16話 大切に使います
『プレゼントたくさん届きました!ありがとうございます!大切に使います(?)頂いた服は着て投稿するのでお待ちください』
(カチャッチは)大切に使います。
服以外のプレゼントの写真を添付して投稿する。
「え、お前ヒモ水着着るのか?」
「うーん......まあ、着るかな」
「そ、そうか」
だって、せっかくお金を出して買ってもらったものだからね。
水着もかなりリクエストが多かったし、俺の恥1つで期待に応えられるなら、やってやろうじゃないか。
一応これでも大事なところは隠せるはずだ。
「よし、今日のところはサメを着てみようかな」
「お、さっそく着るんだな」
「うん、サメは着たままスマホが操作できなさそうだからね。写真お願い」
「ああなるほど、任せとけ」
辺りを一旦片付けて、サメを持ってくる。
デカい。中に人が入れるんだから当然なんだけど、これしまう場所あるかな?
「......待て高橋、服を脱ぐ必要はあるのか?」
「入りにくいと思って」
「そ、そうか。でも、俺の目の前で脱ぎ始めるのはやっぱやめないか?」
「いいじゃん。お前に見られても恥ずかしくないし。美少女の着替えを見られてラッキーくらいに思っておけばいいよ」
「......」
なんだその顔は。
◇
無闇に誘惑するなと叱られてしまったので、服部にトイレに退避してもらってからサメになった。
「......」
「ぷふっ」
パシャリ
笑いながら写真を撮る服部。
「なんだよ」
「すまん、思ったよりかわいくて......くふ、可愛い方向性は違うが」
まあ着ぐるみはかわいいんだけど。なぜこれを俺に送ったんだ。
てか、意外に着心地がいい。
この、手足を入れるヒレのところとか。短いから動きにくくはあるんだけど、窮屈感があって吸血鬼にはなかなか心地いい。
「ぷっ、ヒレパタパタするのやめてくれ......死ぬww」
なぜ着ぐるみなのかはよくわからないが、せっかくもらったんだしいろんなポーズで何枚か投稿したいということで、打ち上げられたサメのモノマネと、頭からサメに喰われて足だけ出てる写真も投稿したら思ったより反響を呼んだ。
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数日後
『えっっっっっっっ』
『ヒモじゃんwww』
『抜きました』
『これ送った奴グッジョブ』
『まじで生えてない......?』
ヒモ水着姿の写真を投稿してしまった。
大事なところだけ小さい布で隠されていて、恥ずかしさに顔が赤くなっている俺。
エロすぎる。ほぼ裸じゃんこれ!
これがいけたんならもうだいたいなんでもいけるだろ。
もうヒモでも糸でもなんでも来いや!
ということで、これでこの前もらった服は全て着たってことになるね。
クリスマスにはサンタコスをして、セーラー服と巫女服も投稿したが、どれもメイド服と同じくらい伸びた。
しかし、もらったプレゼントの中でカラーコーンだけはまるで使い道がないんだよな。
せっかく買ってもらったものなのに、ただの部屋の置き物にしかなっていないのはなんだかもったいない。
頭に被って写真でも撮るとか......いや、さすがにシュールすぎる。どうせならもっとえっっっな感じに......
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俺は天才かもしれない。
今撮った写真。
裸で膝立ちになった俺が、カラーコーンを逆さにして抱きかかえている。
カラーコーンの底の四角でおっぱいの大事な部分が隠れていて、四角が押し付けられたおっぱいがむにゃりと凹んでいる。
カラーコーンの先のほうは俺の内ももに挟まれていて、下の方の大事な部分も見事に隠れている。
抱きかかえているカラーコーンのみで大事なところが隠れている状況。
考え方によってはヒモ水着よりエロい気がするけど......もうどうにでもなれ!
これを投稿してしまおう。
『送っていただいたカラーコーンです。ありがとうございました!』
これでカラーコーンを送った人も浮かばれるだろう。
これによって全国の裏垢女子の中で『裸カラーコーン』ブームが起きるとは俺は夢にも思わなかった。