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案山子 其の弐
男女共鳴
男は勇者
女は砦
勇者は振り返らず
大地の彼方へと
走る
砦は涙ひとつこぼさず
見送る
――なはて この地に人は宿り
子をなし 子を立て
増しゆくだろう――
女の涙が 空の雨
男の汗は 海の水
そして勇者は還らない
―砦は今もここにある
(初出・WEED)
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友達
あんまりこっち見ないで・・・・・・
素直なあなたの瞳
恥ずかしすぎる
もう
何も言えない
ずっと嘘ついててごめん
冬の空は青く
どこまでも広がるけれど
あなたと私の接点は
――今日を境にすれ違う
もっともっとずっと
眺めていたい姿
聴いていたい声
――さようなら・・・・・・
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一億の窓
流れる雲が 教えてくれる
闇に包まれる この街の
その一瞬
ひとときの本当の輝きを
忘れはしないと
遠く近くに明滅しゆく
一億の砂粒に我は誓った
「今日この日 瞳こらし
億万の窓を見上げた
希望に燃ゆる心を忘れまい」
強く 強く 輝きぬくと!




