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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン2 【聖域巡礼編】(闇の神殿)

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闇の神殿、最後の試練

「ハーベル、神器を試してみたら!」

リーフィアが目を輝かせながら言った。


「じゃあ、二人とも俺につかまって!」

ハーベルがそう言うと、クラリッサとリーフィアは彼にしがみついた。


「零式!」

空間を切り裂くようにハーベルが手を振ると、目の前に亀裂が生じ、異なる景色が覗く。


「あ…転移魔法じゃないから、つかむ必要なかったですね…。」

クラリッサとリーフィアは気まずそうに身なりを整えた。


「オホン…。」

リーフィアが咳払いをし、先に亀裂の中へと足を踏み入れる。クラリッサも続いた。


「すごい神器だね!」

ハーベルが亀裂をくぐると、背後の空間が自然に閉じた。


「術者が最後に通ることで確実に閉じる仕組みみたいね。でも、イメージさえできれば距離の制約がないなんて驚きだわ!」

「でも、設定次第で誰でも使えるテルミットの方が、利便性では上かも!」

ハーベルはテルミットを取り出して見せた。


「ありがとう、ハーベル!」

リーフィアが嬉しそうに微笑んだ。


「ちょっと相談があるの!」

リーフィアが急に真剣な表情をした。


「次のボス戦が終わったら、闇の神殿の攻略はここまでにしようと思うの!」

「了解しました!」


「そうなると…クラリッサはどうする?」

「郷に帰るの?」

「いいえ、しばらく戻る気はありません!師匠たちについていきます!」


「そう、嬉しいこと言ってくれるわね!」

リーフィアが優しくクラリッサを抱き寄せた。


「じゃあ、明日がラストアタックね!」

「うん?」

クラリッサが首をかしげた。


「そういえば、クラリッサに聞きたいことがあるんだった!」

ハーベルが思い出したように言った。


「何ですか?」

「ダークエルフなら知ってるかもしれないと思って…召喚の仕方って分かる?」


クラリッサの表情が険しくなる。


「召喚ですか…あまりおすすめしませんが、一般的には魔法陣を介して行われます!術者一人では魔力量が足りないことがほとんどなので、数名から数十名で行うこともあります!」


「召喚対象にもよりますが、生け贄や供物を要求されることが多いです!術者の命を奪うこともあるので、十分な注意が必要です…。」

クラリッサは嫌そうな顔をした。


「それじゃ…魔法陣を詠唱や魔力なしで発動させることは?」

「ああ…【魔法陣使い】の話ですね!基本的には無理ですが、何らかの方法で他人の力を奪うことができれば、可能かもしれません!」

クラリッサは含みを持たせた言い方で話を終えた。


「ところで、聞き慣れない言葉や道具がたくさんあって、気になっていたんですけど…。」

クラリッサが不思議そうに言った。


ハーベルが師匠に目で合図を送る。


「そうね…。」

リーフィアは、これまでの経緯と自分たちが転生者であることを詳しく説明した。


「俺は一度見たスキルを獲得する力があるんだ!」

「ってことは…『蘇生』スキルも?」

「ああ、見習いだけど、ネクロマンシーも使えるはずだ!」


クラリッサが寂しそうに俯く。

「私は…もう必要ないのですね…。」


「違うんだ!」

ハーベルは慌ててクラリッサに訴えた。


「いろいろできるからって、一人でどうにかなるわけじゃない!師匠とクラリッサが俺にそれを教えてくれたんだ!俺のすべてを知った上で、それでも一緒に戦ってほしい!」


「じゃあ…ついていってもいいの?」

「もちろん!むしろ、こっちからお願いしたいくらいだ!」


「ありがとう…!」

「こちらこそ!」


二人は固く握手を交わした。その上に、リーフィアがそっと両手を重ねる。


「これで、一件落着ね!」


次回 医術師見習いとネクロマンサー見習いの挑戦

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頑張って続きを書いちゃいます!

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