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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン1 【王立魔法学院編】

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木の家で紡がれる転生者の物語

ー彼女は台所へと入り、ポットに水を注ぎ、コンロのようなものの上に置いた。

普通に火を点けてお湯を沸かし始める様子に、ハーベルは目を丸くして見入っていた。


湧き立つお湯をティーポットに移すと、可愛らしい花柄のついたカップに丁寧に注ぎ、美味しそうなクッキーを棚から取り出してテーブルに並べた。

彼女は楽しそうに鼻歌を口ずさみながら、ハーベルの前に座った。


「はい、お茶でも飲みながらお話しましょう!」

彼女は微笑みを浮かべながら、カップを差し出した。


「あの…。」

ハーベルが少しもじもじしながら切り出した。


「何かしら?」

彼女はクッキーを頬張りながら答えた。


「クッキーもどうぞ。」

「あ、はい…。じゃなくて!なんで魔法を使わないのですか?」

思わず気になったことを口にしてしまった。


この世界に来てからというもの、火を使ってお湯を沸かす光景を見たのは初めてのことだった。

ここでは生活に必要な魔法が当たり前のように使われており、洗濯も炊事もすべて魔法で済ませてしまうのが常識だったのだ。


「お湯なんかすぐに魔法で出せるのに、なんでわざわざ手間のかかることを…?」

そう言ってしまった瞬間、ハーベルはしまった、と思った。


「あなた、なんでお茶の入れ方なんて知ってるの?」

彼女は少し悪戯っぽい目をしてハーベルを見つめた。


「……。」

ハーベルは言葉を詰まらせる。


「やっぱり、あなた転生者でしょ?」

その言葉に、ハーベルは一瞬心臓が止まりそうになった。


「いえ…俺、帰ります!」

動揺した彼は立ち上がり、帰ろうとした。


「ああ、待って!私も転生者なのよ!」

彼女は慌ててハーベルの手を掴んで叫んだ。


「ええ!?」

驚きのあまり、ハーベルはその場にへたり込んでしまった。


自分以外にも転生者がいるかもしれないとは思っていたが、この世界でそれらしき人物に出会ったことは一度もなかった。

目の前の女性がそうだと言う事実に、完全に不意を突かれていた。


「ごめんなさいね、驚かせてしまったわね。」

彼女は腰を下ろし直し、丁寧に自己紹介を始めた。


「私の名前はリーフィアよ。」


「こちらこそ、ごめんなさい…。俺はハーベルと言います。」

ハーベルは正座をして深くお辞儀をした。


「こっちへ座って。」

「はい…。」


「こちらに来て何年になる?」

リーフィアが静かに尋ねた。


「俺は3年になります。」

「私は、かれこれ15年くらいになるわ。」

「そんなに…。」


リーフィアは少し寂しそうな表情を浮かべた。


「ずっと、一人だったんですか?」

「いいえ、そんなことはないけど…。」

しかし、それ以上は語りたくないような雰囲気だった。


ハーベルは話せる相手がいないことに悩んでいたこともあり、気づけばこれまでの経緯をリーフィアに包み隠さず話していた。

次回 魔法陣使いの恐怖と誓いの絆

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頑張って続きを書いちゃいます!

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