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畢竟に咲く赤い花  作者: 玲瓏
第一章
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遺書

 ――八条の元へ


 月光の夜風に靡く私の髪は、天と近くなった心に同情する様子に相応しい。今宵から明日にかけて、私は抜け殻を残して地を去る。最後にその瞬間を絵として残したいが、叶わぬ願いだからこその欲求である。

 Hさんは、私の重大な心の土台となった。挫けた時、師匠のように私を生かしてくれた。私は恩返しができない。むしろ、恩を奪うように去ってしまうことになった。

 だからこそ。Hへ。



 ――彩香の元へ


 遠い日のSが恋しくなった時から、私の未来は決まっていた。私を狂わせた恋心の罪は私がどう贖おうとも晴れることはなかったろう。

 どうしても、私は親友から恋人を奪うことができなかった。夢を失うストーリーの原点だった。どうしても叶えることのできない夢はあると、私は思い知らされた。自分を偽ることで、苦しみから逃れた。

 だからこそ。Sへ。



 ――奈帆の元へ


 遊園地で、私は初めてジェットコースターに乗り、楽しかった。

 プレゼントをした時のMの顔が私は好きであった。

 キャッチボールをするFの姿を、私は忘れたことがない。

 私を、私でいさせてくれたTは、私よりも強かった。

 カーネーションの花は、全てを語る。

 だからこそ。我が家族へ。

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