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0プロローグみたいな?

初投稿です。

優しい目で見てください。

よろしくお願いしまーす!!

 

 熱も、音も、光も、何もかもを遮るドーム型の結界は、ウイスティリア大陸のウイスティリア国の王都、セルリアスの端も端の端の方の隣町との境目の、国立公園の関係者以外立ち入り禁止ゾーンの中にある()()()


 らしいと言うのも十二年ほど前に突如現れた霧。その霧、ただの霧ではなく()()()()()と呼ばれるほど入ったものを目的の場所へと辿り着かせないらしい。

 なんでも裏の世界では過去この霧の中に入ったものは誰一人として帰ってこないと言う話は有名だったり、有名ではなかったり…?



 なんて世間一般に流れている噂をぶっ込んでからの事実の話をするよ。

 その霧、実はある程度の実力者なら、霧に惑わされずに目的地にたどり着くことができるのだ!

 ならば何故入ったものは帰ってこないのか?


 それは、結界の中の話をしてから述べようと思う。


 その結界の中にはまず美しい程度の林が茂っている。林を進めば草原が広がりその次には小さな畑と、大きな白い塔が一つ。


 その塔には二人の住人が暮らしている。寝坊助な母としっかり者のその娘である。


 この結界、一見何者でも侵入を拒むような見た目をしているが、いや、実際に拒むのだが、ある一点だけ楽に入れる場所が存在する。

 その穴は決して最初からあったわけではない。

 巧妙な魔法使いが寝る暇も惜しんで作り上げた完璧な結界()を、これまた別の巧妙な魔法使いがある一部だけある程度実力がある者なら人一人入れるくらいの大きさを解除出来るよう書き換えたのだった。

 そう、その全ての理由はその中に住う王妃様とお姫様の息の根を止めるために。


 だがここで誤算が生まれた。夜明けどき。始めに王妃暗殺の依頼を受けたその穴を作った巧妙な魔法使いのすぐ後にそいつの目論見を聞きつけ「ちょっ流石にそれはやばいって!」と止めに追いかけに入った男が、魔法では巧妙とはいかないが、ある程度魔法も使える、強く 最強で 最恐の 暗殺者だったことだ。


 だがすでに手遅れであった。

 後者の暗殺者が王妃と姫が眠る塔の最上階に着いた時。あたりはどこもかしこも、誰もかも、赤色に染まっていた。王妃は色味の無い顔で眠り、先に来たはずの魔法使いの暗殺者であろう物は全身から血を吹き出している。


 その中にただ一人。二歳になったばかりのお姫様が空な目で暗殺者を見つめていた。


 そのお姫様が、暗殺者を殺したのだった。


 たった二歳のお姫様が()()()あの暗殺者を殺したなどにわかには信じ難い事だが事実なのだった。

 彼女は魔法の天才で精霊に愛された存在だった。一人の暗殺者で殺せるわけないのだ。


 それを出逢いにやけに早熟で聡いお姫様に効率の良い殺し方や、後処理を少なくする殺し方、痕を残さない殺し方を最強で最恐な暗殺者は、時々食材など生活用品を持って教えに来るようになったのだった。


 時々やってくる暗殺者を練習台にして。ここまでくれば言わなくてもわかるかな?

 まぁ分からなくても想像しよう!

 はたして精霊が愛し子を守るように霧を張ったのか、暗殺者がある程度の実力者ではないと練習にならないから霧を張るようにお姫様に言ったのか、その両方か…





 これが十二年前のことである。





 ***


 お姫様こと私には一般とは違う変わっていることが三つあるんです。


 一つは私がお腹の中の頃の記憶から生まれたばかりの頃の記憶が、映像のようにはっきりと記憶していること。

 記憶力もとても良い。一度見聞きした事は忘れないんですよ。


 二つ目はこの世界にある六大英雄の一人の後継者ミドルネームにマリーを継ぐ者である痣がある事。ここでちょっと神話の話をしようと思いますの。



 時はうん千年前。

 生命の元である魔力がうまく流れず固まることが世界中で大量に起こった。その固まりによる悪影響は多大で作物が育たず土地は枯れ魔物が大量発生し続けた。

 世界が荒れると人々も荒れ戦争が日常になっていった。そんな人々は食も十分に取れず戦争で身も心も疲労していった時。

 神は自分の体の一部で、ある人間を作り魔力を循環させる力を与えた。常時発動型のスキルだ。

 そしてそのものを守る眷族にと神の眷族たち5人も自身の一部を使い人を作った。


 世界は彼らと彼らの子孫を代々王や国の中枢において平和を長い時間をかけて取り戻したのだった。


 よって代々彼らの痣を持つ者を六大英雄と呼ぶようになった。


 ここで六大英雄について少し説明を入れよう。



 まずは神の創り出した子、リネルガルムの後継者。彼は全ての魔法を使いこなし魔力を循環させる力を持った。彼の子である第一子は彼の後を継ぐ者として、魔力解放と共に右鎖骨上に剣の周りに下の文に出てくる痣の四色の竜と銀の薔薇が咲き誇る痣が現れ代々セカンドネームにリネルを賜り、玉座についた。代々黒髪に黒い瞳の男児である。


