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1-1プロローグ

よろしくお願いします

高度一二000メートル。

白い雲が高原のように敷かれ、天は宇宙の片鱗が垣間見える神秘となっていた。

生身の人間だけでは存在を許されることはない高度空間に、法則を超越した二人の人間が見つめ合っている。


「カルナ!!」


少女は叫ぶ、巨大な竜を(かたど)った紅蓮の力を身に纏い、カルナと呼ぶ存在と相対する。

だがその顔に敵意はなく、どこか悲しげな表情を浮かべていた。

カルナと呼ばれる男は少女と違い、薄い膜のような光を全身に展開し、浮遊している。

男は少女の叫びを冷然と受け流し、口を開いた。


「のの…お前も邪魔をするか」


重く冷たい言葉。その目は(くら)(くら)(くら)かった。光を通す余地もない黒い瞳。

綺麗だと思った、あの瞳はもうない。最早、旧友でさえ阻む者は敵とせんとする男の態度に少女は悟った。多くの日々を共にしたカルナとは掛け離れた存在になっていたことを。


「止めようとしても無駄なんだね…」


届かない言葉、自分では彼を変えることが出来ない無力感とやるせなさが精神を削る。

馬鹿だとしても、幼稚だとしても、それでも少女は僅かな希望を捨てられなかった。


「それでもッ…!!君を連れて帰る!君が拒もうと世界の敵になろうと僕は君を連れて帰る!!」


少女の叫びに呼応するように紅蓮の竜が咆哮を上げる。

その叫びか合図だったかのように二人の戦いが始まったーーーーー。


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