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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン2 【聖域巡礼編】(闇の神殿)

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45階層の謎:魔女のシンボルが示すもの

ハーベルが気がつくと、リーフィアは呆然として座り込んでいた。


「師匠、大丈夫ですか。」

ハーベルがリーフィアの手を取って立ち上がらせると、彼女は顔を伏せたまま小さく頷いた。


「ハーベル、何があったの?何も覚えていないわ……。」

「無理もないです……。」


ハーベルは、蜂との戦いの経緯を手短に説明した。リーフィアは話を聞きながら、自分の非力さに唇を噛み締めた。


「ああ、ごめんなさい。足手まといで……蜂だけは、本当にダメなのよ……。」

「いいえ、しょうがないですよ……。」


「それより、家が燃えました……。」

「ああ、家が……。」

リーフィアは深く息を吐き、大切なログハウスを失ったことに対する喪失感に言葉を失った。


「まあ、家は俺がまた作ればいいですが……また、あれを見に行かないといけないのが……。」

「確かに……でも、行かないと、先に進めないし……。」

「ですね……。」


二人はしばらく黙り込み、失意の中で視線を交わすこともなかった。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


「俺は、この間に気晴らしに新しい家を作ります!」

「うん、お願いするわ!」


リーフィアは徐々に気力を振り絞り、料理の準備を始める。一方のハーベルは、新しい家のデザインに頭を巡らせた。


「今度の家は、石も金属も使ってもっとおしゃれにしてみようかな!」


彼は妄想を膨らませながら鼻歌交じりで作業を進めた。


「聖白石で土台を作って、金属で装飾品を作ろう。それから、お風呂も豪華に……。」


ハーベルのアイデアは次々と浮かび、手の中で新しい家が少しずつ形になっていく。


「残った銀で、食器も作っちゃうか!キッチンは聖白石と金属のシンクも、時空魔法を応用した冷蔵庫も完備だ!」


さらに、部屋数を増やし、ゲストルームや2階建て構造も追加するという細かい工夫を凝らした。


「できた!」

新築を元のサイズに戻してみると、それはまるで邸宅のように豪華だった。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


「うわーー!すごい家が完成したのね!」

リーフィアが目を輝かせながら食事を持ってきた。


「中へどうぞ!」

ハーベルがドアを開け、ダイニングキッチンへ彼女を案内する。


「最高!かわいいし、豪華になってる!キッチンも最高に使いやすそうね!冷蔵庫まであるなんて!」

リーフィアは嬉しさのあまりハーベルの腕に抱きついた。


「元気になって良かったです!」

ハーベルは笑顔を浮かべながら彼女の反応を喜んだ。


「食器もありますよ!それから、お風呂も見てください!」

ハーベルは家中を案内しながら、完成した新居の自慢を続けた。


「ハーベル、大好き!」

リーフィアが勢いよく飛びつく。


「俺も大好きです!師匠!」

ハーベルはその瞬間に感じた幸せを静かに胸にしまい込み、彼女の言葉に照れ笑いを浮かべた。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


「現実に戻りますが、あれを見に行かないと……。」

「そうね……。」


二人はテルミットを掲げ、新しい冒険に向けて準備を整えた。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


「じゃあ、開けますね……。」

ハーベルは躊躇しながらボス部屋の扉を開けた。


中には、燃え尽きて炭となったログハウスが静かに佇んでいた。


「ああ、ひどすぎる……。」

「ああ……。」

「宝箱か……もういいかな……。」

「でも、一応開けましょうか……。」

「そうですか……。」


ハーベルが適当に宝箱を開けると、たったひとつのアイテムが入っているだけだった。


「マジか……あんなに苦労して、大切なログハウスまで燃やしたのに、これだけ……。」

ハーベルは愕然と膝を崩してその場に座り込んだ。


「なにこれ……。」

彼が拾い上げたのは【虫の知らせ】というアイテムだった。


【虫の知らせ】

魔昌石で毒属性の魔素強化効果と、街が一つ入るくらいの範囲内で昆虫モンスターの侵入を防ぐ能力を持つ。また、昆虫モンスターが近づくと赤く光る仕掛けがある。虫嫌いの人には最適なアイテムだが、用途は限られている。


「マジで要らない……クズすぎる……。」

「要らないわね……。」

「師匠、虫嫌いでしょ!」

「ああ、しょうがないから一応もらっておくわ……。」


ハーベルはログハウスの失われたことと報われない結果に怒りを抱き始めた。


「このまま、45階層のボスまで殺っちゃう?」

「殺っちゃいましょう!」


二人は顔を見合わせ、決意を固めた。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


速攻で45階層のボス部屋まで到達した。


「ああ、これは……。」

「ああ、ちょっと考えるわ……。」

「ですね……。」


ボス寝屋のマークは、魔女のようなシンボルが刻まれていた。


「さすがに相手が人なのは勢いだけではいけないね……。」

「魔物なのか?人なのか?どっち?」

ハーベルはマークを見つめながら疑問を抱いた。


「一度戻って、作戦を練ってからにしましょ!」

「分かりました!」


二人はテルミットを掲げ、一旦作戦を立て直すことにした。

次回 闇魔導師との対決:知性が試される瞬間

続きの気になった方は、

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リアクションと⭐5もつけていただけると幸いです。

頑張って続きを書いちゃいます!

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