番外編3話 クリスマスプレゼント開封配信
本話はハーメルンにも投稿していますが、特殊タグの都合上、よければハーメルンの方でご覧下さい。
https://syosetu.org/novel/267520/46.html
『待ちきれない』
『((((o(*゜▽゜*)o))))』
『まだかなー』
『初実写配信期待』
『待機』
「こ、こんばんはー」
『キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!』
『スノウちゃんだ!』
『こんばんはー』
『かわいい!』
『顔出し配信キターーーーー』
『動いてる......』
『スノウちゃんは実在したのか』
「ちゃんと出来てますか?見えてるかな」
『大丈夫やでー』
『見えてるよ』
『OK!』
『バッチリ』
『画質良くて草』
12月25日、夜。
自室の机にセッティングされたカメラに向かって超絶緊張しながら語りかけている白髪赤目美少女が俺である。
「あ、よかった。初めてだからちょっと自信なくて......」
『緊張しててかわいい』
『この日を待ってました』
『部屋着かわいい』
『後ろ草』
『箱多すぎて草』
「『箱多すぎて草』。そうなんですよ、皆さんクリスマスプレゼントこんなに頂きましてありがとうございます。いっぱい頂いたので、今日は以前からリクエストがあったプレゼント開封配信をします」
『イエエエエエエイ』
『ありがとう!』
『部屋埋まっててワロタ』
『時間掛かりそう』
『なんでHTRのチャンネルなの?』
「『なんでHTRのチャンネルなの?』あ、はい。一応Owatterでは告知してたんですけど、もしかしたらまだ見てない人が見逃すかもしれなかったのでいつも通りHTRさんのチャンネルからにしました。あと、配信機材はHTRさんから借りたので......」
今回はHTR......親友の服部が超乱闘の動画を投稿しているチャンネルからの配信だ。
今までたまに服部のチャンネルから2人で超乱闘の配信をしていたので、このチャンネルから俺を追っている人もいると思う。
いつもは服部に進行を任せていたのと、今回初めてカメラありの配信をするので緊張しているが、なんとかうまくやりたい。
耳や牙を映すわけにはいかないので、口を大きく開けないことと、動きを控えめにすることを徹底だ。
『なるほど』
『優しいね』
『HTRは今どこにいるの?』
「HTRさんは隣の部屋にいますよ。さっきまで配信機材の設置を手伝ってもらってたので」
『は?』
『スノウちゃんの家にいるってこと?』
『うらやまけしからん』
『そんなに仲よかったの?』
『HTRやはりお前は許さん』
『ロリコン』
『変態だな』
HTRサブ『ロリコンじゃねえ!』
『本人いて草』
『おるやんけ』
『俺もリアルスノウちゃんと仲良くなりたい人生だった......』
「『ロリコン』『変態だな』『犯罪』、ですよね!やーいロリコン!ふふ」
『ぐふっ(流れ弾)』
『笑うな惚れる』
『スノウちゃん17歳だしなぁ』
『ロリコン確定』
『クリスマスの夜、女の子の家......はっ』
『アウトォ!』
『通報しました』
HTRサブ『味方がいねえ』
服部は妹の部屋にいて、妹と一緒に俺の配信を見ている。妹には両親が俺の部屋に来そうなときに止めてもらう役目も担ってもらう。
さて、いつものHTRイジりを見ていたら少し安心してきたし、そろそろ本題に移る。
皆集まったかな......って同接2.5万人!?また緊張してきた。
「え、えっと。それじゃあ、あんまり待たせると申し訳ないので。さっそくプレゼントを開封していこうと思います。カメラ外すので、少々お待ちください」
『はーい』
『わくわく』
『近っ』
『ガチ恋距離助かる』
『ぐはっ(キュン死)』
机の上のカメラを外し、箱の中身が見える角度で三脚に固定する。
「はい!じゃあ、奥の方のは届かないので手前のから開けますね」
『そりゃ届かん』
『デカいなあ』
『何かな』
『カッター用意してて偉い』
『宛名は剥がしてたか』
後ろには部屋を埋め尽くすほどのダンボール。
『スノウ』へのプレゼントは親バレを防ぐため一度服部アパートを経由するので、これらは服部が車で何往復もしてうちに運び、2階のベランダから俺の部屋に入れたものだ。
一番近くにあった大きめのダンボールを開けると、中に入っていたのはもこもこの布。包装のビニールを破り、布を広げると......
