弟子入りの提案と迷子の夜
「実は、俺もリーフィアさんに、告白したいことがあります。」
今度は、ハーベルが真剣な顔つきになった。
「こ、告白…って…?」
「リーフィアさん!」
「は、はい!」
リーフィアは、なぜか心臓が高鳴っていた。
「俺!」
「はい!」
リーフィアの頬がほんのりと赤らむ。
「強くなりたいんです!」
「ああ、そうなのね…。」
リーフィアは、少し肩透かしを食らったように肩を落とした。
「ええ、何ですか?俺、何か変なこと言いましたか?」
「いいえ、とんでもございません…。」
「なんです、その口調は、ハハハ…!」
「そうね、ハハハ…!」
二人は、急におかしくなって笑い出してしまった。
「そっか、強くなりたいんだね。どれくらいの強さを目指してるの?」
リーフィアは真剣な表情に戻り、問いかけた。
「仲間を守れるくらいに!」
ハーベルは、きっぱりとした口調で答えた。
「う~ん…。」
リーフィアは、人差し指で自分の頬をくるくると回しながら、考え込んでいた。
「分かったわ、私の弟子になりなさい!」
リーフィアは勢いよくハーベルの肩を両手で叩いた。
「ええっ、いきなり何を言い出すんですか?」
ハーベルは驚いて声を上げた。
「そうと決まれば、まずはご両親の了解をもらってきなさい!それが絶対条件よ!」
「ああ、ちょっと…。」
「了解をもらったら、また来なさい!」
「ええ、待って…。」
「ああ、それと、そのテルミットはそのまま肌身離さず持っていなさいね!スマホみたいに連絡を取るのに使えるから!」
「いや、だから…。」
ハーベルはしどろもどろのまま、リーフィアの勢いに振り回されていた。
「さあ、頑張って、両親を説得してきてね!」
リーフィアはハーベルの肩を押しながら玄関の方へ連れていき、何やら呪文を唱え始めた。
⭐☆☆☆☆☆☆⭐
次の瞬間、ハーベルは巨大な樹の根元へ飛ばされていた。
「ええーーーって、どういうこと?」
ハーベルは突然の出来事に混乱して声を荒げた。
「俺、まだ弟子になりたいなんて一言も言ってないですけどーーー!」
リーフィアの一方的な態度に、完全に呆れてしまった。
しかし、ハーベルは頭を切り替え、前向きに考えることにした。
「まあ、ここは良い方に捉えよう。気兼ねなく話せる転生者仲間ができたと思えば…良いこともある、はずだよね?」
彼は少し不安を抱きながらも、自分を励ました。
「って、家はどっちだよーーー!」
ハーベルは周りを見回し、完全に道に迷ったことに気付いた。
「ああ、マジでどうしよう…。」
それでも彼は、何とか前向きな気持ちを保ちながら家への道を探し始めた。
次回 転生者の絆と運命の導き
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