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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン1 【王立魔法学院編】
6/85

転生医術師と魔法の真理

ところで、先程の魔法陣以外の件についてだが…


魔道具とは、「魔昌石」と呼ばれる魔素を多く含む宝石のような素材や、魔物の牙や骨を組み合わせて作られる品である。


形状は多様で、指輪やネックレスといった装飾品として使用されることもあるが、最も一般的なのは杖の形で加工されたものだ。杖は、魔力を増幅する媒介として使用され、魔法の威力を向上させるために広く用いられている。


魔道具に使われる魔昌石にもランクがあり、魔素を多く放出できるものほど高値で取引される。その中でも、特に魔昌石自体に魔力が宿るものは「精霊石」と呼ばれていた。


精霊石は各属性に対応したものが世界に一つずつ存在するとされ、【ソーサリーエレメント】という名で伝承に語られる。これを手にした者は強大な魔力を得て禁呪級の魔法を操る力を持つという。


伝承によれば、【ソーサリーエレメント】を得ることでこの世のすべてを手に入れることも夢ではないとされていた。


また、この世界で魔法を行使するためには「詠唱」が鍵となる。誰もが詠唱さえできれば魔法を使うことが可能であり、子供であっても呪文を唱えれば基礎的な魔法を行使できる。


ただし、魔力が不足している者には使用制限がかかるため、実際には年齢とともに増加する魔力量に比例して使える魔法も限られてくる。


しかし、この一般論は本当の事実を覆い隠している。


その真理に辿り着くことができたのは、この世界でただ一人、俺だけだ。


「俺の名前はハーベル、12歳の少年らしい。」

見知らぬ小綺麗な子供部屋で目を覚ました時、俺はその真理を思い出し始めていた。


「ここは……どこだ?」

部屋中を見回しながら、独り言のように呟く。そこは清潔で整理された空間だったが、どこか子供らしくない雰囲気が漂っていた。本棚には難解そうな本がぎっしりと並び、机の上には可愛らしいクマの絵が描かれた小物が一つだけ置かれている。


机の上の日記を開くと、彼――つまりこの身体の持ち主だった少年――の記憶が僅かに流れ込んでくる。俺の意識と共存する曖昧な記憶。それでも文字を読み、言葉を話すことには問題がなかった。


「一人称が俺なのか……少し慣れないな。」

そう独り言をいいながらも、この家についての情報を整理していく。ここは貴族ではないが裕福な家庭のようで、数名の使用人がいるらしかった。


元の世界で俺は、医学部を卒業し、インターンを終えて4月から医者としての人生を歩み出す予定だった。あの日、夜勤明けでホームに立っていた時までは――。


「そう、あの電車に……」

思い出すほどに込み上げる感情を押し殺し、現実を見据える。この新たな世界で俺は何をなすべきか。それを見極める必要があるのだ。

次回 光の継承:魔法学院の序章

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頑張って続きを書いちゃいます!

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