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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン3 【魔刻印者編】(計画)

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絶望の影:暗殺者となった少年

「【MACOK】の素材もなかなか見つけるのに骨が折れますね。どこかに良い素材はありませんかね…。」

メルギド博士は、そんな愚痴を言いながら作業をしていた。


レオンは、メルギド博士の手伝いをしながら、普段の修行以外でも目を盗んでは【MACOK】の力を自由に使いこなせるように鍛錬をしていた。


【MACOK】には、いろいろな種類の魔法陣を刻み込むことができるらしい。さらに、刻む場所によっても効果を変化させられるそうだ。


【魔法陣使い】は、もちろん魔力も詠唱もなしに魔法陣を発動することができる。


【MACOK】も同じ魔法陣を発動することができる。しかも、魔力も詠唱もなしで命も削られることもないのだ。


つまり、生きている限りは【MACOK】の方が優位とも言える。しかし、例の条件のせいで【魔法陣使い】には絶対に逆らうことはできなかった。


さらに、【MACOK】が死んでも【魔法陣使い】は痛くも痒くもないが、【魔法陣使い】が死ぬと【MACOK】が全滅するのは変わらなかった。


そのことは、【MACOK】であるレオンが一番理解していた。だが、表向きには従順でも、いつかメルギド博士を無力化してここを逃げ出そうと画策していた。


普段の生活では、レオンもリナも博士自身も「偽装」スキルによって、他の人からは別人に見えているようだった。


おかげで、外でも自由に行動ができた。


レオンの仕事は、「餌」の監視と飼育だった。相変わらず、愚劣な環境で、ただメルギド博士に魔力を吸い取られるためだけの奴らがいた。


一方で、リナは案外とこの状況を受け入れているらしく、完全に博士の助手として働いていた。


•••••••••

リナ ♀ 【MACOK】

種族:ヒューマン

魔法属性:闇属性

固有スキル:「分解」「執着」

魔法陣:「締縄魔法陣」「高速魔法陣」「音魔法陣」

光:見習い魔法1

闇:応用魔法6 

炎見習い魔法:1

水:見習い魔法1 

風:見習い魔法1 

土:見習い魔法1

•••••••••• 


「教授、準備が整いました。急いでください!」

「おや、すっかり助手気分ですね…。」

「どうせなら、楽しまないと損でしょ!」

「まあ、ポジティブなことは良いことです…。」


「レオン、後のことは任せましたよ!」

「分かりました。行ってらっしゃいませ!」

レオンは深々と頭を下げたが、顔は完全に死んでいた。


「これで、しばらく自由に動ける…。」

そう呟いて、作業を淡々と進めていった。


【MACOK】の通常の任務は、暗殺や窃盗がほとんどだった。

メルギド博士が、どこからともなく請け負った依頼を順次こなしていくだけだった。


その頃には、レオンも空間魔法陣の秘密も明かされて、自由に他の場所へも移動できるようになっていた。


•••••••••

レオン ♂ 【MACOK】

種族:ヒューマン

魔法属性:闇属性

固有スキル:「分解」「隠蔽」

魔法陣:「空間魔法陣」「金属魔法陣」「岩石魔法陣」

    「召喚魔法陣」「音魔法陣」

光:見習い魔法2

闇:応用魔法5

炎:見習い魔法3

水:見習い魔法3

風:見習い魔法2

土:見習い魔法3

•••••••••


暗殺術のトレーニングは、欠かすことができない。だが、このおかげで体力的にも精神的にも強くなっていった。


ただ、任務をこなすほど、人間ではなくなっていく気がしていた。


「任務完了。まだ、盗みの方がましだな…。」

そんなひとりごとを言っていた。


博士は、適当に相づちを打った。

「いつものことだ…。」


レオンは、完全に生きる屍のようになっていた。


「レオン、次の任務ですが、フィラルティア公国の最高機関の議長、エリスの暗殺です。」

「了解しました…。」

「くれぐれも失敗のないように頼みますよ!」

「お任せください…。」


レオンの顔は泥沼のような暗いオーラを放っていた。

次回 影の契約:運命を変える者

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