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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン2 【聖域巡礼編】(闇の神殿)

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ドラゴンの誓い:指輪と神器の物語

「さあ、もうそろそろ宿へ帰りましょうか。」

「はい、師匠。」


「ハーベル様、リーフィア様、お待ちください!」

二人が歩き出そうとしたところ、サルマン会長がわざわざ見送りに現れた。

「わざわざいいのに…。」

ハーベルがそう言うと、サルマン会長は深々と頭を下げながら答えた。

「いいえ、先ほどは助けていただいたにもかかわらず、ご無礼の数々、大変失礼しました。」


「もういいですよ。」

ハーベルは苦笑いしながら、会長の丁寧な謝罪を受け入れた。ふと思い出したように尋ねる。

「そう言えば、一つ聞いてもいいですか。【MACOK】や【魔法陣使い】という言葉に聞き覚えはないでしょうか。」

サルマン会長は少し首を傾げた。

「申し訳ありません。私は存じませんね…。しかし、もしかすると、この国の中央に位置する【国立魔法図書館】なら、何かお役に立つ情報があるかもしれません。」


「なるほど。図書館か…。ありがとうございます。」

ハーベルは丁寧にお辞儀をして感謝を伝えた。


「ところで、その袋はどんな魔道具なのですか。」

サルマン会長が興味津々で尋ねてくる。

「ああ、無限収納袋ですよ。」

ハーベルは何の気なしに答えた。


「私にも譲っていただくことは難しいでしょうか。」

サルマン会長が慎重な姿勢で頼み込む。

「ただとは申しません。この【ドラゴンヘッド】の指輪と交換していただけないでしょうか。」


隣にいた社員が慌てて釘を刺した。

「会長!さすがにそれはやりすぎでは!」

「バカもの!なんと失礼なことを!」


「別にいいですよ!なんか袋あります?」

ハーベルは気軽に応じ、袋を設定し始めた。

「サルマン会長、どうぞ。」

「おお、ありがとうございます!我が家の家宝にします!」


「では、この指輪を!」

サルマン会長は嬉しそうに指輪を差し出す。

「ありがとうございます!同じデザインでカッコいい!」

ハーベルは喜びながら右手の人差し指に指輪をはめた。


「師匠、どうですか。」

「うん、カッコいいわね。」

リーフィアは微笑みながら頷いた。


サルマン会長は、袋を大事そうに抱えながら二人を見送った。このとき、ただの袋が後に【神器】と呼ばれることになるとは、ハーベルには知る由もなかった。


「あ、さっきの袋、時間魔法かけるの忘れた…。」

「ああ、そのくらいが適当よ。あれでもお宝級なんだから。」

リーフィアは気づいていたものの、意図的に放っておいたのだった。


ちなみに、【ドラゴンハート】と【ドラゴンヘッド】が揃うと、すべての商業系店舗の利用が無料になる。宿泊も食事も買い物もすべてタダになるという、商人たちにとっては悪魔のような組み合わせだ。サルマン会長は、それを与えてでもあの【ただの袋】を手に入れたかったのだ。


もちろん、お連れの方も!


次回 ソーサリーエレメントの謎:魔法と帰還の旅

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