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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン1 【王立魔法学院編】

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医術師の誇り ~卒業試験の中で輝いた光~

1年は早いもので、またピンクの花が舞う季節が近づいていた。


「今年の卒業試験を受けるのは3名だな!」

教諭がピクシスギルドのメンバーに呼びかけた。

「はい!お願いします!」

ハーベルはやる気に満ちた表情で胸を張った。


「学術試験は全員合格だな!それにしても、ハーベル、トップで合格ってどんな頭してるんだよ!俺なんかギリギリだったぞ…。」

カザキが少し肩を落としながら、悔しそうに笑った。


「合格なら、どっちでも一緒ですよ!」

ハーベルは飄々とした態度で言いながらも、自信を漂わせる。


「それより、問題は実技の方だな!」

カザキが話を切り替え、真剣な表情を浮かべる。

「今回の課題は、上級ダンジョンのジャイアントアントの角ですね…。」

教官の説明にメンバーたちは表情を引き締める。

「パーティーはいつもの6人で行くとして、ネルは作戦の立案を頼む!」

「分かりました!」

ネルが自信を持って答え、準備に取り掛かった。


「ジャイアントアントの弱点は、炎と毒だから、シズネ頼むぞ!」

カザキが指示を出す。

「毒なら…任せて…。」

シズネは不気味な笑みを浮かべながら頷いた。


くじ引きの結果、ピクシスギルドは最後の順番に決まった。

「最後の順番なら、作戦も立てやすいですね。ネル、お願い!」

「はい!」ネルが頷きながら魔力を発動させる。


ネルが「把握」を使うと、両手の中にダンジョンの構造が複雑かつ緻密に組み上げられていく。細かく動く魔法の構造物に、メンバーたちは息を呑んだ。


「いつ見ても綺麗ですね!」

ハーベルが感心した様子でつぶやくと、ネルの顔が赤く染まった。


「これでトラップの位置も完璧に分かりました。このルートが最善です。」

ネルが完成した地図を見せながら全員に指示する。メンバーたちはそれを確認して次々と頷いた。


ネルの作戦は、まずシズネが毒魔法でジャイアントアントを弱らせる。その後、マクリアの「マッド」とスイカの「アイス・ロック」で足止めを行い、最後にハーベルとカザキがとどめを刺すという流れだった。


「俺たちの番だな!」カザキが気合を入れる。


「ピクシスギルド、入ってください!」

係の教諭の声が響き、メンバーたちは準備を整えてダンジョンの中に足を踏み入れた。


「ハイポイズン!」

シズネが素早く毒魔法を放ち、ジャイアントアントを弱体化させる。


「マッド!」

「アイス・ロック!」

マクリアとスイカが連携して泥と氷で敵を動けなくした。


「疾風剣!」

「ブレイズ・スピアーズ!」

カザキの斬撃とハーベルの炎の槍が完璧に決まり、ジャイアントアントを撃破する。


「完璧ね!」

マキアが跳び上がりながら喜び、手を叩く。


「それにしても硬いな…。」

カザキが腕を振りながら呟く。


「次、来ますよ!」

ハーベルが声を上げ、仲間たちは次の敵に備えた。


同じ戦術で足止めを行った後、カザキが声を張り上げた。

「ハーベル、俺に任せろ!」

「はい!」


「疾風烈斬!」

カザキが高速で無数の斬撃を放ち、敵を切り裂いていく。


「おお、新技!」

ハーベルが感心し、拍手を送る。


しかし、その瞬間、カザキの横腹に巨大な何かが突進してきた。

「ぐっは…。」

カザキは血反吐を吐きながら倒れ込む。


「大丈夫ですか、カザキ先輩!」

ハーベルが素早く駆け寄り、「ルミナス・レストレーション」を唱えて回復させた。


「なんだ、このでかいの…?」

スイカが驚いた表情で見上げる。


「解析!クイーンジャイアントみたいです!毒耐性を持っているようです…。」

ハーベルが冷静に状況を伝えた。


「シズネさん、カザキ先輩をお願いします!」

「ハーベル…分かった…任せて…。」

シズネはカザキの側に移動する。


「こいつ、炎以外効きそうにないですね。マクリアさん、スイカさん、足止めをお願いします!」

「了解!」

「分かったわ!」


「マッド!」

「アイス・ロック!」

しかし、クイーンジャイアントは巨体ゆえに足止めが難しく、猛スピードでこちらに向かってくる。


さらに、消化液を撒き散らし、周囲の地面には無数の穴が開けられていく。


「あれに当たったら、一貫の終わりよ!」

マクリアが叫ぶ。


「マキアさん、俺に魔力回復を!」

「任せてください!」


「リフレッシュ!」

マキアの魔法で魔力を回復させたハーベルは、さらに詠唱を続ける。


「マグマ・ベース!」

「ブレイズ・ピラー!」

溶岩を吹き出させ、炎の柱で敵を囲い込む。


「ハイライフ!」

「ブレイズ・ジャベリン!」

巨大な炎の槍を召喚し、クイーンジャイアントの頭部を貫いた。


ギャピーーーーー!


クイーンジャイアントは炎に包まれ、そのまま燃え尽きた。


「はあ、はあ、はあ…なんとか倒しました…。」

ハーベルは息を切らしながら呟く。


「ハーベル、よくやった!」

カザキが辛そうにしながらも、笑顔で称賛の声を送った。


「ハーベルがいてくれて本当に助かりました。私だけだったらカザキさんを救うこともできませんでした…。」

マキアが涙を浮かべながら感謝を述べる。


「さすが、医術師の家系だな!」

「ありがとうございます!」

ハーベルは誇らしげな表情を浮かべた。


また、「統合」によって毒耐性を手に入れていたハーベルは、ネルの地獄のメニューのおかげで負担も最小限に抑えることができていた。

次回 英雄の凱旋 ~女王アリとの死闘を越えて~

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頑張って続きを書いちゃいます!

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