「わっ。トナカイだ!」
『コスプレ衣装か』
『もこもこやな』
『かわいいじゃん』
『着て』
『似合いそう』
『今、紙のようにビニール破らなかった......?』
『着て欲しい』
「かわいいですねー。カチューシャで角と耳をつけるんですね。え、着て欲しい?今ですか?」
『着て!』
『今でしょ』
『着るしかない』
『着て』
「『着て』『今』。えー、しょうがないですねー。じゃあ着替えるのでカメラ切りますね」
『キターーー』
『しゃあ!』
『助かる』
『着替えも映してええんやで^^』
HTRサブ『俺のアカウントが死ぬわ』
『はい、カメラオフに出来てますか?』
『うん』
『できてる』
『大丈夫』
『出来てる』
『OK』
『何も見えてないよ』
HTRサブ『できてないよ』
『貴様ァ!』
「出来てないんかーい!」
『俺の計画が(泣)』
『HTR絶許』
『せっかくの一致団結が......』
『HTRは見慣れてるから』
『なんだとォ!?』
HTRサブ『なわけあるか!』
「皆が騙そうとしてくる......ぐすっ」
『あ......』
『泣かないで』
『ごめん』
『かわいい』
『泣かせちゃった』
HTRサブ『嘘泣きだぞ』
それから少し設定をいじったらカメラオフにできたので、さっそくトナカイに着替える。
『衣擦れの音......ゴクリ』
『えっっっ』
『着替えてる......』
『これってアーカイブ残りますか?』
HTRサブ『残ります』
『今スノウちゃんがあられもない姿に......』
『想像中』
『今日の下着何色ですか』
『HTR!突撃だ!』
HTRサブ『やるかボケ!』
変態なコメントを余所目に、もこもこのワンピースに体を通す。後ろ髪を服から出し、カチューシャなどの小物を付けたら、カメラをオンにする。
『来た!』
『お?』
『スノウちゃんどこ?』
『wktk』
最後に服をしっかり整え、カメラの角度を調整したら、くるっとカメラの前に姿を表す。
『かわいい!』
『トナカイスノウちゃん!』
『えっっっっっっっ』
『もこもこ似合う!』
HTRサブ『持ち帰りたい』
『めっちゃかわえええ』
『回って!!』
『プレゼント届けにきて!』
『ソリ引かせたいw』
『スノウちゃんペロペロ』
『イイ子の所にしかきません』
『うちで飼いたい』
『ほら、餌だよ。。。。(ボロン』
『やべ、鼻血でたwww』
『あっ、、、』
『何がとは言わんがでか!』
『め☆が☆み☆降☆臨』
「着ました!どうですか?」
チャット欄はまさに絶賛の嵐。うんうんそうだろう。俺は美少女だからね。とは言っても、褒められるのは素直に嬉しい。
「えへへ、じゃあ、今日はこの服を着てることにします!」
『やったーー』
『助かる』
『トナカイ送ったワイ歓喜』
『カーテシーやって』
ポーズのリクエストが来ているようなのでいくつかに応える。
しかし全てに応えていたらキリがないので、ある程度こなしたところで早めに切り上げて次に移ることにする。
次に選んだのは、無造作にダンボールの上に乗っていた小さめの包装紙。
「なんか、金属音がしますね」
『キンキン』
『本当だ』
『高いやつかな?』
『時計とか?』
包装紙を明けて、中身を取り出す。
「......」
『手錠wwwwww』
『ワロタ』
『wwwwwww』
『割としっかりしてるやつで草』
『誰だ送ったやつww』
『よくやった』
『2つ目から早速ぶっ飛ばしていくスタイル』
『ナイス』
「皆さんのことがよく分かってきた気がします」
『いやーそれほどでも』
『美少女に手錠......』
『付けて』
『ここで装備していくかい?(圧)』
『つけて』
「え!?これも付けるんですか!?」
『うん』
『もちろんさ』
『大丈夫。外せなくなったらHTRが助けてくれる』
『付けてください(土下座)』
『トナカイに手錠......?』
『付けるしかない!』
「えぇ。。。もう、分かりましたよ。この変態!」
『罵り助かる』
『ハァハァ』
視聴者の変態加減に引きながら、あろうことか手錠を自分の手首に付けていく。
ガッチャンコするとだいぶ手首の動きが制限され、カギがあっても抜けるのは難しそうだ。また、なかなか丈夫らしく、ある程度の力で引っ張ってもビクともしない。
『wwwwwwww』
