シックスセンスの輝き:神殿攻略への道
レッドベア亭を後にする朝方、看板娘のカヤが悲しそうな顔でハーベルの腕を掴む。
「ハーベルさん、もう行っちゃうの?」
「ああ、短い間だったけど、ありがとうね、カヤ!」
「うん、また来てね。」
そう言って、カヤはもう一度ハーベルの腕を引っ張る。
「さあ、行きましょ!」
リーフィアがそう言ってレッドベア亭のドアを開ける。
「じゃあ、ありがとう!」
ハーベルが爽やかな笑顔でカヤに手を振る。
「絶対、また来てね!」
カヤは大きな声でそう言いながら手を振り続けていた。
リーフィアとハーベルは、そのまま闇の神殿へと向かった。
⭐☆☆☆☆☆☆⭐
半日ほど北へ飛び続けると、遠くに古ぼけて崩れ落ちている神殿跡が見えてくる。
「あれですか?」
「ええ、以前来たときよりかなり崩れているみたいね…。」
リーフィアは崩れた神殿跡に降り立った。
「入り口は、どうにか大丈夫そうね…。」
「よかったです!」
ハーベルは降り立つと何やら準備を始めた。
「じゃあ、私はサポートに回るから、ハーベルの好きなように攻略していって!」
「了解です!」
「武器は、シックスセンスね!」
「はい、これなら杖のようにして魔法の強化にも使えますから!」
「なかなかいいものね!」
「はい、初めてのお宝で、みんなとの思い出も詰まっていますから!」
「思い入れのある武器は幸せよ!」
「そうなんですか?」
「ええ、大切にしてもらえるからね!」
「なるほど!」
「さあ、来たわよ!」
リーフィアが指をさす。
1階層は、薄暗い石の廊下がいろいろな方向へと続く迷路のようになっていた。
「ライト!」
ハーベルの前に金色の美しい光る玉が現れる。
デッドラットの群が襲いかかってくる。
「チェーン・ライトニング!」
ハーベルがシックスセンスを杖のように構えて詠唱すると、デッドラットの群は簡単に丸焦げになってしまう。
「強すぎたか…。」
「今のハーベルじゃ、この辺りではちょっと物足りないかもね…。」
「いいえ、いろいろ試してみたいんで!」
「なるほど!」
「リフレッシュ!」
リーフィアが魔力を回復してくれる。
「魔力量の心配はいらないから、どんどん試しなさい!」
「了解です!」
「ラディアント・バレット!」
ハーベルが詠唱すると、ゴースト系の魔物も一瞬で消滅してしまう。
「凄い威力ね!」
「そうなんですよ…。」
「これでも最低出力なんですが…。」
「光属性なうえにそのシックスセンスが上乗せしているせいで、通常攻撃でも上級魔法並みの威力になっているようね。」
「そういうことですね…。」
「まあ、どんどん進んで行きましょ!」
「はい!」
アンデッドの群がそこらじゅうから湧いてきた。
「セレスティアル・アローズ!」
ハーベルが詠唱すると、無数の光の矢がアンデッドたちを次々と薙ぎ倒していく。
「凄いわね…。魔昌石だけでもかなりの量よ…。」
「もうすでに15階まで降りてきましたけど、さすがに周りの雰囲気が変わってきましたね!」
「なるほど、ボスかしら?」
「そのようですね!門の上にドラゴンのマークが描かれていますね!」
「ドラゴンのボスか…。」
リーフィアが少し考え込む。
「把握!」
ハーベルが把握スキルで罠を調べてみたが、特には見当たらなかった。
「では、行ってみますか!」
「気をつけて!」
「分かりました!」
ハーベルがその扉を開けると、扉はものすごい勢いでひとりでに閉まり、開けて戻ることができなくなってしまった。
次回 閉ざされた扉の先で:始まりのボス戦
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