ネクロマンサーと医術師見習いの奇妙な関係
クラリッサは朝の光を両手を広げて浴びながら、透き通る空気を思いっきり吸い込み、静かに吐き出した。その瞳には喜びと解放感が溢れているようだった。
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クラリッサ ♀ 【ネクロマンサー】
種族:ダークエルフ
魔法属性:闇属性
固有スキル:「分解」「蘇生」
光:応用魔法5
闇:究極魔法10
炎:応用魔法5
水:応用魔法5
風:応用魔法5
土:応用魔法5
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朝食の場で、クラリッサは様々な話をしてくれた。彼女が50年前に探しに来た「あるアイテム」とは、なんと【虫の知らせ】だったという、少し可笑しくも呆れるような話や、彼女がネクロマンサーであることも含まれていた。
ネクロマンサーとしてのクラリッサの能力は非常にユニークだ。「分解」と「蘇生」を駆使し、魔物などの死体を操る力を持つが、その「蘇生」スキルは真の意味で生き返らせるものではない。術者から離れれば死体は朽ち果てるため、あくまで一時的なものだと説明した。
「クラリッサが、もし35階層に行けたとしても、たぶんそこで諦めていたと思うよ。」
ハーベルが突然そう呟いた。
「どうして?」
クラリッサが目を丸くする。
「言いたくない……。」
「ハーベルに同意……。」
リーフィアも短く答え、それ以上の説明を拒んだ。
クラリッサはその様子を見て察し、別の話題に切り替えた。
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「私はネクロマンサーなんだけど、ハーベルの職業は?」
「俺は、医術師見習いです……。」
「ハーベルは医術師を目指しているの?」
「はい!」
クラリッサはテーブルに座り込むと、ハーベルのステータスを見て驚愕した。
「それにしては、ステータスがメチャクチャじゃない?」
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ハーベル ♂ 【医術師見習い】
種族:ヒューマン
武器:【シックスセンス】【海賊ナイフ】
魔法属性:全属性
固有スキル:「統合」
「破壊」「精製」「合成」「構築」「解析」「分解」
獲得スキル:「設定」「把握」「毒耐性」「召喚」「魔法陣」「ライブラリー」「分離」
光:上級魔法9 神聖:応用魔法6
闇:上級魔法7 虚空:応用魔法4
炎:上級魔法7
水:上級魔法8
風:上級魔法8 雷鳴:応用魔法5
土:上級魔法8
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「全属性って……本当にいるんだね……100年以上生きてるけど、見たことなかった。まあ、50年は幽閉されてたけど……。」
クラリッサが感心して呟くと、ハーベルはふと真剣な顔になる。
「そういえば、【魔方陣使い】って聞いたことない?」
その問いにクラリッサは微妙な表情を浮かべた。
「聞いたことはあるけど、ろくなことを聞かないわねえ……マコクだか何とかっていう奴隷を連れて、悪さをする連中でしょ?」
「詳しいですか?」
「いいえ、それ以上のことは……。」
「その話ってどこで聞いたんですか?」
「ええっと、確か龍人族の郷だったかな……。」
「そうか……ありがとう。」
⭐☆☆☆☆☆☆⭐
その後、リーフィアが気を利かせてクラリッサに話題を振った。
「それはそうと、クラリッサ、これを渡しておくわね!」
「これは?」
「テルミットという魔道具よ!」
「これが、また凄いんだよ!」
ハーベルがまたドヤ顔を見せつける。
リーフィアが一通り使用法を説明すると、クラリッサは目を輝かせた。
「見たことないものばかりで、お二人とも凄いですね!」
「この家はハーベルが作ったのよ!」
「ええ、家も建てられるんですか!?本当に……?」
クラリッサは驚きつつも、ハーベルを尊敬するような眼差しを向けていた。
⭐☆☆☆☆☆☆⭐
朝食を食べながら三人は賑やかに語り合った。
「師匠!私には料理を教えてください!」
「分かったわ……。」
「いや、師匠の食事は本当に美味しいんですよ!」
クラリッサは満面の笑みでその感動を熱弁していた。
⭐☆☆☆☆☆☆⭐
新しい生活が始まってまもなく、クラリッサはふと自分の手に視線を落とした。すると、彼女の手の甲に浮かび上がった奇妙な紋様が、鈍い光を放ち始めた。
「嘘……。」
クラリッサの顔から血の気が引いていく。
その紋様は、呪いが発動する前兆だった。彼女が故郷を追われる原因となった呪いは、「親しい人と触れ合うと、呪いの効果が発動し、触れた相手を石に変えてしまう。」という恐ろしいものだった。
「クラリッサ、どうかしたか?」
クラリッサの異変に気づいたハーベルが、心配そうに声をかける。その瞬間、彼女は必死に手を隠した。
「なんでも、ありません……。」
震える声で答えるクラリッサに、ハーベルは首をかしげる。
その夜、クラリッサは一人、自室にこもった。
手の甲の紋様は、さらに強い光を放ち、彼女の心を締め付けていく。
「また、この呪いが発動するなんて……。」
クラリッサは、故郷を離れる直前、最愛の父と母に抱きついたことを思い出す。その瞬間、二人は動かない石像になってしまった。その光景を思い出すたびに、彼女の胸は張り裂けそうになる。
「もう二度と、大切な人を傷つけたくない……。」
翌朝、ハーベルとリーフィアがクラリッサの部屋を訪れると、そこはもぬけの殻だった。机の上には、一枚の手紙が置かれていた。
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ハーベル、リーフィア師匠へ
突然のことで申し訳ありません。
私は、あなたたちと一緒にいることができません。
私の呪いは、大切な人を傷つけてしまうからです。
呪いを解くためには、ダークエルフの郷に伝わる秘宝である、「蛇眼のサークレット」というアイテムが必要なのです。
今は闇の神殿のどこかにあるはずですが………。
あなたたちを危険に晒すことはできません。
どうか、私を探さないでください。
短い間でしたが、楽しかったです。
今まで、本当にありがとうございました。
クラリッサより
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「そんな……。」
手紙を読んだハーベルは、呆然と立ち尽くす。
リーフィアもまた、悲しみに打ちひしがれていた。
「やっぱり、呪いの効果が発動していたのね……。」
リーフィアは静かに呟く。
ハーベルは、涙をこらえながら拳を握りしめた。
「クラリッサを助けに行こう!」
ハーベルの言葉に、リーフィアは頷く。
「そうね。この呪いを解くには、秘宝『蛇眼のサークレット』が必要。それは、闇の神殿の最奥に封印されている……。」
「俺が、絶対に手に入れてやる!」
ハーベルは、決意に満ちた表情でリーフィアを見つめる。
「クラリッサが一人で苦しんでいるんだ。俺が、俺たちが助けてやらなきゃいけないんだ!」
リーフィアは、ハーベルの熱い想いに心を打たれる。
「そうね……私も、クラリッサを助けたい!」
二人の決意は固まった。
クラリッサを救うため、そして呪いを解くために、彼らは危険な闇の神殿の最奥に挑むことを決意したのだった。
次回 闇属性の魔術師:クラリッサの新たなる旅路
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頑張って続きを書いちゃいます!




