『ブラック絵本』オオカミさんと赤ずきんちゃんと三匹の子豚
「ねえ、オオカミさん」
赤いずきんの女の子が、籠を持って立っていました。
怖いものは、なにひとつ知りません。
「おばあさんにお花をあげたいの。どこで摘むといいかな?」
オオカミさんは、にっこり笑いました。
心の奥で、ドス黒い計画を光らせながら。
「それならね、『嘆きの崖』の下がいいよ。
そこには、きれいでこわい花が咲いているんだ」
女の子は「わあ、ありがとう!」と笑って走り去りました。
――オオカミさんの悪だくみは、いつものように、やっぱり失敗です。
おばあさんの家にたどり着いたオオカミさん。
ドアをそっと開けると、ベッドには――
いません。
部屋のまんなかで、黒光りする筋肉が立っていました。
「おお、森のオオカミじゃないか。
いいところに来た。ちょっと体を動かしたくてな」
おばあさんは、ダンベルを振り上げました。
ドガァ! ウルフ・プルオーバー!
ガスン! ハイパー・ウルフ・スクワット!
バッキィ! ウルフ・カーディオ・パンチングバッグ!
オオカミさんは、窓から飛び出しました。
外の風は冷たく、涙がしょっぱかったそうです。
ふらふら歩いていると、三びきの子ぶたがいました。
みんな笑っています。
目が、笑っていません。
「ねえ、いい燃料があるよ」
「ほんとだ、毛がよく燃えそう」
オオカミさんは藁の家に押し込まれ、火がつけられました。
ボッ。
燃え上がる赤い炎。
うちわをあおぐ三びき。
「もっと燃えろー!」
「熱くなれよー!」
子ぶたたちは、うれしそうに手をたたきました。
オオカミさんは、二度とバーベキューを楽しめない体になりました。
燃えカスになったオオカミさんは、川に飛びこみました。
水が体にしみて、ひんやり気持ちいい。
でも飲みすぎました。
おなかがタプンタプン、まるで水風船。
そこへ、あの歌声が聞こえます。
「お花を持って おばあさんの家へ~♪」
赤ずきんちゃんです。
手には――パックンフラワー。
「見て!この子ね、ちょっと噛むけど、すっごくかわいいの!」
オオカミさんの腹に、花の口がパクッ。
「やめろおおお!」
花はじゃれて、吸って、はしゃいで、また吸って。
赤ずきんちゃんは、笑っていました。
夜になりました。
星がきれいです。
オオカミさんの体はボロボロです。
それでも彼は生きています。
だって、悪役は、死んでも仕事を続けなければならないのです。
森は静か。
炎の跡、花の残骸、筋肉の笑い声。
今日もお伽噺の国は平和でした。
――オオカミさん以外には。
おしまい
なんか自分でもわかりません
なんとなく書きたかっただけです
すみません




