設定スキル:魔法の応用と冒険の序章
ヨッシュガルド王国から東へ120kmほど飛ぶと、交易国家アズール王国の第一都市である【トレードウィンド】の街並みが視界に入る。近代的な建物が並び、その明るい灯りは遠くからでもはっきりと確認できた。
ハーベルはその光景を目にし、思わず声を上げた。
「あそこが目的地ですね!」
彼は期待に満ちた表情で師匠リーフィアを見た。
リーフィアはゆっくりと首を振りながら答えた。
「ええ、でも先に調べておきたいことがあるの。一度下へ降りましょう」
「分かりました!」
ハーベルは即座に了承し、二人はホウキで一面緑色に染まる原っぱへと降り立った。
風が柔らかく吹き抜け、遠くには街の灯りがぽつりぽつりと輝いている。広がる大地の静けさに包まれながら、ハーベルは師匠に問いかけた。
「こんなところで何をするんですか?」
リーフィアは意味ありげに微笑む。
「ハーベルの今までの成果を見せてほしいの!」
ハーベルは頷き、真剣な表情で身を正す。
「なるほど、言える範囲でいいなら今使えるスキルと魔法をお見せします!」
リーフィアは腕を組みながら聞き入る。ハーベルは自身の能力を言葉にすることで整理しつつ、師匠に伝える。
••••••••••
ハーベル ♂ 【医術師見習い】
武器:【シックスセンス】
魔法属性:光属性
固有スキル:「解析」「統合」
獲得スキル:「分解」「把握」「毒耐性」「召喚」「魔法陣」
光:上級魔法8
闇:上級魔法7
炎:上級魔法7
水:上級魔法8
風:上級魔法7
土:上級魔法7
••••••••••
リーフィアはハーベルの言葉を一つ一つ噛み締めながら、感嘆の声を漏らした。
「なるほどね。すべて上級魔法まで覚えているなんて素晴らしいわ!しかもどうやってスキルを獲得しているのかは聞かないけど、後天的な方法があるようね!」
ハーベルは一瞬下を向いてしまうが、リーフィアはそれを気にする様子もなく優しい表情を浮かべて続けた。
「ああ、いいのよ!さて、今から私のスキル『設定』を使って見せるわね。まずはそのスキルを獲得してみて!」
ハーベルは驚きながらも声を上げる。
「ええ、いいんですか!?俺にそんな貴重なスキルを!」
リーフィアは微笑みながら頷いた。
「もちろん、あなたならきっと役立ててくれるはずよ!」
リーフィアは地面に落ちている手頃な石を拾い上げ、スキル『設定』を実演しながら説明を始めた。
「この石に左手で触れると赤色、右手で触れると青色に変化するように設定するわね」
彼女が実演して見せると、ハーベルは興味津々でその石を手に取った。触れてみると実際に色が変化するのを目の当たりにし、驚きの声を上げた。
「すごい技術ですね!獲得できました!」
しかし彼は突然フラッとし、魔力が大きく消耗された。
「凄い勢いで魔力が消費されたけど……まあ、大丈夫そうね!」
ハーベルは試しに両手で石に触れてみたが、何も起こらなかった。
「紫色になるかと思いましたが、何も起きないんですね!」
リーフィアは穏やかな表情で解説する。
「『設定』は決められたルールに従うだけで応用には向かないの。単純だけど奥が深いスキルよ!」
ハーベルは近くの石を拾い上げ、自分なりに「設定」スキルを試してみた。独り言をつぶやきながら作業を進め、ようやく完成した石をリーフィアに渡した。
「これを遠くへ投げてみてください!」
リーフィアが軽く投げると、石は地面に触れた瞬間、大爆発を起こした。
「ああ……やりすぎたみたいです……。」
リーフィアは少し呆れながらも微笑む。
「やり方はマスターしたみたいね。でも危ないものは作らないで!」
ハーベルは頭を下げながら反省する。
「了解です……師匠のご忠告に従います!」
その後、ハーベルは絨毯に「設定」を施し、3回叩くと1/10の大きさになり、5回叩くと元のサイズに戻るように設定した。リーフィアはその応用力に感心しながらも注意を促した。
「飛んでいるときは叩かないように気をつけてね!」
ハーベルはその助言を聞いて設定を修正し、浮遊中は効果が無効になるように調整した。リーフィアはその迅速な対応に驚き、満足そうに笑う。
「ハーベルは本当に面白い子ね!」
ハーベルは照れながら答えた。
「いいえ、師匠のおかげです!」
次回 属性の融合:新たな魔法の可能性
続きの気になった方は、
ぜひともブックマークをお願いいたします。
リアクションと⭐5もつけていただけると幸いです。
頑張って続きを書いちゃいます!