 五眷族が一人であり神の妻であり、創り出した子もまた国王の妻であった精霊王マリエールナ。

 精霊を統べるものである。精霊に光の精霊と闇の精霊はいないから彼女はその二つの魔法が使えるのと強い癒しの力を持っており世界で唯一彼女の名を継ぐ者だけ蘇生の魔法を使うことが許されたが、認知れていない。

 右鎖骨上に銀色の薔薇の痣を発現した継承者はセカンドネームにマリーを賜る。彼女の後を継ぐ者が生まれるのに規則性はなくごく稀に王家の姫の中に発現する。だからこのマリーを賜るものの中に初代以外でリネルと結婚した者はいない。ここ七百年は産まれていないため情報が薄れていったのか消されたのかマリーの名を継ぐものの情報は痣と継ぐセカンドネームしか知られていない。代々白に限りなく近い銀髪にアメジストの瞳である。その髪は光の加減によると金髪にも見える。


 そしてあとの彼らは皆、元の眷属の姿が竜な為六大英雄の他に、四竜眷(しりゅうけん)と総じて呼ばれる。彼らは身体が強く普通の者には殺す事ができないと言われている。彼らはリネルを守る剣と盾である。再生速度は主人であるリネルよりも早く肉体が鋼のように硬いから傷をつけるのが難しい。まるで鱗を纏っているようらしい。毒はその体の中に秘めた竜気で打ち消してしまうらしい。彼らは寿命でしか死ねない。


 代々公爵の座に座る四竜眷こと四公の一人ベーリルダムを継ぐものは代々赤髪で赤色の竜の痣が右鎖骨上に現れ、セカンドネームにリルを継ぐ。全属性魔法が使えるが特に炎の魔法が強力、何故か毎回脳筋が多いのだ。拳で語り合うタイプだからしっかりと手綱を握っておくべき人物だ。


 四竜眷が一人バンクトムを継ぐもの。代々茶髪と黒色の竜の痣を右鎖骨上に継ぎセカンドネームにバンを継ぐ。地の魔法が特に得意だが全属性魔法が使える。これまた代々脳筋だが厳つい顔をした天然である。言うなれば性格穏やかな脳筋だ。


 四竜眷が一人スレムメースを継ぐもの。代々金髪の髪に紺色の竜の痣を右鎖骨上に継ぎセカンドネームにメースを継ぐ。水魔法が得意だが全属性魔法が使える。代々腹黒でただ一人の人を好きになるまで基本女好きであるため本名を射止めるのに苦労する。


 四竜眷が一人フォルフォンスを継ぐもの。代々銀髪で白色の竜の痣を右鎖骨上に継ぎセカンドネームにフォルを継ぐ。風魔法が得意だが全属性魔法使える。代々一見穏やかで優しげな風貌をしていて大抵の人にはそのまま印象のままに振る舞うが四公や暗殺業の時は腹黒い。暗殺業は六大英雄とフォルフォンス家の口の固い信用たるものだけの秘密だとか……私はマリエールナ様に教えてもらった。


 という感じです。


 そして私が初代王の妻、闇魔法と光魔法の使い手。癒しを専門とするマリーを継ぐものの銀色の薔薇の痣を右鎖骨上に受け継いだのでした。この力のおかげでいろいろ助かったから感謝しておりますよ。

 使い方によっては殺傷力もありますしね。マリーについての情報は私が住んでいる塔の地下も地下にあった神殿に色々な歴史書があってそこに書いておりました。あとそこにある泉に囲われた祭壇からときどき精霊王マリエールナ様本人がいろいろ教えてくださいました。

 本人曰くマリーが生まれる時代はリネルの存続が危うくなる時らしのです。つまりリネルが死ぬってことですね。だからマリーが生まれる意味や力は認知されてはいかないのですって。



 三つ目は前世の記憶がある事。

 思い出したのは二歳のとき、初めて暗殺者が来たときのこと。お母様から吹き出る赤い紫吹や脅すように斬り付けられた手の甲の大きな破傷があまりにもショックだったから思い出したのか、それともこれから一人で生きていけるようにの情報なのか…


 前世の私は社畜…だったのかは分からないけど世に言うお嬢様でありました。

 小さい頃から社長になるのよと厳しく育てられました。

 女の子だから舐められないように、会社を大きくするために、家の名に恥じぬように。教育方針は広く深く。


 愛を知ることのない人生でした。誕生日会も名家だからあったけど親は社交ばかりでおめでとうすら言ってもらえませんでした。お父様もお母様もお爺様もお婆様も、皆私は家を大きくするための道具や名家に子供一人いないなんてと笑われないための人形のような扱い。

 子供の頃はそれがおかしいなんて思いもしませんでした。当たり前でしたから。

 でも社会に出て気づいたのです。

 おかしいかも知れない。

 幸せではないかもしれない、と。


 まぁ今世で前世の知識を使って老人ホーム造ったり保育園造ったり魔道具でレントゲン開発したりして大変儲けさせていただきましたけどね。


 今世では幸せになりたいですね。



 でも許されるでしょうか、手を赤く汚したお姫様なんてね。




ありがとうございました!

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