2 次の人生もあるらしいです
私、田中麗奈は平凡なOL、27歳だ。
容姿を含め全てのステータスは、可もなく不可もなく。
平凡じゃないのは唯一
男運が最悪な事だけだと思われる。
所謂、ダメ男としか付き合ったことが無い。
と、言うよりダメ男にしてしまうのかもしれない。
ただ、会社の先輩である彼と付き合いだして
私は、今度こそ幸せになれると信じていたし
あの日のデートで、きっとプロポーズされるだろうなぁ〜なんてウキウキしてたのにな。
たぶん
きっと
これから伝えられる真実は、彼もまたダメ男だったと言うことなのかも知れない。
「真実を教えて下さい!」
神は、私から視線を外しながら淡々と語りだした。
彼には、私と付き合う前に彼女が居て同棲していた事。
私を好きになって、彼女に別れを告げたこと。
彼女は、受け入れられずに家を出て行かないでいた事。
私と付き合いながらも、ずっと彼女と別れ話で揉めていた事。
同棲していた家から出て、彼女から逃げた事。
あの日、彼はプロポーズするつもりでいた事。
私を刺したのは、彼を諦めきれない彼女が
私さえ居なければと暴走した事。
そんな事を語ってくれた。
はぁ〜
なんか、私の人生って…。
ただ一つだけ、救いは私が想像したような
ダメ男ではなかった事。
想定してたのは、彼が本当は二股してたとか浮気してたとか、そもそも私が浮気相手とか
そんなマイナスな事しか考えてなくて
結果、彼女が別れ話を受け入れなかっただけで
彼は彼なりの誠意があった事、ちゃんと別れて私と付き合おうとしてくれていた事が何だか嬉しい。
ただ、とばっちりで死んだ様な気もするが
もう死んでしまったのだから仕方がない。
「真実を知って後悔はないか?」
神が私を気遣う様な視線を向けながら問いかけてきた。
私は答える。
「真実を教えて下さって有難う御座います。
なんか、とばっちりで死んだのかとか思う気持ちもありますが
男運が最悪な私らしいなぁ〜なんて思ったり…
私の人生、何だったのかなぁ〜
私、本気で生きましたかね?
なんか当たり障りのない人生だった気がするんです。
やり切った〜って達成感すら無い…
ダメダメですね…」
なんか虚しくなってきた。
泣きそう…
そんな私の頭をポンポンと軽く触ると
美しく微笑む神が
「達成感か。
大丈夫!次の人生は達成感を味わえる!
我が保証しよう。」
えっ?
次の人生?
次があるんか〜い⁈
と、ビックリ顔をしている私に
神が、ちょっぴりお茶目にウィンクしたのだった。