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第二十二章 真紅の血涙
夜の宴が最高潮に達する中、名古屋の高層ビルの一室で、燈は重い決断を迫られていた。
彼女の手には、香澄の秘密を暴くための最後の証拠が握られている。
しかし、その代償はあまりにも大きかった。
燈の背後で、不意に銃声が響き渡った。
美咲が倒れ、赤い血が床に広がる。
「美咲!」
燈の悲鳴が宴の喧騒を切り裂いた。
だが、その血はただの血ではなかった。
それは、裏切りと犠牲の証し、そして新たな戦いの始まりのしるしだった。
蓮は怒りと悲しみに震えながらも、美咲の遺志を胸に、香澄との最終決戦へと踏み出す。
「もう後戻りはできない……」
彼の瞳は真紅に燃え上がり、まるで業火そのもののようだった。
名古屋の闇は深く、しかしその奥底からは、赫き光が差し込もうとしていた。
真紅の血涙は、希望と絶望が交錯する中で、街に新たな運命を刻み始める。




