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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン2 【聖域巡礼編】(闇の神殿)

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闇属性の魔術師:クラリッサの新たなる旅路

ハーベルたちは、クラリッサを助けるために闇の神殿の45階層へと足を踏み入れていた。


「あれは!師匠!」

ハーベルが叫んだ。

「クラリッサ!」

リーフィアが一人踞っているクラリッサに声をかける。


ハーベルがクラリッサに近づこうと駆け出した。


「ハーベル、来ないで!」

クラリッサが怒鳴るように叫ぶ。


「クラリッサ、大丈夫だよ!」

ハーベルは優しく声をかけながら近づくと、


「私は、あなたたちを傷つけたくないの!」

クラリッサが手で制止する仕草をする。


「クラリッサ、俺たち仲間だろ?いや、家族みたいなものだろ!」

ハーベルの悲しそうな瞳をみて、リーフィアも眉を潜めた。


「クラリッサ、あなたの呪いは何なの?」

リーフィアが優しく尋ねる。


「親しい人に触れると石に変えてしまうのです!」

「ええ…。」

ハーベルは言葉を失った。


「でも、それって触れなければ大丈夫なんでしょ?」

「ええ…。触れなければ…。問題はないはずですが……。」

クラリッサはうつむいて涙をポロポロと流している。


「じゃあ、触れずにいれば、一緒に攻略できるじゃないか!」

ハーベルはクラリッサを説得しようと試みる。


「万一、触れてしまったらと思うと…。」

「そんなの俺が何とかしてやる!」

ハーベルが少しずつ近づくと、


「いいの?」

涙に濡れたクラリッサの顔がハーベルたちを見上げる。


「もちろん!」

ハーベルとリーフィアが優しく微笑んでいた。


こうして、クラリッサの説得に成功したハーベルたちは、再び一緒に闇の神殿の攻略を進めることになったのだった。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


46階層は迷路のような構造であったが、ハーベルの「把握」スキルが二人を安全に導いたため、迷うことはなかった。進んだ先で現れたのは、ダークウルフだった。


クラリッサは前に進み、ダークウルフに向けて魔法を唱え始めた。


「光と風の精霊に感謝します。雷鳴の光、暴風の力、ダークウルフの自由を奪え!

雷鳴:第4応用魔法!パラライズ!」


雷鳴が轟き、ダークウルフは痺れて動きを止めてしまう。


「ネクロマンシー!」

クラリッサが続けて詠唱すると、ダークウルフはぐったりしたかと思うと再び立ち上がり、操られるような姿になった。


「クラリッサ!カッコいい!」

ハーベルは彼女の魔法の力とフル詠唱に感動し、目を輝かせた。


「久しぶりにフルで詠唱を聞いたわ!」

リーフィアも微笑みながら褒めた。


「ええ、皆さん詠唱しないんですか?」

クラリッサは首をかしげる。


「実は最近はかなり破棄されているのよ……。」

リーフィアが少し苦笑いを浮かべながら説明する。


「詠唱破棄ですか……。」

「さっきの詠唱、真似していい?」

「ええ、もちろんです!」

クラリッサは嬉しそうに答えた。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


クラリッサはハーベルとリーフィアに詠唱について詳しく教える。


「一応、詠唱には決まりがあって、始めに属性の精霊に感謝を捧げます。その後に属性ごとの効果を付け加え、相手の名前を告げる。ここは分からなければ無くても構いません。さらに、魔法の効果を付け加えて、魔法のランクと魔法名を詠唱します。」


「そうだったんだ……学院でも、そんなこと全く教えてくれなかったよ……。」

ハーベルは驚きながら答えた。


リーフィアがさらに補足する。

「詠唱を順序よくするのは、魔法の発動を体で感じ、効果を確かなものにする準備のようなものなのよ!」


「私からすると、何で魔法名だけで発動するかの方が不思議ですけど……。」

クラリッサが不思議そうに言いながら思案する。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


ハーベルが新しいテーマを持ち出した。

「そっか、イメージの問題か……。」


「そうね……。」

「じゃあ、現代の人は知らず知らずにイメージを使っているんだね!」


「そういうことになるわね!」


クラリッサはさらに突っ込みを入れる。

「さっきから言っているイメージって何ですか?」


ハーベルはにっこり微笑むと袋からコップを取り出し、クラリッサに渡した。


「クラリッサ、ちょっとこのコップを持って!そのコップの中に水を出してみて!」


「水の精霊に感謝します。天の恵み、水よ湧け!

水:第1見習い魔法、ウォーター!」


クラリッサが詠唱をすると、コップに水が出現した。


「それで?」

クラリッサは首をかしげながらハーベルを見つめる。


ハーベルはその水を飲み干すと、次の指示を出す。


「じゃあ、今度は詠唱を声に出さずに、このコップの中に水がある絵を思い浮かべてみて!」


クラリッサは真剣にイメージを作る。


「ああ、水が入ってる……ええ!」

彼女が驚きの声を上げる。


「これが、イメージなんだよ。」

「もしかして、今、私、詠唱を破棄した?」

リーフィアが頷く。


「そういうことね!」


クラリッサは呆然とした顔で呟いた。

「ええ、無詠唱……。」


その新しい可能性に気づいた彼女の表情には、驚きと感動が交差していた。

次回 ダークエルフの戦略:ネクロマンサーが導く冒険

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