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案山子~宇佐美みちる詩集~  作者: 宇佐美みちる
3/9

案山子 其の参

   短足――足りないものは――


 のたうってゐるのは

 鼻の大き(おほ)な人間と

 真ッ白な子象。


 ああ、(子象は!)

  (とほ)くを眺めてゐるよ

  食べてゐる

 足元の(ちひ)さなひなげし。


 鼻の大き(おほ)な人間は

  こらえるように目を見張り

  銀に(かす)む星つぶを

 うんとうんと見てゐた。


――柵の向かふに影法師。



挿絵(By みてみん)



**************************


   希望――朝――


 土が うずくまる

 草が うずくまる


  スックとのびる 霜柱


  うす紫にけむる 街並み


 シンと静まり返った池にも

  淡くけむる 白い(きり)


  なんて やさしく流れるのだ・・・・・・

  ため息すらも 淡い(もや)


 寝ぼけまなこに 空気が沁みる

  かくも地球は生きている

  思うと滲んだのは 涙



 生きるだろう、今日も。


**************************


   高部台


 街に夕映えが訪れる。

 高台から眺めると

 両手に広がる光のカーテン――


 雲が地平線と街並みを

 かすめるように

 浮かんでいる。


 どんなに時代(とき)が進もうと

 黄昏色のこの景色を

 失くしたくはない――



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