浮遊する絨毯!?と新たな冒険!
ハーベルはふと朝食の香りに気付き、布団から慌てて起き上がった。部屋中に漂う芳しいスープの匂いと、ほかほかの焼きたてパンの香りに誘われ、気持ちが晴れやかになる。
「ふぁー!師匠、おはようございます!」
彼は軽やかな足取りで食卓へ向かった。
「おはよう、ハーベル!」
リーフィアはキッチンから顔をのぞかせ、微笑みながら返事をした。
「食事が済んだら、旅の準備に取りかかるわよ!」
「はい!」
ハーベルは元気に返事をしながら席に着く。目の前に並べられた料理に驚きつつ、パンに手を伸ばした。
一口かじった瞬間、口いっぱいに広がる風味に彼は感動した。
「師匠!これは最高すぎます!」
パンを頬張りながら叫ぶハーベルに、リーフィアは満足そうに笑う。
「あらあら、そんなに気に入ってくれたなら嬉しいわ!」
実は、こちらの食事はスープの味は薄いし、パンもパサパサで決して美味しいと言えるものではなかった。しかし、その食事にすっかり慣れてしまっていたハーベルには、この食事は、何よりの御馳走だった。
「師匠!一生ついていきます!」
ハーベルは誇張しながらも真剣な表情でリーフィアに感謝を伝えた。
「大袈裟ね!」
リーフィアは軽く笑いながら紅茶を注いだ。
「ふー、満腹です!本当に最高でした。ごちそうさまでした!」
ハーベルは満足そうにお礼を言うと席を立つ。
「どういたしまして!」
リーフィアの表情もどこか嬉しそうだった。
リーフィアはふと真剣な顔になり、質問を投げかけた。
「ところで、医術師としての勉強の方はどうするつもり?」
ハーベルは頷きながら答える。
「はい、父が金貨を持たせてくれたので、旅の途中で医術書を買い揃えようと思っています!」
リーフィアはその言葉に感心しながら頷いた。
「本当にいいご両親ね!分かったわ、手頃な街で本を探しましょう!」
「はい!師匠、お願いします!」
ハーベルは師匠の協力に感謝しつつも、リーフィアの羨ましそうな表情に少し気付きながら、気まずさを感じつつその話題を流した。
⭐☆☆☆☆☆☆⭐
食後、旅の準備の一環として、ホウキの操作方法を教えることとなった。
リーフィアは自信満々で自分のホウキを手渡した。
「まずは、このホウキに乗ってみて!」
ハーベルは少し困惑しながらホウキを水平にしてみると、ふわりと浮き上がった。
「おお、浮いてる……って、本当に乗れるのか?」
恐る恐るまたがると、ホウキはしっかりと彼を支えた。
「で……どうやって動かすんですか?」
リーフィアはにっこり笑って答えた。
「それは、自分で考えることね!」
ハーベルは呆れつつも師匠の無茶ぶりに慣れている様子を見せる。
「やっぱり師匠ってこういう人ですね……。」
「それ、どういう意味かしら?」
「いや、何でもないです。」
ホウキに魔力を流してみたが動かない。彼はじっとホウキを観察し、先端に小さな猫の人形がついていることに気づく。
「これですね!」
ハーベルがその猫の人形を握ると、ホウキが動き出した。
「おお、びっくりした……猫の人形を動かすことで操作する仕組みなんですね!」
「大正解!」
リーフィアは拍手をしながら感心する。
ハーベルはさらなる工夫を思いついた。
「この仕組みならホウキ以外にも応用できそうですね。試しに絨毯でやってみていいですか?」
「いいわね、どうぞ!」
彼は猫の人形を絨毯に取り付けると、絨毯はふわりと浮き、水平に静止した。
「これなら荷物も乗せられますし、便利ですね!」
リーフィアもそれに賛同した。
⭐☆☆☆☆☆☆⭐
準備が整った二人は、修行の旅へと出発した。夜空には輝く満月が浮かび、まるで二人の旅立ちを祝福しているようだった。
次回 設定スキル:魔法の応用と冒険の序章
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