囚われの遊戯:魔刻印者たちの試練
「では、遊戯の時間です!」
静寂を切り裂くように、メルギド博士の声が放送で響き渡った。
ガシャン…キーーー!
レオンとリナの牢屋の鍵がひとりでに解放された。同時に、隣の牢屋の鍵も開いたようだった。
「皆さん、そこから出てください!遊戯の時間です!」
メルギド博士の楽しそうな声がまた流れてきた。レオンたち四人は、近くの大きめの部屋へと通された。
「これから、あなたたちは、ここで…。」
「まさか…。」
「嫌だ!」
「やめて!」
「くそ!」
「これから、あなたたちは、ここで共同生活をしてもらいます!」
「ええ!?」
「共同生活!?」
「はあ…。」
「なあーんだ…。」
•••••••••
何がしたいんだ…。てっきり、一人になるまで殺しあえとか言われるかと思った…。まあ、今はよしとするか…。
•••••••••
「でも、よかった、殺し合いとかじゃなくて…。」
「本当だよ。俺はマルク!」
「うちは、カリン!」
「僕は、レオンだ。よろしく!」
「私は、リナです!メルギド博士がただ共同生活させるだけなんてことはあり得ないから、注意してね…。」
リナは、不気味に微笑んだ。
「僕もそう思う!」
「うん。」
「そうだな…。」
「とは言え、何もしないわけにもいかないから、周りを手分けして探索してみようか?」
レオンが提案した。
「分かった、俺とカリンでこっちを見るよ!」
「お願い!」
周りを探索した結果、中心の大きな部屋を取り囲むように六つの部屋があり、それぞれにトイレとお風呂も付いていた。
平屋のアパートのような造りだった。驚きなのは外へも通じる道が続いているようで、自由に出入りできそうだった。
「これって、逃げれるんじゃないかな?」
マルクが小声で言った。
「そうよね!」
カリンが嬉しそうに同調した。
「いや、絶対に罠に決まっている!」
レオンがそう断言すると、
「そう、私たち【MACOK】は、メルギド博士の言うなりになるしか、生きる道はないのよ!」
リナが説得するように言った。
「お前らは、ここで遊びに付き合ってな!俺はこのチャンスを逃す気はない!」
「そうよね…。」
マルクとカリンが、そう言って周りに落ちていたリュックに使えそうな物や食料を詰め始めた。二人は出口へと続く道へ走り出した。
「待ちなさい!」
リナが二人を制止しようとした瞬間、マルクとカリンの身体が凍りついたように動かなくなった。
「ああ、遅かった…チッ!」
リナが舌打ちをした。
「ああ、身体が動かない…。」
「嫌よ!助けて!」
マルクとカリンが動けずにもがいている。
「あなたたちは、本当にバカですね…嘆かわしい…。」
また、放送が流れてきた。
「ちなみに、レオンとリナは合格です!」
「二人はどうなるんですか?」
レオンが質問した。
「もちろん、死んでもらいます!魔力の吸収量も限界のようですしね…。」
「魔力の吸収量には、限界があるんですか?」
「おっと、しゃべり過ぎましたか…。」
「レオン、今は…。」
リナがレオンを制止した。
「では、実験と行きましょうか?」
メルギド博士が楽しそうに言った。
次回 闇の試練:刻まれた運命の代償
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