魔法陣使いの恐怖と誓いの絆
「そうなの…レオン君は、心配ね。」
リーフィアは、心の底から心配している様子だった。
「はい…きっと、見つけてみせます!」
「そうね、応援してるわ。」
ハーベルの手を握って頷いた。
「それにしても、その白いフードの男は、怪しいわね!」
「そうなんですよ…俺も、そう思います…。」
「高等部へ進学したら、また出会うかも知れないから、十分に注意してね。」
「分かりました!」
ハーベルは、少し心強かった。
「ああ、それと、【MAC…】のことだけど、それは、恐らく【MACOK】のことよ!」
「マコック?」
「ええ、これは、さらに注意が必要な事項よ!」
「マジですか?」
「マジよ!」
リーフィアの話によると、なんでも【魔法陣使い】と呼ばれる謎の存在がいるそうで、人の身体の一部に直接魔法陣を刻み込む異常者だという。魔法陣を刻み込まれた者たちは【魔刻印者】と呼ばれ、蔑称として【MACOK】と呼ばれることがあるということだった。
「そんな奴が、この世界に居るなんて…。」
ハーベルは、寒気がしてブルッと震えた。
「とにかく、【魔法陣使い】に目をつけられたら、ろくなことにならないから、気を付けなさい!」
「はい、ありがとうございます!」
「ああ、もうひとつ注意しておくことがあるわ!」
リーフィアは真剣な顔でハーベルを見つめた。
「な、何ですか…急に…。」
ハーベルは、なぜか照れてしまって顔を真っ赤にしていた。
「さっき、『解析』スキルのことを話していたでしょ!」
「ええ、何か?」
「恐らくだけど、まだ他にもレアスキルなんかを持っているのでしょうけど、他人には絶対に話しちゃダメよ!」
「なんで…」
「この私にも、絶対に言わないで!」
「どうしたんですか?急に…怖いですよ…。」
リーフィアの美しい顔が無表情になり、かえって怖さを醸し出していた。彼女は今までにも何人かの転生者に出会っていたが、スキルに関する問題が人間関係を壊す大きな原因であることをよく知っていた。
「わ、分かりましたよ!リーフィアさん…。」
「分かってくれればいいのよ…。」
リーフィアの顔には、再びいつもの笑顔が戻っていた。
「実は、俺もリーフィアさんに、告白したいことがあります」
今度は、ハーベルが真剣な顔で彼女に向き合った。
「こ、告白…って…。」
次回 弟子入りの提案と迷子の夜
続きの気になった方は、
ぜひともブックマークをお願いいたします。
リアクションと⭐5もつけていただけると幸いです。
頑張って続きを書いちゃいます!




