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4話 早朝

4話 戦闘訓練

朝運動場にいたのは、ロシア人だった。

 周りには俺とこいつだけ名前だけでも聞こうと思い近づく。

 

「なぁお前名前はなんて言うんだ?」

「……」


 こいつシカトかましてやがる。俺が話しかけてやったのにイラつくぜ。


「おい!お前だよ!ロシア人」

「あ?」


 ロシア人の視線が俺に突き刺さる。だがここでビビったら負けだと思いもう一度聞く。


「名前だよ、なーまーえ」

「お前に教える必要ない」

「あーむかつくなぁ。まあいいや、じゃあな」


 まじでむかつく。

 なんなんだあの野郎、透かしやがって。

 今に見てろよ、もう話しかけてやらないからな。

 

 ロシア人のことは一回忘れ自分の訓練に戻る拓磨、そこに鬼塚がやってくる。


「なんだお前ら、ちゃんと寝たか?睡眠は必要だぞ?」


 アレクセイが立ち上がり鬼塚の前に立つ。


「教官、俺と組み手しませんか?」


 鬼塚が腕を組んだままニヤリと笑う。


「いいだろう。お前がこの俺に1発でも当てられたらお前の勝ちだ、だが当てられなかったら地獄を見てもらう。」


 なんだ?急に始まったが全然理解できない。なんだ教官とロシア人が対決?観戦者は俺だけ。こんな体験、滅多にないぞ動きを見て勉強だ。よーしちゃんとみるぞ。


「おい、そこの新兵!名前は?」

「あ、はい!拓磨です!金木 拓磨です!」


 ほう、あいつが金木か


「親父そっくりの目だな……」


 何言ってんだ?この人は俺に親父はいないぞ?


「よし!拓磨お前が審判だあとは任せたぞ」


 無責任すぎやしないかどっち勝たせたってリスクしかないじゃないか


「さっさと始めろ雑魚が」


 んだとぉ!あのロシア人あとで八つ裂きにしてやる


「よーい、はじめ!」


 その瞬間、風が爆発したみたいに俺の髪が跳ね上がり、息が詰まった。何が起こったのかわからないまま教官は動かずにロシア人だけが教官の後ろの方に移動していた。


「ほう、いい飛び蹴りだ。だがまだまだ無駄が多い。何をしてくるのかが見ただけでわかってしまう。もっと無駄を減らせ!」

「チッ、言われなくてもわかってる」


 飛び蹴りをしたのか?何も見えなかった。これでどうやって勝つっていうんだ……。いや、まずは“見る”ことから始めなきゃ。


 ロシア人の足がかすかに動くその瞬間を拓磨は見逃さなかった。次の瞬間、ロシア人がいたところの地面が削れている。一体どれほどの脚力があればできる芸当なのか。思わず息を呑む。ロシア人の爪先が鬼塚の服を切り裂く。


「どこを狙っているんだ?体を狙わなきゃ意味がないだろう?」


 (嘘だろ?今確実にボディに入っていたはずだ……あいつギリギリになるようにわざと避けてやがる。舐めやがって……)


 見えた!今当たらなかったのは高速で鬼塚が横に移動したからだ。

 だがなぜロシア人は気づいていない?見えていないのか?次にアレクセイが仕掛けたのはフェイントである。

 フェイントを仕掛けることによって手数を倍にできるのだ。

 まずアレクセイが仕掛けたフェイントは頭への一撃である。

 鬼塚が頭に気を取られているうちに膝でボディを打つ作戦だ。

 アレクセイが仕掛けた瞬間鬼塚は頭への一撃を瞬きひとつせずボディにきた膝を受け流し空中に浮いているアレクセイの首根っこを掴み勝負は終了した。

 すごいあれはフェイントだとに冷静に判断し次の一手を封じ込み完璧に制圧する。俺がなりたい存在そのものだ。


「殺気のねぇ拳なんざ、犬の吠え声と同じだ。相手に届かねぇ攻撃なんか何の意味もねぇんだよ!命を削るつもりで振るえ!そうすりゃフェイントも生きる!」


(……殺気が足りない?違う、まだ俺には……届かないだけだ)

 

「ちぇっ、俺の負けだ。煮るなり焼くなり好きにしろよ」


「いやいい、拓磨にとっても勉強になっただろうしな!俺も久々に良い汗かいたぜ。早起きは三文の徳とはこのことだな。はっはっはー!」


 俺は部屋に戻りノートに記した。


 ・フェイントは、殺気をこめなければ使えない。

 ・格上との戦闘では、目で追いつけないと何も始まらない。


 今日はすごいものを見た。

 朝はやく起きてよかったし。

 あの現場にいたのが俺だけだったのがちょっと誇らしい。

 自分の目標がとてつもなく高いことを知ったが、諦めるどころかやる気がみなぎってくる。

 体が疼いてじっとしてられないので少しランニングに出ることにした。

 そんな時間を過ごしているうちに訓練の時間が来た、、


 4話 完


 


 

 


 

 

 

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