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ちゅーから始まる夢の世界

3人でバカみたいに泣いた 泣き疲れた

側から見たらとんでもない絵面だったかもしれない

那由多(なゆた)叶向(かなた)が泣く理由は分かるかもしれないが、僕が泣く理由は僕自身にも分からなかった


3人が泣き止んで、しばらく場は再び凍りついていたが、しばらくして叶向が口を開いた


凛真(りま)、那由多とちゅーして」


那由多とキスをしたら、2人が記憶に関する症状から解放される...という推察 あくまで推察


「で、でも 僕は叶向と」

「そうだよ! 彼氏さんはお姉の彼氏さんで...」

「いいの、これは誰のためでもない あくまで私のため 那由多に凛真を譲る気はないよ 本当は嫌だけど、凛真とこれから一緒にいるためには仕方ない 最初で最後の思い出にしてね」


「ほんとにいいんだね 彼氏さん、覚悟はいい?」


いいのか? 色んな意味で不味い気もするけれど、叶向の記憶を失う苦しみ比べたらこんなこと些細なことかもしれない


「叶向、もしこれで何も変わらなかったらどうするんだ?」


「どうもしないよ 私は2人がちゅーしたことを明日には忘れるだけ そしたら、この出来事は2人だけの記憶に封じ込めて」


叶向の勇気ある決意、叶向とのこれからを考えると覚悟を決めずにはいられなかった


「どんとこい!」


ぺちっ!


「どんとこいじゃないでしょ! あなたからいくの! “あなたからちゅーされる”のが願いだったらどうするの!」


叶向に頭を可愛く叩かれ、お叱りを受けたがその通りだ 那由多にも恥をかかせられない


那由多は目を瞑って待機してる

初めて叶向とキスした時と同じ顔だ


覚悟は決まった


左手で叶向の後頭部を押さえ、右手で叶向の左肩を抑える

顔を近づけ、近づけ、近づけ...




ちゅ


10年の時を経て、彼女の唇に触れた






「1つだけ、願い事を叶えてあげる」


あれ? なんだか見たことある夢...


「君、寝るときいつも辛そうだからさ」

「うん、つらいの あたし、寝るとぜんぶ忘れちゃうから」


この声は、あたし?


「神様は残酷だね 君のお姉ちゃんは何でも覚えられると言うのに」

「そうなの、お姉がうらやましいの お姉の記憶力、少し分けてもらえればいいのに」

「分けてもらうっていうのは無理だね 神様がすることにはすべて理由があるんだからね そこは壊しちゃいけないんだ でも」

「でも?」

「2人の記憶の能力を、入れ替えることはできるよ」












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