優しい声と導きの珠
家に着くと、玄関で使用人が出迎えてくれた。
「ハーベル坊っちゃん、お帰りなさいませ!」
使用人は丁寧にお辞儀をしながら声をかけた。
「遅くまで、ご苦労様です。」
ハーベルが上着を脱ぎ、使用人に手渡すと、突然足音が近づいてきた。
「お兄ちゃん、遅いよ!」
妹のフィナベルが嬉しそうに駆け寄り、勢いよくハーベルに飛びついた。
「フィナベル、ごめんよ…。学院の方が大変でさ。」
ハーベルはフィナベルの頭を優しく撫でると、足早に自分の部屋へと向かった。
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部屋にこもったハーベルは、例の珠を取り出してじっと見つめた。
「あのお姉さん、なんで俺なんかに声をかけてきたんだろう?」
不思議に思いながら、光る珠を手のひらで転がす。
「怪しい感じはしなかったけど…。ホウキに乗るって、ただのヤバい奴かも。」
ハーベルは半信半疑のまま、独り言を続けた。
「しかも、珠だけ渡されても使い方が分からないし…。なんなんだ、これ。」
彼はしばらく珠を眺めていたが、とりあえず大事に肌身離さず持つことに決めた。
思い返すと、あの魔女の美しさが脳裏に蘇り、ハーベルは少しニヤついてしまった。
⭐☆☆☆☆☆☆⭐
食事を済ませ、風呂から上がって部屋に戻ると、ハーベルは再び珠を手に取った。
「なんでこんなに気になるんだろう?」
不思議な感覚に胸を高鳴らせながら珠をいじる。
「なんか、どうしても、またあのお姉さんに会わないといけない気がする…。そう、まるで運命みたいな感じだ。」
ハーベルは珠を見つめながら、自分の中に芽生えた謎めいた思いを抱いていた。
「そういえば、お姉さんが珠を持っていたとき、もっと強く光っていた気がするな。」
ぼんやりと薄暗く光る珠をじっと見つめながら、ハーベルは呟いた。
そのまま、知らぬ間に彼は深い眠りへと落ちていった。
次回 光る珠が示す冒険の始まり
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