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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン1 【王立魔法学院編】

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26/199

光る珠が示す冒険の始まり

来年からは高等部への進学を控えていたハーベル。

期待と不安が交錯する中、彼は日々の学院生活に取り組んでいた。


あの事件以来、学院はしばらく警戒体勢を敷いていたものの、人々が事件を忘れ始める頃には対応も次第に疎かになっていった。


事件そのものには何の進展もなく、レオンの行方も依然として不明のままだった。

それでもハーベルだけはレオンを気にかけつつも、自分の未来を見据えて努力を続けていた。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


「あのお姉さんに会ってから、もう1週間か…。」

学院からの帰り道、ハーベルはふと魔女のことを思い出し、例の光る珠を取り出してみた。


「あれ、なんかいつもより光っている気がする…。」

彼は珠を掲げてみると、確かにいつもより強く光っているようだった。


「やっぱり、光ってる!もしかして、場所によって光る強さが変わったりするのかな?」

ハーベルは興味を抱き、光が強くなる方角を探りながら歩き始めた。


「やっぱり、そうだ!」

彼は珠が導く方向へ進んでいった。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


しばらく歩くと、知らない地区にたどり着いた。

少し戸惑ったものの、ハーベルは気にせず先へ進む。


目の前に広がったのは、一見何もない公園のような場所だった。

その中心には高さ20mほどもある巨大な樹が立ち、その上方には家のようなものが見えた。


ハーベルが公園の中に入ると、珠が明らかにさらに強い輝きを放ち始めた。


「あの家…マジか…どうやって行くんだよ…。」

何度も見上げながら、ハーベルは困惑していた。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


「おーい!」


遠くから声が聞こえた気がして、ハーベルは辺りを見回す。


「うん?気のせいか?」


「おーい!おーい!」


突然、目の前を可愛らしいピクシーが飛び回り始めた。


「何、お前誰だ!」

思わず身を引きながら、ハーベルは尋ねた。


「お前は、ひどい!」

ピクシーは小さな腕を振り回しながら怒った様子を見せた。


「ああ、ごめんなさい…驚いちゃって…。」

ハーベルが素直に謝ると、ピクシーは少し落ち着きを取り戻した。


「まあ、いいけど!あんた、あの家に行きたいんでしょ?」


「うん、でも行き方が分からないんだ!」


「でしょうね…。いいこと教えてあげる!」


「いいこと?」

不思議そうに尋ねるハーベルに、ピクシーは嬉しそうに飛び回りながら教えた。


「あんたの持っている珠を上に掲げてみなさい!いいことが起こるわよ!」


「こうかな?」

ハーベルは光り輝く珠を空へと掲げた。

次回 窓辺の景色と紫の魔女

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