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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン2 【聖域巡礼編】(闇の神殿)

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浮遊する絨毯!?と新たな冒険!

ハーベルはふと朝食の香りに気付き、布団から慌てて起き上がった。部屋中に漂う芳しいスープの匂いと、ほかほかの焼きたてパンの香りに誘われ、気持ちが晴れやかになる。

「ふぁー!師匠、おはようございます!」

彼は軽やかな足取りで食卓へ向かった。


「おはよう、ハーベル!」

リーフィアはキッチンから顔をのぞかせ、微笑みながら返事をした。

「食事が済んだら、旅の準備に取りかかるわよ!」


「はい!」

ハーベルは元気に返事をしながら席に着く。目の前に並べられた料理に驚きつつ、パンに手を伸ばした。


一口かじった瞬間、口いっぱいに広がる風味に彼は感動した。

「師匠!これは最高すぎます!」

パンを頬張りながら叫ぶハーベルに、リーフィアは満足そうに笑う。

「あらあら、そんなに気に入ってくれたなら嬉しいわ!」


実は、こちらの食事はスープの味は薄いし、パンもパサパサで決して美味しいと言えるものではなかった。しかし、その食事にすっかり慣れてしまっていたハーベルには、この食事は、何よりの御馳走だった。


「師匠!一生ついていきます!」

ハーベルは誇張しながらも真剣な表情でリーフィアに感謝を伝えた。

「大袈裟ね!」

リーフィアは軽く笑いながら紅茶を注いだ。


「ふー、満腹です!本当に最高でした。ごちそうさまでした!」

ハーベルは満足そうにお礼を言うと席を立つ。

「どういたしまして!」

リーフィアの表情もどこか嬉しそうだった。


リーフィアはふと真剣な顔になり、質問を投げかけた。

「ところで、医術師としての勉強の方はどうするつもり?」


ハーベルは頷きながら答える。

「はい、父が金貨を持たせてくれたので、旅の途中で医術書を買い揃えようと思っています!」


リーフィアはその言葉に感心しながら頷いた。

「本当にいいご両親ね!分かったわ、手頃な街で本を探しましょう!」

「はい!師匠、お願いします!」


ハーベルは師匠の協力に感謝しつつも、リーフィアの羨ましそうな表情に少し気付きながら、気まずさを感じつつその話題を流した。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


食後、旅の準備の一環として、ホウキの操作方法を教えることとなった。

リーフィアは自信満々で自分のホウキを手渡した。

「まずは、このホウキに乗ってみて!」


ハーベルは少し困惑しながらホウキを水平にしてみると、ふわりと浮き上がった。

「おお、浮いてる……って、本当に乗れるのか?」


恐る恐るまたがると、ホウキはしっかりと彼を支えた。

「で……どうやって動かすんですか?」


リーフィアはにっこり笑って答えた。

「それは、自分で考えることね!」


ハーベルは呆れつつも師匠の無茶ぶりに慣れている様子を見せる。

「やっぱり師匠ってこういう人ですね……。」

「それ、どういう意味かしら?」

「いや、何でもないです。」


ホウキに魔力を流してみたが動かない。彼はじっとホウキを観察し、先端に小さな猫の人形がついていることに気づく。

「これですね!」

ハーベルがその猫の人形を握ると、ホウキが動き出した。


「おお、びっくりした……猫の人形を動かすことで操作する仕組みなんですね!」

「大正解!」

リーフィアは拍手をしながら感心する。


ハーベルはさらなる工夫を思いついた。

「この仕組みならホウキ以外にも応用できそうですね。試しに絨毯でやってみていいですか?」

「いいわね、どうぞ!」


彼は猫の人形を絨毯に取り付けると、絨毯はふわりと浮き、水平に静止した。

「これなら荷物も乗せられますし、便利ですね!」

リーフィアもそれに賛同した。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


準備が整った二人は、修行の旅へと出発した。夜空には輝く満月が浮かび、まるで二人の旅立ちを祝福しているようだった。

次回 設定スキル:魔法の応用と冒険の序章

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