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生存進化体
あと5分くらいだろうか。警察今ここに来るのはまずいな、あの野郎早く来い。
炎を呑み込んだ鎧騎士と炎に向かっていくメイン盾、それに追従する投擲者。
「5分以内にぶっ倒して逃げるぞ」二人に叫びながら伝える―――聞こえたかは分からないが二人の勢いは止まらない。
炎をかき分けて前進してくるのはやられる立場からすると恐怖だ―――空中からも近づいてくる鎧騎士を残った手で炎を出し近づけないようにしている。
風切り音、鳴った時にはすでに当たっている。異能者の腕・足・胴体に石とパチンコ玉をぶち込む―――炎の勢いが弱まりメイン盾がシールドバッシュのすくい上げ、それに合わせて鎧騎士が飛び蹴りを浴びせた。
まずい、まだ来てないしかも追い詰めすぎたか?博士に連ら…っ!?
異能者の存在が気配が変わっていく―――この感覚は以前も感じた。人が覚醒する前兆、可能性の獣、生存進化体―――呼び名はどうあれめんどくさいのがよりめんどくさくなる。
手榴弾のピンを抜き異能者の口に突っ込もうとした瞬間―――