レキ
「タカラさん……」
レキは、視線をタカラに向けた。
両者の目線が交差する。
タカラは頷き、
「……うん。レキのしたいようにするといいよ」
「ありがとうございます!」
レキは返事と同時に、ライフルとシールドをその場に下ろした。
「は?」
「なんのつもりだ。私に情けをかけるのか」
「これで対等です」
「!」
ぞくり、そう音がしたのではないかというほど、フリーダの体が震えた。
その手からも、刀身の大半を失った剣が落ちる。
レキが拳を構える。
フリーダもまた、拳を構えた。
同時に、フリーダの鎧がばらばらとその場に落ちて行く。
「何をしているフリーダ!」
「すみませんバインド様。私は生まれて初めて自分の意志で戦います。これが最初で最後です。許して下さい」
その眼はただただレキを見つめている。
「……ふん。勝手にするがいい」
「ありがとうございます」
その時、どこからともなく木の葉が舞ってきた。
ひらり、ひらり、
それが大地についた瞬間――
レキとフリーダが飛び出した。
放たれる拳と拳。
雷光にも似た一閃。
「ぐっ……!」
「くっ……!」
拳が突き刺さるは、互いの頬。
「クロス……カウンター」
呟いたのは、ヤミタ。
確かに、見る者が惚れ惚れするほど、見事なクロスカウンターだった。
そのまま時が止まったかのように両者とも微動だにしない。
どれほど経ったろう。
一〇分かも知れないし、一〇秒かもしれない。
先に動いたのは――
どさ。
膝をつく音。
ついたのは、レキだった。




