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処世術

作者: 秋暁秋季
掲載日:2022/07/09

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら、申し訳御座いません。


かなり皮肉聴いてます。トップクラスです。

何でも許せる方向けです。

「悪辣だね。何千年経とうとも、人間の本質は何一つ変わりゃしない。動物あがりの畜生さ。勿論、僕とて例外なく」

黒の司祭服、黒の長髪、線を描く糸目は常に笑っているように見える。その慈愛と慈悲。それを絵に描いたような男性が、物を述べる時だけ僅かに犬歯をチラつかせる。善意の皮を被った狼のように。

彼は放った痛烈な皮肉に固まる私を大して気にすることもなく紅茶のカップに口付けた。美味なようで頬に手をやって左右に揺れている。

「反感買いますよ……。色んな人から……」

思わず顔を引き攣らせて固まる私を見て、司祭はその線のような目を開眼した。思ったよりも強い意志を感じさせる。思わず息を飲んだ。

「人間はもっと、目を瞑る事を覚えた方が良いと思うんだよ」

「目を瞑ったら何も見えないじゃないですか」

視覚は重要なファクターだ。情報の九割を視覚から得ていると言っても過言じゃない。それでも何故彼はそんな事を言うのか……。彼は舌先をちろりと出すと、弄ぶように犬歯を舐めまわした。

「ん、まぁ、諸刃の剣だけどねぇ。某有名な聖人なんかは、無関心こそ最大の無慈悲なんて言うけど。僕はある程度人に対して無関心で、無期待な方が、暴動も少ないと思っているだけさ」

そう言うと、その生っ白い手を伸ばし、私の瞼を二本指で閉ざした。黙って聞くように。ということらしい。

「例えば『不謹慎』という言葉。あれ、嫌いなんだよねぇ。上辺だけを見て判断している気がして。僕はさ、殺された奴の事を詩にして埋葬されたら怒り狂う自信あるけど、供養と受け取って成仏なさる方もいる訳だし。ま、詰まるところ、外野が騒ぐ事じゃ無いってことさ」

再度目を開くと、司祭は目の前の紅茶にドボドボと角砂糖を落としていた。その数なんと三個。それで紅茶の味が分かるのか……。と思ったが、彼は上機嫌だった。

「なに。真正面からジロジロと人を見たら、色々見えてくるじゃないか。あ、こんなところに絵の具のシミが。色褪せた跡が。って。それが生真面目な子には許せないこともあるだろ? だらしない!! ちゃんとなさい!! って。でも多少目を瞑っていると許せるのさ。だって気が付かないから」

そう言うと彼はにぃっと口角を上げた。

「僕はねぇ、人間を真正面から見ないようにしてるんだ。僕だって許せないことの一つや二つある。でも流し目で見ただけじゃ気にもとめない」

ただの処世術さ。ブチ切れそうになったらやるといい。一種の方法だけどね。

今回ちょっと長いです!

序盤の台詞と内容に着いて話をさせて下さい。


『個人的な意見』ですが、人間は綺麗なものが大好きです。

汚いものは嫌いです。醜いよりも美しく、劣った物より優れた物の方が人気があります。当然です。私もそうです。綺麗なキャラ大好き。

でもだからと言って、真理、本質から逃げていい訳じゃないと思うのです。


私だって綺麗な人を見たら嫉妬します。ダイエット頑張ってるのに、何もしなくて細い人見ると、「ぐっ……」ってなります。


読者様

作者は皮肉が好きなの?


作者

結構好きかも知れないですね。

綺麗事だけで世界が回る程、世界は優しくないですし。

でも正論も真理も並べられれば疲弊します。

だからその為の息抜きとして、綺麗事は必要だと思ってます。


ここから本題です。

よく正義中毒とかってあるじゃないですか。

あの方々多分、真正面から人間を見ている方々なのだと思います。真っ直ぐ過ぎて、一生懸命で、周りが見えてない状態。


人間の良い所も、悪い所も直視しようとすると、絶対に価値観に反する事は出ます。

そしてその価値観の埒外にあるものは全て悪だと思ってしまうんじゃないかな。と。


だからそうならない為に、無関係な人の話は耳を竹輪、目を節穴にして、情報を垂れ流すようにすればいいんじゃないかと。


人に過度な期待をしない。目を瞑る。

やって貰って当然と思っちゃ駄目なんです。

こんなにやってくれたの……? 的な思考で生きないと、ちょっと疲れちゃいます。


これ、私の処世術です。

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