2話 訓練
拓磨は汗をかいていた。
暑さもあるがそれ以上に緊張、雰囲気に圧倒されていた。
滝のような汗が拓磨の顎から垂れる。
顔は真っ青になっていたのだろう、隣のやつが心配してきた。
「おい!大丈夫か?お前顔が真っ青だぞ?」
頭がぼっーとして何を言っているのかわからないが返事をした。
相手は怪訝な顔でこちらを覗いている。 そこで爆弾のような音量で声が聞こえた。
驚き頭がさっぱりした。
「よぉぉーーし!お前ら今日からお前ら新兵の面倒をみることになった鬼教官こと鬼塚 剛だ!お前ら鼻垂れ小僧どもをとことんしごくから覚悟しろ!」
ボロボロの軍服に地球防衛軍のエンブレムが入った帽子、首にはロケットペンダントとホイッスルもぶら下がっている。かなりでかい。
体中に傷跡がついている。どことなく高校時代の体育教師に似ている。
「まずお前らに教えておくことがある!それは、泣いてもいい、たとえ小便ちびったって構わない。ただ己の命尽きるまで戦い抜くことだ。」
どこか自分の心に熱い何かが宿った気がした。
「だがここに来たからには、死ぬ気で、いや生きて帰るつもりで訓練してもらう。一つ言っておく死んだら許さない」
最初は周りの奴らはニヤニヤしていた。
こんなところで死ぬやつなんかいるのかと、だが教官の真剣な眼差しに圧倒され誰もが息を呑んでいた。
「まぁ、そんな身構えるな、明日から訓練だが今日は仲間を知るために一杯交わそうか!」
そんなこんなで最初の夜がやってきた。
ここで知り合ったやつが、岡里 雄太(18)こいつは同い年で趣味も話しも合いいいやつだと思った。
ヤスを思い出す。
真剣佑 空(23)こいつは凛々しい顔立ちをしていて落ち着いているのが印象に残っている。特に名前とか
ダニエル・ショーン・デイビック(26)この人は大人っぽく日本語も流暢である。海外から派遣された人材であるらしい。
神崎 真(28)この人はガッチリしていて元々は陸軍の中尉を務めていたらしく頼りになる兄貴分だ。夜も明けて訓練が始まった。
朝5時、酒が体に残っているころ教官は平然と起きてきた。
「よぉーし!お前ら今日から訓練が始まるが、それにあたって一つ言っておくことがある。この訓練プログラムを終える頃には大半の男が辞め、残ったやつは今とは見違えるほどに成長をしていることだろう。基本うちは去るもの追わずくるもの拒まずでやっているが、他のものより明らかに遅れているものは、どんどん除隊させていくからな。それだけは頭に入れておけ」
拓磨は今まで本気で努力したことがなく成績も真ん中で部活動もいつも3位ぐらいで普通の人間だった、だがこれからは努力なしでは生き残れないことを知り拓磨のなかの決意がもっと強く固まった。
「では、これより訓練を開始する。まず腕立て100回スクワット100回腹筋100回終わったものから順に名簿に記載すること。わかったら返事!」
「お、おす!」
「は、はい!」
「…」
返事はバラバラだったが教官は笑っていた。
俺は1番になるため体力が残っているうちにきついやつからやることにした。
腕立て→スクワット→腹筋の順でやることにした。
太陽の熱い日差しにやられ倒れた者もいるなか俺は細かな休憩を挟みながら作戦を考えていた。
隊に入ったのが200人ぐらい。
今終わっているのが5人ぐらいでこの訓練で落ちるやつがいるとしたならば20人ぐらいであろう。
この訓練は基礎の筋力を測る者であるためそこまでの人数を落とすとは考えにくいためである。
あまり急ぐ必要もないと考え自分のペースでやることにし小まめに休憩を挟みながらクリアした。
俺は12位でクリアした。
真夏の太陽の下汗だくになりながらなんとかクリアし名簿にチェックをつけ部屋に戻った。
今日はこれで終わりなのだろうか。
何もわからないなかキンキンに冷えた水を飲む。
体中に冷たい水が入り込んでくる感覚が心地いい。
少し仮眠を取ろうと思いベッドに横になる。
そこで教官から呼び出しのアナウンスがきた、、、
2話 完