『クソワロタンバリンシャンシャンカスタネットタンタンプップクプーシャンシャンブーチリリリリリンwwwwwwwww』
『捕まっちゃったスノウちゃん......』
『ふぅ』
『(新しい何かに目覚めた音)』
『このまま次行こう!』
「『このまま次行こう』!?鬼ですか!?」
『次行こうは草』
『奥の細長いやつ気になる』
『(ゲス顔)』
『奥行ってみよう』
『鬼畜で草』
『気をつけてね』
このチャンネルには鬼畜しかいないのかな?どうやら視聴者諸君は腕の動きが不自由な美少女を運動させるのが好きらしい。
もうどうにでもなれと、僅かな足場から奥に進み、目的の細長いダンボールを他のダンボールの上を滑らせながら運んでいくが。
「わっ!?」
足をダンボールの隙間に挟み。
咄嗟に引き抜くが踏み場がなくバランスを崩し。
何かに捕まろうとした手は鎖に引っ張られて宙を掴み。
『ずっこーん!!』
『あっ』
『!?』
『!?』
『あ』
『見え!?』
『白』
『......』
『ご馳走様でした( ᴖ ᴗ ᴖ )』
HTRサブ『アアアァァァアアアアアアア!!!』
『大丈夫?』
『好きです』
『我が生涯に一片の悔い無し』
『怪我してない?』
「うぅ。。。ぐすっ............HTRさーーん!!」
『ガチ泣きで草』
『かわいそう』
『ごめん』
『許して』
『ほどほどにします』
よく分からない体勢のまま、服部に助けを求めるのであった。
ーーーーーーーーーー
服部に手錠を外してもらい、視聴者に恨みを吐き出したらプレゼント開封を再開することにした。
「美容院の......サインポール......」
『赤と青の回るやつ』
『光るタイプ』
『素敵なインテリアだね!』
『これのせいでコケたのなw』
「おしゃぶり」
『草』
『誰だよ送ったのw』
『いい趣味してんなあ』
『スノウちゃんよちよち』
「次は......おぉ!ゲットだぜの新作!」
『真紅か』
『おぉー!』
『久々のまともなやつ』
『いいなー』
「エンターキーが3つ。え?」
『あっ』
『つまりこれで隠せと......』
『裏側が引っ掛けられそう。どこにとは言わないけど』
『押したい』
「修道服ですね!これは後日着てOwatterに載せます!」
『エロい服の定番』
『楽しみ!』
『ちょいピチピチそう』
『懺悔したい』
「七色に光るマスクですね」
『こんなんあるんかw』
『眩しくてワロタ』
『どの場面で使うんだ』
『これで夜道は安全だね』
「ペットシーツ。私、ペット飼ってないんですけど......」
『送った奴キモすぎて草』
『スノウちゃんはそのままでいてくれ』
『いや、多分この子分かってるで』
『一体ナニに使うんでしょうかねぇ』
「えっと。誰か私の性別勘違いしてます?」
『TEMGAwwww』
『女の子にオ〇ホあげるのはワロタ』
『それ俺も持ってるよ。お揃いだね(ニチャア)』
『人は誰しも心にチ〇ポを宿しているものだ』
ーーーーーーーーーー
計2時間。
ひたすらプレゼントを開けてようやく全てのダンボールが平たくなった。
カメラを引いて、床に並べたプレゼント全体を映す。
マフラーやコスプレ服など服飾類。
チョコレートやクッキーなど食品類。
ゲームソフトやぬいぐるみなど玩具類。
イヤホンやバッグなど雑貨類。
ぬるぬるするやつや立派なやつなど性具類。
サインポールやエンターキーなどよく分からない類。
大きく分けるとこんな感じだろうか。
『多すぎィ!』
『壮観やな』
『身につけるものが多かったね』
『サインポールの存在感』
『来年は絶対送ります』
『安定のアダルトグッズの山』
『Owatterの投稿楽しみです!』
「いっぱいですね......こんなに沢山頂いちゃってありがとうございます!服飾類は順次着てOwatterに写真をあげるのでしばらくお待ちください!他のものは......な、なるべく使わせていただきます」
『無理しないでいいよw』
『くノ一衣装楽しみ!』
『大事に使ってね( ᴖ ᴗ ᴖ )』
『仕舞う場所に困りそう』
「それじゃあ、長くなっちゃいましたけど配信終わります!プレゼント送ってくれた方、見てくれた方、ありがとうございました!」
『お疲れ様!』
『楽しかったー』
『乙!』
『またやってください!』
『ありがとう!』




