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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン1 【王立魔法学院編】

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親友の行方と運命の選択

その日は冷たい雨がしとしとと降り続き、重たい雲が空を覆い、気分も沈み込むような憂鬱な日だった。

学院の休校はまだ続いており、生徒たちの間でも不安が広がっているようだった。


ハーベルはアンナの家に足を運び、レオンのことについて相談をしていた。彼の心は昨日警察官に聞いた話でさらに混乱しており、自分なりの考察も交えながらアンナに状況を説明していた。


「アンナ、どう思う?」

ハーベルは切羽詰まった様子で問いかけた。


「うう、私たちじゃあ、どうにもできないと思う…。」

アンナも困った顔でうつむき、答えに詰まってしまった。


「確かに、15歳やそこらの俺たちじゃ限界があるのは分かるけどさ…。」

「そうだよ!警察に任せたほうがいいよ!」

「でもレオンのことが心配じゃないのか?」

「心配だよ…だけど、私たちじゃ何もできないでしょ…。」


二人はしばらくの間、言葉を失い、黙り込んでしまった。


•••••••••

ハーベルの頭には、考えが渦巻いていた。


正直、俺の中身は27歳の大人だ。それなのに、自分でもどうしようもないと思っている。

現時点では分からないことが多すぎて、推測すらまともにできない。手がかりがなければ、探す場所すら分からないんだ…。


唯一の手がかりは例の紙切れだ。しかし記憶が曖昧すぎてそれに頼ることもできない。


ただ、地図には高等部の辺りが示されていたような気がする。それが本当に唯一の手がかりなら、もう行ってみるしかない。

•••••••••


ハーベルは深く息を吸い込み、アンナの方を向いて意を決した。


「アンナ、俺、高等部に行ってみようと思う。」


「えっ、行ってどうするの?危なくない?」

アンナは真剣な顔で問い返したが、ハーベルは目を逸らさずに答えた。


「どうなるかは分からないけど…何もしないよりはいいと思うんだ。」


アンナはしばらく考え込み、やがて答えた。


「分かった、私もついて行こうか?」


ハーベルは驚いた表情を浮かべたが、すぐに首を振った。


「いや、アンナには危険なことをさせたくない。一人で行くよ。」


その言葉にアンナは不安を感じつつも、彼の決意を尊重し、静かに頷いた。


「でも、気をつけてね。本当に危ないことはしないでよ?」

「分かったよ。ありがとう、アンナ。絶対に無茶はしない。」


アンナはハーベルの手を握りしめ、信じる気持ちを込めて送り出した。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


翌日、ハーベルは中等部の校舎を抜け、高等部へとやってきた。

高等部の方では通常通り授業が行われており、中等部とまるで違う雰囲気に彼は驚きを隠せなかった。


「あんな事件があったっていうのに、どうして高等部は影響を受けていないんだ…?」

彼は不思議に思いながら周囲をキョロキョロと見渡し、次の手がかりを探し始めた。

次回 高等部への進入と未知の邂逅かいこう

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頑張って続きを書いちゃいます!

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