。


あの場所と真逆な次元に居そうだ。

アイツらは今、全てを消したいだろうからな。


全てがある次元から遠く離れた次元に居るはずだ

闇に溶ける前に出さないとな。


本当に二度と目覚めなくなるかもだぜ。』



何やら怖い事を言い出した。


「なんて怖い事を言うのよ!

闇に溶けるとか何なのよ?」


少し怒りを込めた言葉が出てしまった。


『大袈裟なら良いけどな。


あの2人は、賢いのに馬鹿だからな。

全て自分のせいにする

純粋過ぎなんだよ。他人のせいにすりゃ良いものを全て自分が悪いなんて思いやがる。


思い上がりだ。


そんなアイツらが、初めて悪さしたんだ。

それも、偽りの感情でだ。

正気に戻ったら自分の愚かさと後悔で消えて無くなりたいだろうよ。


そんなアイツらの居場所なんて

何にも無い無の世界だ。


まだ、自分で自分を呪ってる所だ

自我がある、今直ぐ無にはならない

ただ、全てを考えるのを辞めたら無に溶けるぞ。



お前が、行った事のある無の世界は

全てがある無の世界だ。

全てが有るから溶けはしない。


だがな、何もない無の世界は、

ただの無だ。何も無い。

溶けたら終わりだ。魂ごと消滅する。


まだ、自我がある内に救わねぇとな。』



そうか、私は本質を見ていなかったのかも知れない。


私は前世の記憶を持ったまま今世を生きている。


人は完璧ではないし、完璧にはなれないことも知っている。

でも、純粋に完璧があると信じて完璧を目指して居たら…


挫折をして自分の価値を無いものとしたら…



とても怖い話だ。


でも、あの2人なら

そう考えても、おかしくない。


何せ、元が乙女ゲームのメインキャラ。

絵に描いたように完璧なはずだ。


でも設定だ。

彼らは人間として生きている。


完璧であって完璧では無い存在。


精神がついていかないと言うことか…





私は、真剣な顔で頷いた。



『契約解除だ』

とガロが言った。







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