訓練場の英雄 ~光のナイフが導く未来~
「この辺りじゃ、敵が弱すぎるな!」
「もう少し奥まで行ってみましょう!」
マクリアとカザキが先導して進む。
「みんな、静かに!」
カザキが手を上げて全員を制止した。場の空気が一気に張り詰める。
「あそこに、サンライトベアがいる!」
カザキが小声で指さす先には、神々しい光沢のある毛並みを持つ巨大な熊が立っていた。全長3メートルを超える体躯が威圧感を放ち、鋭い目つきで周囲を警戒している。
「次はあいつを仕留めてみよう!」
「分かりました!」
ハーベルは静かに気合を込めて返事をする。
「次はハーベルも前衛に出るぞ!」
「でもハーベル、武器がないだろ!」
スイカが軽くツッコミを入れる。
「大丈夫です!」
ハーベルの確信に満ちた声に、全員がうなずく。シズネが目を細めて小声でつぶやいた。
「私の…『ポイズン』…が合図…。」
「了解!」
「ポイズン!」
シズネが呪文を詠唱すると、サンライトベアの周囲に紫色の霧が立ちこめ、毒がその巨体に染み込んでいく。不意を突かれたサンライトベアは低い唸り声を上げた。
ブォーーーー!
「ナイスです、シズネさん!次は『ヴァーティゴ』を!」
ハーベルが追撃の呪文を唱えると、サンライトベアの動きがさらに鈍り、ふらふらと揺れ始める。
「スイカさん、足止めをお願いします!」
「任せて!『アイス・ロック』!」
スイカが詠唱を終えると、サンライトベアの足元に氷のトラバサミが現れ、動きを封じ込めた。
「よし、次は俺だ!『サンダー』!」
ハーベルが雷を呼び出す呪文を唱えると、一筋の稲妻がサンライトベアの頭上に直撃する。轟音と共に、その巨体が震えるように揺れた。
「今です、カザキさん!止めを!」
「ほいきた!『疾風剣』!」
カザキが疾風のごとく駆け抜け、サンライトベアを一刀両断にした。
「やったー!初の大物だ!」
ハーベルは飛び上がらんばかりに喜びを見せた。
「ハーベル、やったわね!」
「いやいや、さっきの『サンダー』って初めて見たわ!」
スイカが驚きと共にハーベルを見つめる。
「指示のタイミングも完璧だった!」
マクリアが感嘆の声を上げる。
「ハーベル…『ヴァーティゴ』…すごい…へへへ…。」
シズネは怪しい笑いを浮かべている。
「ハーベル、素敵ですわ!」
マキアは興奮気味に言い、恍惚の表情を浮かべていた。
「おい、ハーベル!チェストがドロップしてるぞ!」
「ああ、本当ですね!」
ハーベルは初めての宝箱に目を輝かせる。
「ここはハーベルが開けるべきね!」
「いいんですか?」
「もちろんよ!」
仲間たちの声に背中を押され、ハーベルは緊張しつつチェストを開ける。
「ナイフ…ですか?」
取り出したのは、まばゆく輝く一本の美しいナイフだった。
「珍しいナイフね!」
「この魔石、6つも付いてるな!」
「しかも、光属性か!」
「使えるのはハーベルとマキアだけね。」
マクリアが詳しく説明する。
「私は後衛向きなので、ハーベルが使うべきだと思いますわ。」
マキアがナイフを手渡し、微笑んだ。
「こんな良いもの、もらっていいんですか?」
「今回は特別よ!」
マクリアが応じた。
【シックスセンス】
光属性のナイフで、中央に大きな光属性の魔石、周囲に5つの小さな魔石が埋め込まれている。
効果
- すべての魔法属性の威力を増強。
- ユニークスキル「模倣」を発動し、すべての属性の固有スキルを一時的に模倣可能。
•••••••••
これは、良いものを手に入れた。
これで、すべての属性の固有スキルを自分のものにできるな!
•••••••••
ハーベルは、初めての宝物に胸を躍らせた。
こうして、ハーベルの初冒険は無事に幕を閉じた。しかし、これはさらなる冒険の始まりに過ぎなかった。
次回 ネル特製メニューと魔力量の秘密
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