勝敗
「フィールドアウト!」
ヨミーの声が響き渡る。
レキが、フィールドから出た――つまり逃げ切ったのだ。
「LVリバー側神体の逃走成功。よって試合終了である! ドリメイト国マイスター・バインドに1ポイントを追加するである」
「ちっ……」
勝ったのはバインドであるのに、憎々しげに顔を歪めていた。
時を同じくしフィールドが解け、双方の神体がスタンドの前に瞬間移動されてきた。なお、この瞬間移動はジャッジに精霊王が与えた能力であり、神体に備わっているものではない。
レキは両腕を失い、背中に大傷を受け、満身創痍の状態で現れた。
タカラもやっと痛覚のリンクが途切れ、汗だくだが平静を取り戻して来ている。
一方、フリーダは現れるなりその場に跪いた。
「申し訳ありませんバインド様……!」
「己が無能だと思われるだろうが愚か者が」
バインドはフリーダを蹴り飛ばす。
「おい、お前……」
「黙れ」
「うっ……」
止めようとしたタカラを、フリーダが睨んだ。
心臓まで凍りつきそうな、視線。
「……まぁいい。また来るぞ。次は完全に破壊してやる」
バインドはマントを翻し、踵を返した。
その後をフリーダが追いかけて行く。
彼らが消えるよりも早く、ヨミーの姿が消えていた。
残されたのは、タカラと、ぼろぼろのレキ、そして重傷のヤミタ。
タカラは、レキの方を見た。
背中の傷も、砕けた両腕も、人間なら何回か死んでいてもおかしくない。
「くっ……」
完全な、敗北だった。




