魔法の旅立ち:リーフィアとハーベルの絆
ハーベルはテルミットを高々と掲げ、瞬間移動で師匠リーフィアの部屋に飛び込んだ。
「師匠!お待たせしました!」
その声は高らかで、部屋中に響き渡った。
リーフィアは優雅な手つきで紅茶を注ぎながら、笑顔を浮かべた。
「あらあら、騒がしいわね。でも、元気なのは良いことよ!」
少しだけ首を傾げながらも、その様子を楽しんでいるようだった。
ハーベルは慌てて姿勢を正し、恐縮したように頭を下げた。
「すみません……でも、はい!元気です!」
リーフィアは楽しげな表情で続ける。
「高等部はどうだったかしら?」
ハーベルは目を輝かせて答えた。
「はい、とても有意義でした!素晴らしい経験をたくさん積むことができました!」
「具体的には、どんなことが学べたの?」
リーフィアが紅茶を持ちながら問いかけると、ハーベルは真剣な顔で考えを巡らせた。
「仲間の大切さが身に染みて分かりました。一人ではできないことも、信頼できる仲間がいれば乗り越えられるんです!」
その答えに、リーフィアは少し羨ましげに見える表情を浮かべた。
「いい仲間に恵まれたのね。そういう絆はとても貴重だわ。」
「はい……本当に感謝しています!」
リーフィアは満足そうに微笑んだ。
「他に学んだことは?」
「パーティーでの立ち回りや、状況に合わせた魔法の使い方なども学びました。それがとても勉強になりました!」
「素敵ね。あなたの努力が報われたのね。」
「はい、師匠のおかげでもあります!」
リーフィアはゆっくりと立ち上がり、語りかける。
「そういえば、学院長と話す機会があったのでしょう?私の過去について聞いたかもしれないけど、もう吹っ切れているから心配しないでね」
ハーベルは一瞬不安な顔を見せたが、リーフィアの真っ直ぐな視線に安心した。
「分かりました!気にしません。師匠がそう言うのなら!」
「よろしい!」
リーフィアは笑顔で頷いた。そして突然、軽い口調で言った。
「さて、早速だけど、旅に出ましょうか!」
ハーベルは目を丸くして驚きの声を上げた。
「えっ?旅ですか?師匠、何を急に!」
リーフィアは悪戯っぽく微笑む。
「修行の旅よ。それとも嫌かしら?」
「いえ、嫌じゃないです!どこへでもお供します!」
ハーベルは慌てて答え、師匠の提案を受け入れた。その表情は、使命感に満ちていた。
リーフィアは少し真剣な表情を見せながら話を切り出した。
「ただ、【MACOK】についての情報はまだ謎が多いわね。私も調査してみたけど、魔法陣使いについての情報は見当たらなかったの。ごめんなさいね」
「いいえ……師匠のことも含めて旅先で調べたいと思います!」
「それなら話が早いわね。ところで、旅の準備としてホウキの乗り方から練習しましょうか!」
「えっ?ホウキですか……まったく想像もつきませんが…。」
ハーベルは困惑しながら、少し落ち着かない様子を見せた。
リーフィアは軽く笑いながら部屋を案内した。
「今日はこの部屋を使ってね。旅の準備を始めるには、まず休むことからよ!」
ハーベルが入ったその部屋は、木目調の家具が整然と並び、温かみのある雰囲気だった。ベッドと勉強机が置かれ、本棚には読みきれないほどの本が並んでいた。ハーベルはその光景に圧倒され、静かに感謝の念を抱いた。
次回 浮遊する絨毯!?と新たな冒険!
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頑張って続きを書いちゃいます!




