ダークエルフの戦略:ネクロマンサーが導く冒険
「でも、さっきのランクを言うのはかっこいいから、今度から真似させてもらおっと!」
ハーベルが満面の笑顔で楽しげに言った。
一方で、クラリッサはまだ無詠唱でウォーターが使えたことを信じられない様子だった。
「あと、ハーベルたちの魔力量って異常に多くないですか?」
好奇心が湧いたように、クラリッサが真剣な表情で質問する。
「クラリッサ、魔力量ってどうやって増えると思う?」
リーフィアが少し微笑みながら問いかけた。
「成長と共にでしょ?だから、私たちダークエルフは長寿でたくさんの魔力を使えるのよ!」
「それが、違うんだな!」
ここぞとばかりにハーベルがドヤ顔を作る。
「実は、魔力は増やせるのよ!」
「いやいや、さすがに師匠でもそれは信じられません……でも、あなたたちの魔力量を見ると、あながち嘘とも言い切れないか……。」
クラリッサは困惑した表情でリーフィアとハーベルの顔を交互に見た。
「にわかには信じられないでしょうけど、無詠唱で魔法を使い続けると、少しずつだけど魔力量が増えるのよ。」
「ええ、そんな……。」
常識を覆す発言に、クラリッサはダークエルフとしての長寿や魔力に対する信念が揺らぎ始めた。
「だから、私たちは常に無詠唱で魔法を使い続けているのよ。」
「そう、俺は薄いバリアで身体を常に覆っているんだ!」
ハーベルが自慢げにバリアを解除して見せると、淡く光るフィールドが消えた。
「そんな……。」
クラリッサの頭の中では常識が次々と崩れていき、彼女は目を見開きながら言葉を失った。
この時、ハーベルは密かにクラリッサの「蘇生」スキルも統合して学び取っていた。彼のスキルセットはさらに多彩なものとなり、ネクロマンシーさえも使えるようになっていた。
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ハーベル ♂ 【医術師見習い】
【ネクロマンサー見習い】
種族:ヒューマン
武器:【シックスセンス】【海賊ナイフ】
魔法属性:全属性
固有スキル:「統合」
「破壊」「精製」「合成」「構築」「解析」「分解」
獲得スキル:「設定」「把握」「毒耐性」「召喚」「魔法陣」「ライブラリー」「分離」「蘇生」
光:上級魔法9 神聖:応用魔法6
闇:上級魔法7 虚空:応用魔法4
炎:上級魔法7
水:上級魔法8
風:上級魔法8 雷鳴:応用魔法5
土:上級魔法8
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クラリッサの戦闘スタイルは、まず手頃な魔物を倒し、その死体をネクロマンシーで復活させて仲間に加えるというものだった。復活した魔物たちが先導し、クラリッサはそれをサポートしていく。このスタイルは彼女の個性を象徴する戦術だった。
「クラリッサ、分かったわ、ありがとう!」
リーフィアが微笑みを返す。
⭐☆☆☆☆☆☆⭐
ハーベルがネクロマンサー見習いとなったことで、彼は新たな視点を得た。魂には形があり、それを見ることができることを発見したのだ。
ネクロマンシーで操られる魔物には「魂」が存在しないため、術者がいなければ維持できない。術者が魔力の供給を止めると魔物は朽ち果てる。この現象は具現化の魔法にも似ていると感じられた。
また、魂は人によって形や色、濃さが異なり、それぞれが独自の特徴を持っていることも分かった。しかし、それが何を意味するのかは、まだハーベル自身も理解していなかった。
ちなみに、リーフィアの「魂」は白く薄い色をしたダイヤモンドのような形で、どこかはかなげな印象を与えた。
クラリッサの「魂」は濃い黒色のハート形で、その存在感は力強く、独特の魅力を放っていた。
一方で、ハーベル自身の「魂」は黄金の強い光を放っており、リーフィアと同じくダイヤの結晶のような形をしていた。
⭐☆☆☆☆☆☆⭐
「では、このまま55階層を目指しましょう!」
リーフィアが軽快に言うと、クラリッサとハーベルも力強く頷いた。
「このパーティーなら、スムーズに進んで行けそうね!」
「クラリッサのネクロマンシーで先導してもらって、弱った敵を俺が攻撃する。サポートはクラリッサと師匠にお願いする感じですか?」
ハーベルが提案する。
「そうね!」
リーフィアもそれに賛同した。
ハーベルが密かにネクロマンシーを使えるようになっていることにリーフィアも気づいていたが、何も言わず黙って見守っていた。
次回 漆黒の翼と邪神の遺産
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