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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン2 【聖域巡礼編】(闇の神殿)

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黒い影の恐怖:師弟の絆が試される瞬間

「ハーベル、遅いわね…。何かあったのかしら?」

リーフィアは食事の準備をしながら心配そうにしていた。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


そのころ、ハーベルは闇の中にいた。


「偶然、ルミナス・レインの中に倒れ込んで助かった…。」

ハーベルはそう言うと、すぐに警戒態勢をとった。


「確かに、あの闇の中にさっきのデカイのがいる!」

ハーベルは鋭い眼差しで闇を睨みつけた。


•••••••••

あの素早さと力は相当だった。暗闇の中で戦うのは得策じゃないだろう。一度ストーン・ウォールを解除するか?それじゃ、闇に逃げられるだけか…。全滅がクリア条件なら、どちらにしても倒す必要がある。闇雲に攻撃してもあの素早さでは逃げられるか…。

•••••••••


ハーベルは闇の中で頭を巡らせながら考えていた。


「ラディアント・ジャベリン!」

ハーベルが数本の光の槍を闇の中へ放ったが、手応えはまったくなかった。


ゴクリ…。

ハーベルは大きく息を飲み込んだ。


すると、不意に背後から大きな黒い手がハーベルの首元へと延びてきた。


ハーベルがスッと振り向いた瞬間、その手は闇に紛れて消えてしまった。


「くそ!どこから手が出てくるかわからない…。」

ハーベルはあちこちを警戒しながら、じっと構え続けた。


「一回、明るい方へ出たいのに…。あの闇に入っちゃいけない気がする…。」

彼は迷いと恐怖を抱えながら、立ちすくむ。


「ルミナス・レイン!」

ハーベルは弱まった光の雨を立て直した。


ゴクリ…。


「どうする…。見えない敵がこんなに厄介とは…。」

闇の中で八方塞がりとなり、ハーベルの緊張は頂点に達していた。


ドキドキ、ドキドキ…。


「ああ、鼓動が早くなる…。早く倒したいのに…。方法が分からない…。どうしよう…。」

ハーベルは疲弊しきり、次第に考える力も失われていった。


そのとき、彼の背後にまた大きな黒い手が現れ、頭を鷲掴みにしようと迫ってきた。


「ハーベル!」

「ハッ!師匠!」


その黒い手は、リーフィアの声に反応するかのようにスッと引っ込んだ。


「どうしたの?」

「それが、闇の中に引きずり込まれて出られなくなっていたんです…。」


「ああ、ごめんなさい…。私がひとりにしたから…。私のミスね…。」

「いいえ、大丈夫です…。って、あんまり大丈夫じゃないです…。」

ハーベルは正直にリーフィアへ助けを求めた。


「分かったわ。今から少しずつ闇の範囲を狭めていくから、ハーベルはルミナス・レインを切らさないように周りを警戒していて!」

「分かりました!」


「コイツ、めちゃくちゃ早いので、闇に近づき過ぎないように注意してください!」

「了解よ!」


リーフィアは力強く応えると、


「ストーン・ウォール!」

石の壁を操り、闇の部分を少しずつ狭めていった。


「もう出られるんじゃない?」

「ああ、ありがとうございます!」


ハーベルは素早く影から転げながら外へと飛び出した。


「はあ、はあ…。アイツは、あの闇にいるはず…。」

そう言うと、その闇から大きな黒い両手を広げた狼のような影が現れ、ハーベルに飛びかかってきた。


ハーベルは思わず目を瞑り、かがみ込んだ。


「お前が、うちの弟子を!」

鬼の形相のリーフィアが、勢いよく影の頭をスタッフで串刺しにした。


影の狼はスーッと消え去り、闇もまた跡形もなく消えた。


「20階層クリアね…。ハーベル、本当にごめんなさい…。」

リーフィアは女神のような柔らかな表情でハーベルを抱き締め、そのまましばらく動けなかった。


次回 勇者と師匠の激闘:25階層の海賊王

続きの気になった方は、

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頑張って続きを書いちゃいます!

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