闇の呪いを超えて:幽閉から自由を求めた魔女の決断
「クラリッサさん、着きましたよ!」
ハーベルは目を閉じたまま座り込んでいるクラリッサの肩を優しく叩きながら声をかけた。
「ええ、ここは……外?」
クラリッサは信じられないような表情で辺りを見回す。
森の木々の間を透き通る風が吹き抜け、クラリッサは新鮮な空気を深く吸い込んだ。その瞬間、彼女の目に一筋の涙が流れ落ちる。
「やっぱり、物理的に移動すれば魔法による呪いの効果は発動しないようね!」
リーフィアが安堵の笑みを浮かべながら言う。
「ですね!」
ハーベルも微笑みながらリーフィアに頷いた。
「ありがとうございます!」
クラリッサは突然ハーベルにしがみつき、感情を爆発させた。
「大丈夫ですよ!クラリッサさん、悪い人じゃなさそうだし、何とか助け出せて良かったです!」
ハーベルは泣きじゃくるクラリッサの肩を優しく叩いて慰める。
「それにしても、クラリッサさんの荷物はどうしますか?」
「ええっと……。」
ハーベルは笑顔で袋を広げると、目の前で立派な家を取り出して見せた。
「はあ!?」
クラリッサは口をあんぐり開け、信じられないように家を見つめた。
「魔法みたい……。」
「いや、だから魔法ですよ……。」
ハーベルは笑いながら言った。
クラリッサは呆気に取られながらも、ふと考え込んだ後、意を決して尋ねた。
「私も、一緒に住んでもいいですか?」
「ええ、一緒に?」
ハーベルはクラリッサの突然の提案に驚きつつも、次の瞬間にはにやりと悪い笑顔を浮かべた。
「師匠!弟子が増えましたよ!」
「いやいや、ダークエルフに師匠と言われても困るわ!」
リーフィアが微妙な顔をしながら反応する。
「いえ、師匠!お願いします!」
クラリッサは引かずに言い切った。
「ああ、もういいわ……。」
リーフィアはため息をつきながら折れてしまった。
「やった!クラリッサ、二番弟子おめでとう!」
ハーベルが茶目っ気たっぷりにクラリッサを祝福する。
「はい、ハーベルさん、ありがとうございます!」
クラリッサは本当に嬉しそうに笑った。
⭐☆☆☆☆☆☆⭐
新しい暮らしの始まりは温かな雰囲気に包まれていた。
「じゃあ、クラリッサ、この部屋を使って!」
「はい!」
「クラリッサの荷物も全部出しておくからね!」
「ありがとうございます!ハーベルさん!」
「いや、ハーベルでいいよ!」
「でも……ハーベル!」
「うん、クラリッサ、よろしく!」
ハーベルが握手を求めると、クラリッサも笑顔でその手を握り返した。
「クラリッサ、食事の準備を手伝ってくれる?」
「分かりました、師匠!」
クラリッサは嬉しそうにリーフィアの頼みに応じ、キッチンに向かった。
⭐☆☆☆☆☆☆⭐
その夜の夕食は、リーフィアとクラリッサの共同作業が光った。
「このデザート、美味い!」
「クラリッサが手伝ってくれたのよ!」
「さすが、クラリッサ!」
「いや、師匠のご飯が美味しすぎですよね……ねえ!」
クラリッサがハーベルに話しかけると、彼はドヤ顔で胸を張った。
「当たり前だろ!俺の師匠だぞ!」
「一生ついていきます!」
クラリッサは感動しながら夕食をたいらげた。
⭐☆☆☆☆☆☆⭐
その後、ハーベルはクラリッサに次の選択肢を提案する。
「これからクラリッサはどうするの?俺たちは修行に来てるから、そのまま神殿攻略に行こうと思ってるんだけど、手伝ってくれてもいいよ!」
「ハーベル、調子に乗りすぎ!」
リーフィアが厳しい表情で突っ込みを入れる。
「は~い……へへへ、怒られちゃった!」
ハーベルが少し照れくさそうに舌を出すと、クラリッサも笑いながら答える。
「もちろん、お手伝いします!」
クラリッサはついていく気満々で、次なる冒険の準備が静かに進められていった。
次回 ネクロマンサーと医術師見習いの奇妙な関係
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