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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン2 【聖域巡礼編】(闇の神殿)

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ネクロマンサーと医術師見習いの奇妙な関係

クラリッサは朝の光を両手を広げて浴びながら、透き通る空気を思いっきり吸い込み、静かに吐き出した。その瞳には喜びと解放感が溢れているようだった。


••••••••••

クラリッサ ♀ 【ネクロマンサー】

種族:ダークエルフ

魔法属性:闇属性

固有スキル:「分解」「蘇生」

光:応用魔法5

闇:究極魔法10

炎:応用魔法5

水:応用魔法5

風:応用魔法5

土:応用魔法5

•••••••••• 


朝食の場で、クラリッサは様々な話をしてくれた。彼女が50年前に探しに来た「あるアイテム」とは、なんと【虫の知らせ】だったという、少し可笑しくも呆れるような話や、彼女がネクロマンサーであることも含まれていた。


ネクロマンサーとしてのクラリッサの能力は非常にユニークだ。「分解」と「蘇生」を駆使し、魔物などの死体を操る力を持つが、その「蘇生」スキルは真の意味で生き返らせるものではない。術者から離れれば死体は朽ち果てるため、あくまで一時的なものだと説明した。


「クラリッサが、もし35階層に行けたとしても、たぶんそこで諦めていたと思うよ。」

ハーベルが突然そう呟いた。


「どうして?」

クラリッサが目を丸くする。


「言いたくない……。」

「ハーベルに同意……。」

リーフィアも短く答え、それ以上の説明を拒んだ。


クラリッサはその様子を見て察し、別の話題に切り替えた。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


「私はネクロマンサーなんだけど、ハーベルの職業は?」

「俺は、医術師見習いです……。」

「ハーベルは医術師を目指しているの?」

「はい!」


クラリッサはテーブルに座り込むと、ハーベルのステータスを見て驚愕した。


「それにしては、ステータスがメチャクチャじゃない?」


••••••••••

ハーベル ♂ 【医術師見習い】

種族:ヒューマン

武器:【シックスセンス】【海賊ナイフ】

魔法属性:全属性

固有スキル:「統合」

「破壊」「精製」「合成」「構築」「解析」「分解」

獲得スキル:「設定」「把握」「毒耐性」「召喚」「魔法陣」「ライブラリー」「分離」

光:上級魔法9 神聖:応用魔法6

闇:上級魔法7 虚空:応用魔法4

炎:上級魔法7

水:上級魔法8

風:上級魔法8 雷鳴:応用魔法5

土:上級魔法8

•••••••••• 


「全属性って……本当にいるんだね……100年以上生きてるけど、見たことなかった。まあ、50年は幽閉されてたけど……。」


クラリッサが感心して呟くと、ハーベルはふと真剣な顔になる。


「そういえば、【魔方陣使い】って聞いたことない?」


その問いにクラリッサは微妙な表情を浮かべた。


「聞いたことはあるけど、ろくなことを聞かないわねえ……マコクだか何とかっていう奴隷を連れて、悪さをする連中でしょ?」

「詳しいですか?」


「いいえ、それ以上のことは……。」

「その話ってどこで聞いたんですか?」


「ええっと、確か龍人族の郷だったかな……。」

「そうか……ありがとう。」


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


その後、リーフィアが気を利かせてクラリッサに話題を振った。


「それはそうと、クラリッサ、これを渡しておくわね!」

「これは?」


「テルミットという魔道具よ!」

「これが、また凄いんだよ!」

ハーベルがまたドヤ顔を見せつける。


リーフィアが一通り使用法を説明すると、クラリッサは目を輝かせた。


「見たことないものばかりで、お二人とも凄いですね!」


「この家はハーベルが作ったのよ!」

「ええ、家も建てられるんですか!?本当に……?」

クラリッサは驚きつつも、ハーベルを尊敬するような眼差しを向けていた。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


朝食を食べながら三人は賑やかに語り合った。


「師匠!私には料理を教えてください!」

「分かったわ……。」


「いや、師匠の食事は本当に美味しいんですよ!」

クラリッサは満面の笑みでその感動を熱弁していた。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


新しい生活が始まってまもなく、クラリッサはふと自分の手に視線を落とした。すると、彼女の手の甲に浮かび上がった奇妙な紋様が、鈍い光を放ち始めた。

「嘘……。」

クラリッサの顔から血の気が引いていく。


その紋様は、呪いが発動する前兆だった。彼女が故郷を追われる原因となった呪いは、「親しい人と触れ合うと、呪いの効果が発動し、触れた相手を石に変えてしまう。」という恐ろしいものだった。


「クラリッサ、どうかしたか?」

クラリッサの異変に気づいたハーベルが、心配そうに声をかける。その瞬間、彼女は必死に手を隠した。

「なんでも、ありません……。」

震える声で答えるクラリッサに、ハーベルは首をかしげる。


その夜、クラリッサは一人、自室にこもった。


手の甲の紋様は、さらに強い光を放ち、彼女の心を締め付けていく。

「また、この呪いが発動するなんて……。」

クラリッサは、故郷を離れる直前、最愛の父と母に抱きついたことを思い出す。その瞬間、二人は動かない石像になってしまった。その光景を思い出すたびに、彼女の胸は張り裂けそうになる。


「もう二度と、大切な人を傷つけたくない……。」


翌朝、ハーベルとリーフィアがクラリッサの部屋を訪れると、そこはもぬけの殻だった。机の上には、一枚の手紙が置かれていた。


••••••••••

ハーベル、リーフィア師匠へ


突然のことで申し訳ありません。

私は、あなたたちと一緒にいることができません。

私の呪いは、大切な人を傷つけてしまうからです。


呪いを解くためには、ダークエルフの郷に伝わる秘宝である、「蛇眼のサークレット」というアイテムが必要なのです。

今は闇の神殿のどこかにあるはずですが………。


あなたたちを危険に晒すことはできません。

どうか、私を探さないでください。


短い間でしたが、楽しかったです。

今まで、本当にありがとうございました。


クラリッサより

••••••••••


「そんな……。」

手紙を読んだハーベルは、呆然と立ち尽くす。

リーフィアもまた、悲しみに打ちひしがれていた。


「やっぱり、呪いの効果が発動していたのね……。」

リーフィアは静かに呟く。

ハーベルは、涙をこらえながら拳を握りしめた。


「クラリッサを助けに行こう!」

ハーベルの言葉に、リーフィアは頷く。

「そうね。この呪いを解くには、秘宝『蛇眼のサークレット』が必要。それは、闇の神殿の最奥に封印されている……。」

「俺が、絶対に手に入れてやる!」

ハーベルは、決意に満ちた表情でリーフィアを見つめる。


「クラリッサが一人で苦しんでいるんだ。俺が、俺たちが助けてやらなきゃいけないんだ!」

リーフィアは、ハーベルの熱い想いに心を打たれる。


「そうね……私も、クラリッサを助けたい!」

二人の決意は固まった。


クラリッサを救うため、そして呪いを解くために、彼らは危険な闇の神殿の最奥に挑むことを決意したのだった。

次回 闇属性の魔術師:クラリッサの新たなる旅路

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頑張って続きを書いちゃいます!

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