18 それは自分に下す罰か呪いか
屋敷に戻り、天気が良いので
庭園の東屋でティータイムがてら話す事にした。
庭師が、いつも手入れをしっかりしていて
どの季節でも季節毎の花が綺麗に咲き誇っている。
私の、お気に入りの場所の一つだ。
ガロの話では
ウィリアム王子と、お兄様が眠り続けている要因は、本人の想いだと言うのだ。
『あの2人は、性格が違うように見えて、実は本質は似た者同士だ。
根が真面目で、責任感も強い
そして、賢いからこそ自分の立ち位置を弁えている。
だから、自分が許せないのかもしれん。」
確かに、順当にいけば卒業後は王太子のウィリアム様と
卒業後は、スペンサー侯爵家の嫡男として時期当主の兄
立場は違えど責任は大きい。
「確かに、似ているかもね。
でも、自分が許せないなんて
学園で何が起きてたのかしら?
女に溺れただけで、そこまで責める理由なんてある?」
少し考える様子を見せるガロが
『学園で何があったかは詳しくは分からん。
ただ…神に会いに行った日
神が、学園の様子を少し見せてくれたんだ。
横暴な、態度をしてた様に見えたが
その辺は、生徒たちに聞けば分かるかもな。
アイツらは、本心はどうあれ完璧な紳士だったと思うぞ。
それは、アイツらの努力だ。
今まで、積み重ねてきた結果だ。
それが、魅了によって崩れた
自分の意思とは関係なくだ。
自分たちの立場を、そのことによって壊してしまったんだ。
いくら、被害者だとはいえ
アイツらの事だ、自分が許せなくなって当然だ。
死にたくなっても、おかしくない。
目覚めないじゃなくて
目覚めたく無いんじゃねぇか?』
ガロの話を聞いて
それは、あり得る話だと思った。
でも、起きてくれなきゃ困るのだ。
「自分で自分に下す罰って事よね。
まるで、呪いだわ…
王子もお兄様も、真面目過ぎるのよ!
横暴って、横暴な奴なんて幾らでも居るわ。
バカみたいっ!」
なんで、そんなにシンドイ生き方を選んだのか
私には理解出来ずイライラした。
『あはは
マリーらしいな。
確かにアイツらは、バカかもしれねぇな〜
本当の自分を殺して生きてる訳だからな。
でも、それがアイツらなりの正義で
アイツらなりの生き方だったんだろうよ。
それには、良いも悪いも無いんだ。
マリー、お前に2人の生き方を否定する権利はない分かるな?
まずは、2人の学園での様子がどうだったか
生徒に聞こう。
それでだ、自分自身に罰や呪いをかけてんなら
精神に直接、語りかけるしかねぇ。
それは、俺の仕事だな。
アイツらの精神世界とやらが、どの次元の、どの場所にあるか探らなきゃいけねぇ。
時が来たら、一度 召喚魔法を解くぞ。
肉体から抜けなきゃ探せない。
マリーの役目は
アイツらが、学園で何をやったか知って
2人が自分が許せないと思う気持ちを理解しろ。
精神世界に、引き篭ってる2人を
説得して出してやれるのはマリーお前だけだ。
やれるな?』
やるしかない。
引き篭もりなんて許さない。
「やるわ。
まったく、世話が焼けるわね。
やらかしちゃった子供みたい。
ちょっと、やらかしたくらいで
逃げるなんて許さないわ。
ちゃんと起きて、怒られなさいって感じ。
ところで、召喚魔法を解くって
終わったら、また召喚されてくれるのよね?」
ちょっと不安になって聞けば
『何だ!寂しいのか?
不安なのか?俺様が居なくなるかも〜とか
思って悲しくなったか?』
とニヤケながら聞いてくる。
なんかムカつく。
不安になって、損したわ。
「ちょっと不安になっただけよっ!
寂しいとか、悲しいとか
そこまで、考えてないわよっ!」
そんな、私を見ながら
ガロは大声で笑っている。
ほんと、ムカつく。
ガロを置いて
転移で、王城に戻った。
父に、王子と兄が学園で何をしたのか
何が起きていたのかを知りたいと言う為に。
お父様に話すと
ある令嬢に会う段取りを付けてくれる事になった。
お兄様の婚約者候補だ。
その令嬢は、兄を好いてくれている。
きっと一部始終を見ていただろう。
彼女も、また傷付いた1人かも知れない。
ちょっと会うのが気まずい気がするが
兄の為だ。
今は、私がしっかりしなくては。




